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サンタクロースを信じたことがなかった: 2022年12月23日

サンタクロースを信じていた時期がなかった。物心ついた頃にはごく自然とファンタジーの世界の話だと思っていた。

通っていた保育園にはちゃんとクリスマスイベントはあったし、それなりの格好をしたサンタがやってきて手品をやってくれたりした。クリスマスの朝にはちゃんと枕元にサンタブーツに入ったお菓子が用意されていた。少なくとも小学校に上がる前くらいまでは親はちゃんとやっていた。それでも、だ。

私は周りの大人が準備してくれたイベントに水を差さないよう、サンタさんだ!とか言ってそれなりに喜んで過ごしていた。サンタを信じている友達も、私と同じように大人への忖度で信じたフリをしているんだと思っていた。

子供ながらに考えてやっていることってきっと大人が考える以上に多いんだと思う。保育園で書かされたプロフ帳のようなものの中で、「わたしのすきなたべもの」にハンバーグ、ケーキ、のあとに小さな字で「つけもの」と書いていた私である。それを書いた記憶は残っていないが、大人の考える子供像を壊すのは申し訳ないと考えていたのは覚えている。最後に自我を出すな。

サンタクロースを信じていた時期がないのは、そっち側の感性を持つチャンスを逃したということだ。もったいなかったかな。そもそもクリスマスにそれほど楽しい思い出が付随していない。甘いチキンも、ご馳走の後にさらに出てくる甘いケーキも、どデカい音の鳴るクラッカーも、本当はあまり得意ではなかった。好きでなければいけないと思っていたけれど。

大人は自由でいいよね。もう好きなものだけでいいよ。

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