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部屋着を捨てるタイミングがわからない

私の祖父はなんでも取っておく人だった。
倉庫は色んなもので溢れていた。
ある日祖父の自転車についていたミラーが
自宅のポストの上に設置されていた。
そもそもこのミラーも謎なのだが、、

いつのまにか設置されていたミラーにもちろん母は激怒。
「なぜあんな意味不明な場所にミラーを取り付けたのか」
「勝手に設置するなんて」

ごもっともである。
設置するなら相談のひとつくらいするべきだっただろう。

そんな祖父が亡くなって19年。
今もミラーは我が家のポストに取り付けられたまま。

激怒していた母曰く、我が家は道路沿いにあるので車を出すときに覗き込まずとも謎ミラーで確認できるのだとか。
免許を取った私も謎ミラーなしでは車は出せないほど活用している。


おじいちゃん、ごめんね。


祖父の遺品整理をしているとき、父はいらないものばかり溜め込んでいた祖父に苛立っていた。


繰り返しになるが、それから19年。
父が使っているヘアワックスの空箱がどんどん棚に積まれている。


しっかり受け継がれているようだ。


捨てられない3世の私はこうはなるまいと、いらなくなったものは捨てるようにしている。
だが血は争えないのか、どうしても分からないことがある。

それが部屋着を捨てるタイミングだ。

去年、小学生のころから着ている部屋着Tシャツを捨てた。
20年前に買ったTシャツは薄くなり、穴も空きまくりだった。
だがまだ着れる、捨てるほどじゃないと3世を大いに発揮していた。

だが背中に直径5センチほどの大きい穴が空いたとき、興味本位で指を突っ込んだ。
20年経った布は指1本でメリメリ裂ける。
気分は北斗の拳のケンシロウだ。
(もちろん筋肉では破けない)

すっかり布切れと化した元部屋着を姉に見せると、ドン引かれた。笑ってくれると思ったのに。

そうして20年着倒した布切れを捨てることができた。

そんな私が今悩んでいるのはスウェットの捨てるタイミングだ。

今着ているスウェットは恐らく大学生のころに買ったもの。
もう10年近く経つだろうか。

そんなスウェットは、裾がボロボロで膝がちょっと薄くなるくらいで意外と耐えている。
10年じゃやっぱりまだまだ着れるなと部屋でゴロゴロしていたとき姉に言われた。


「お尻スケスケだよ?」

そんなまさかと思い鏡で後ろを見たときお尻がスケスケでパンツの色が見えるくらい薄くなっていた。
イメージは猿のお尻の赤い部分くらいの大きさ。

でも3世はこう思ったのです。

…まだ穴空いてなくない?


パンツ丸見えスウェットを穴が開くまで着倒すか、今すぐ燃やすかが今の1番の悩みだ。

さらに部屋着が捨てられないということはどういうことか。

部屋着にする2軍Tシャツが大渋滞するということだ。
まんべんなく着ればいいのだがそうはいかない。
大体2着を着回すのでクローゼットが2軍だらけになる。

こうして部屋に物が溢れかえる、3世の役割をしっかり果たすことになるのであった。

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