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ChatGPTの「GPTs」で町づくりゲームを作ってみた

OpenAIの高性能チャットボット「ChatGPT」に、GPTsが追加されました。

GPTsは、ChatGPT上で手軽にGPT搭載ツールを作れる機能で、プログラミングの知識が無くても、だれでも自然言語でアプリを作ることができるのが特徴です。

GPTsで作られているのは、主にツールが多いが、一部ではGPTsを活用したゲームが登場しています。

(参考URL)GPTsで恋愛ゲーム作ってみたらすぐ作れた割に時間がトロトロに溶けました|花笠万夜 (note.com)

そこで、筆者もChatGPTで簡単なゲームを作ってみました。その名は「ChatCITY ChatGPTで町づくり」です。

「ChatCITY ChatGPTで町づくり」のルールは以下の通り。基本的にチャット形式で政策を決定することで、町が変化するゲームとなっています。

あなたは、都会から生まれ育った町である森谷町に帰ってきました。久しぶりに帰った森谷町は荒れ果てていました。あなたは町長選に出馬し森谷町の町長になった。幼馴染で助手である林梓と一緒に、荒れ果てた町を復活させよう。

森谷町は人口3000人の小さな町で、周りは山に囲まれています。高速道路や新幹線はありません。都会である人口50万人の西京市や、人口40万人の小坂市に行く事ができる鉄道や道路はあるのですが、それらの町に行くには2時間ほど時間がかかります。

町の主要産業は農業で、観光に関しては小さなキャンプ場があるだけ。名産は特にありません。また、高齢者が多く、保守的な人が多いです。

現在の支持率は50パーセントで、30パーセント以下になるとゲームオーバー。また、政策を行うことができるポイントは50ポイントあるので有効に活用して、町を発展させてください。

ChatGPTで作ったGPTsのゲームは自由度が高い

今回、簡単なゲームを作って実際に動かしてみて驚いたのが、予想以上に動いてくれるということ。ChatGPTゲームのイメージは、ゲームブックをChatGPTが読み、それに沿って文章や画像を表示するといった内容に近いので、派手なアクションゲームは作れませんが、大きな可能性があると思います。

一番の強みは自由度が高いということ。通常のゲームなら画像や文章は固定された物が登場しますが、GPTsゲームはChatGPTが考えて文字や画像を出すため、同じ文章や画像がほぼ登場しない所です。

最初の頃とはかけ離れた一大観光地にすることも可能
原子力発電所を作って町民を二分させることも可能

また、通常のゲームなら決められたルールから逸脱した行為を行うとエラーが出ますが、GPTsゲームの場合はChatGPTが考えて文字や文章を生成するため、ルール違反の範囲を少なくすることが可能です。例えば荒れ果てた町を再生して有名な観光地にしたり、原子力発電所を建設して町民を二分させたり、カルト宗教団体を誘致するといったこともできます。

さらに、原子力発電所建設に反対する住民を逮捕したり、政策提言を行う助手を逮捕するといった、普通のゲームではできないことも可能です。勿論、助手を逮捕すると、ゲーム内で消滅してヒントが貰えないという事もできます。

ただ、自由度が高いということは、簡単にデバッグを行う場合でも、デバッグ出しが難しいという問題があります。

GPTsを使ったゲームが(現時点では)流行しないと思う理由

GPTsはソフトだけでなく、ビジュアルノベルのようなゲームも作ることができ、本格的に作り込めば今迄にないゲームを作ることができるでしょう。

しかし、現時点(2023年11月13日時点)ではGPTsでゲームが流行するのは難しいと思います。その理由はGPTsに使われているGPT-4の問題です。

GPTsは、マルチモーダル大規模言語モデルのGPT-4や画像生成AIのDALL-E3を使用していますが、これら機能を頻繁に使うと利用制限に達してしまいます。特にゲームはGPT-4やDALL-E3を頻繁に使うため、途中でゲームの進行ができなくなるという問題が発生します。

これは非常に曲者で、途中でゲームを辞めて他のツールを使おうとしたら、ゲームで沢山使っていたため、ツールが途中で使えなくなったり、デバッグを行おうとしたら利用制限に達してしまうという問題が発生します。

実際、テストでゲームオーバーになるほど支持率を下げてもゲームオーバーにならないので、Knowledgeを直して再挑戦したら途中で利用制限に達してしまいデバッグに時間がかかるという問題がありました。

「ChatCITY ChatGPTで町づくり」本格的な町づくりゲームではなく、町づくりゲームのようなデジタルゲームブックです。ただ、GPTsが登場して僅か1週間も経たないで、ゲーム作りの経験が無い人でもゲームが作れるのを見ると、早くて半年後には本格的なゲームが登場するのではないでしょうか。

文:松本健多朗

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