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むつだの「チャイナマガジン」①

~はじめに~

これは、私が今から約10年ほど前、上海に駐在していた際、当時在籍していた会社の日本の同僚や、友人に宛てた近況報告メールです。ひょっとしたら今とは違う中国の様子が垣間見えるかもしれません。よろしければ是非ご覧下さいませ。

2021年5月 むつだ

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不定期配信・むつだの「チャイナマガジン」
2010年5月4日 (日本は休日〜)

・・というわけで、むつだが中国にきて早1ヶ月経過。

もう、地元民真っ青なくらい打ち解けちゃってます。
で、落ち着いたので、出国前に一部の方々に予告していた「むつだ・チャイナメルマガ(オプトアウト不可)をお送りします。

出国前に、「上海遊びに行くね、ついでにマカオも」とか「どうせなら万里の長城も行きたい」とか無理難題を平気でおっしゃる方があまりに多かったため、第一回目の今回は「上海ってどこ?」というテーマでお送りしようと思いましたが、やめました。
位置を確認したいかたは、ネットで調べてみてくださいね。

ということで、今回は「わが社の周辺」という、いきなり「どローカル」なネタから行きたいと思います。

さて、「わが社」ですが、宝山区というエリアに位置します。
上海中心部から、北へ十数キロいったところですが、それはもう、何もないです。

これが会社の目の前の建物。

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一応、ホテルらしき建物はありますが、どローカルです。
ホテルの中のレストランはそこそこいけますが、まあ、それ以外何もない。
まあ、無いなりに、まだある角度から写したので、あるっぽく見えますが、次の写真を見てもらえると、もう少し雰囲気が伝わるはずです。

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ね。こんな感じです。
ちなみに、向こうに高速の向こう側は、普通のマンションです。

コンビニもない(スーパーはあるけど)、飯屋も少ない、本屋も文房具屋もない。
ないないづくしですが、そんなわが社の近くには

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メイド喫茶があります。

ホント、おかしい。喫茶店すらないのに、メイド喫茶って・・・
あらぬ方向に、5ステップくらい飛び越えてしまった感はありますが、早速行って来ましたので、突撃レポートします。

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お店の名前は「LUNA」ですって。
それっぽい名前つけてるじゃないかよ。

お店に入ると、なんと日本語で「お帰りなさいませご主人様」と言ってくれました。
てっきり中国語かと思いましたが、やるな〜・・・って客が中国人だったら中国語の方がいいんじゃね、とか思いましたが、そういう詰めの甘さが集客力にも出てしまっているのか

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おもいっきり暇そうです。
ちなみに写真は、カチューシャのつけ方をレクチャーし合っているところです。そんくらい暇。

ちなみに価格設定ですが

・コーヒー 20元 (300円くらい)
・メイドと写真撮る 10元 (150円くらい)
・メイドとおしゃべりとかゲームとかする 40元 (600円くらい)

です。

ひょっとしたら、安って思われる方もいるかもしれませんが、ここは中国。
ちなみに、陸田が会社の近くの汚いなりにそこそこ綺麗なレストランで食べるランチが大体一食6〜8元くらいですので、その超強気な価格設定に驚かれることでしょう。

そんな汚いなりにそこそこ綺麗なレストランの並びでメイド喫茶があるんだから、そもそもエリア選定から間違っているわけです。


で、そもそもなんでメイド喫茶がここにあるか、なのですが実は背景があるようです。わが社のある宝山区。がんばってはいるのですが、どうもイケイケ上海に乗り切れてません。
市の中心部まで、車で20〜30分というそこそこの好立地ではあるのですが、多くの地図では、大体見切れちゃっています。そんくらいイケてない。

そこで、宝山区市長が満を持して打った秘策が、「宝山区オタク王国化計画」。日本で火がついたオタクブーム、かつ上海にまだ強力なコンペティターとなる街もない。
で、わが社の近くの通りをミニ秋葉原にしちゃえ、とそういう流れがあったわけです。ちなみにメイド喫茶のほかにも、「トランスフォーマー屋」だの「同人誌屋」だのがあります。

確かに香港人を筆頭に、中国にもオタク文化が根付きつつあるのは知っていましたが、しかし・・・上海には早すぎたのか、PRまで金が回らなかったのか分かりませんが今のところ失敗感は否めないところです・・・。

まあ、「会社の近くですか、いや〜何もありませんよ。しいて言うならメイド喫茶があるくらいです。」
っていう言葉をしばらく使いたいので、がんばって欲しいなぁ。


では、また次回に続く〜。

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