だめミュージシャン映画3選

自分の身近に自分の好きな音楽を認めてくれる人がいてくれたとしたら、自分は表現活動をしてなかったかもしれないなあ、と思います。

芸術家って基本可哀想な人なのかもしれません。
たぶん身近に自分を認めてくれる人がいなかったのだと思います。
だから社会という曖昧で虚なものを相手に死ぬまで戦うしかなのです。
「有名になりたい」がモチベの人は別として。

つまり、ミュージシャンって基本「人として欠陥があるのが普通」なのかもしれません。
私は「ボヘミアン・ラプソディ」みたいなミュージシャンのサクセスストーリーよりも、ダメなミュージシャン映画の方が好きだったりします。

先日ご紹介した「FRANK」ですとか、

「ギター弾きの恋」も好きです。

ジャンゴ・ラインハルトをモデルにした主人公。
ジャンゴはギターに革命を起こした人です。
左手の指は火傷で3本しか使えないのにも関わらず、圧倒されるメロディに誰もが驚きました。
当時はアンプがなかったのでギターはその音量から、表現する楽器ではなくバンドメンバーにコードを教えてるための役割しかありませんでした。彼のフランスホットジャズ五重奏団にも、実際リズムギターが2名もいます。そうでないと音量バランスが合わない、と言うことです。
それを彼は分厚いピックから繰り出す音量でメロディ楽器にしたのです。

ジャンゴはかなりアレな人だったと聞いております。
ロマ族である彼の家族は辻演奏で稼いでいたようで、彼は「生まれる前から家業の音楽をやっていた」と言っていたとか。
一方で手癖がかなり悪く、彼の盟友バイオリニスト、ステファン・グラッペリも最初はジャンゴがチンピラに見えたとか。
そんな彼が尊敬するのはステファンだけ。彼の言うことは聞いたらしいです。
ジャンゴの亡くなった父がバイオリンを弾いていたというのもあるのかもしれません。

「ギター弾きの恋」はそのだめなところをフォーカスした映画です。
卑屈で虚栄心たっぷり、なのに才能だけはある。
そんな主人公の心が痛くなる人生の大失敗を存分に堪能できます。


「デトロイト・メタル・シティ」も好きですね!

おしゃれ渋谷系音楽をやりたい主人公は、そちらでは全くウケません。
でも、その鬱屈を勘違いデスメタルにぶつけたら大ヒット。
カリスマミュージシャンとして成功してしまいます。
その乖離が大きくなればなるほど、本人の苦悩が深まれば深まるほど、カリスマは輝き、周りがほっといてくれなくなるという悲しい現実。
ああ、主人公の運命はいかに?


とまあ、だめミュージシャン映画って、もっとありそうな気がします。
また素晴らしいだめミュージシャン映画を見つけたらご紹介したいと思います。

なぜだめミュージシャン映画が好きなのかって?
自分がだめミュージシャンだからに決まってるじゃないですか!

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