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情報の引き出し方に宿る、ライターの魂: 2023年1月21日

オモコロチャンネルの動画「『大学』ってなあに?」を見た。

この形式、オモコロチャンネルでは今まで無かったけど、とても良かった。大学を経験した人には当たり前の文脈なのに、経験がない人には実感を持ってわかるものではない。あるあるについていけない気持ち悪さみたいなものだろうか。質問はどれも素朴で、でも全部「そうだなぁ」と感じられた。

単位って何?ポイント制なの?削られるの?
6、3、3年と3の倍数できたのに、いきなり4年なのなんで?
卒論って何?レポートって何?
(卒業の条件について)そんなに複雑なこと、よくみんなちゃんとできるよね?みんなえらい!

とにかくわかんないのだ。そういうのをわかる人に聞こうよという企画、皆さんの本業であるライターの魂を感じることができてなんか感動しちゃった。大人になったからって、知る楽しさを押さえ込んでクールになる必要なんてないのだ。かっこいいぞ。

大学生っぽいのが嫌だった、という恐山さんの言葉も良かった。自分も大学生のくせに、周りの人の大学生らしさになんだか居心地が悪い思いをした全国の元大学生にとっては、アーわかるぞ、と思えたんじゃないだろうか。永田さんと恐山さんは大学卒として答える側ではあったけど、ちゃんと言葉にするぞ(しかもおもしろ要素も入れるぞ)という気持ち、これもメディアを作る側の発想なんだろうなぁ。

でも断然、質問する3人のほうが楽しそうなのが印象的だった。実はこの動画とほぼ同時期に、ほかほかおにぎりクラブ(オモコロのファンクラブみたいなもの)の限定コンテンツで「麩ってそのまま食べてもいいの?」という動画を見ていたのだ。撮影中、乾燥した麩をパンか何かに直接トッピングするARuFaさんを見て、加藤さんが「麩ってそのまま食べていいの?」と言い出した。パッケージには戻し方しか書いてなく、その場にわかる人がいなかったから、原宿さんが製造元に電話して直接聞いていた。このフットワークよ!
普通のお麩は小麦粉のグルテンを焼成して作るので、一応火は通っているからそのまま食べられる。ネットで調べてもたぶんわかることだろう。でも、分かっている人に直接聞くと、得られる情報の質はグンと上がっておもしろい。実際、製造元の人は電話口で、すりおろしてハンバーグの隠し味にする方もいらっしゃいます、などと言っていてへぇ~ってなった。(全然関係ないけど、加藤さんはパン粉もそのまま食べていいか気にしていた気がする。過去の動画で。)

オモコロチャンネル、身内でもいいからある分野に詳しい人を呼んで、分からないことを聞く形式でたまにはやってくれたら嬉しいな。知識の得かたはいろいろあるけど、情報の引き出し方って一般人ではやっぱり慣れてないんだな、ライターってすごいなと思った動画だった。おもしろおかしいだけじゃない、プロの業ってやつを見せてくれ。

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