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演じている :2023年3月7日

役所に行く用事があって、今週は平日に休みがある。通常の平日はデキる社会人のふりをして生きているので、息抜きが足りなかった週は金曜にもなればグッタリだ。意識して社会活動をオフにする時間をつくっていきたい。意識しないとオフにできないのは、素の人間のレベルが現実にまだ追い付いていないということだと思う。早く人間になりたい。

私は仕事をしているとき、ちょっと優秀な会社員を演じている。素のままではできないようなことも、自分が優秀な会社員だと思い込むことでなんとかこなしている。知らないところに電話をかける、初めて会う人と名刺を交換する、面識ない社内の人に仕事をお願いする、チームの人と雑談という名のコミュニケーションをとる。全部、ちょっと背伸びをしている。そう思わなければできないことがたくさんある。

仕事ではないときも、美容院に行ったり、それこそ役所で手続きをするとき、根っこにある自分のキャラクターに一枚役者の皮を着て、それでなんとか社会生活を送っている。そういう自覚がある。幽霊部員ながらも、高校生のときに演劇部に所属していてよかったと思う。このスキルがあってようやく私は人間の形を保っている。

会社で仲の良い同僚などは、普段から優秀な会社員を演じる私を見ているので、私のことをしっかり者の聞き上手だと思っているようだ。実際は、こうなりたいと思える人を頭に浮かべ、その振る舞いを真似しているだけなのに。特に30を過ぎてから転職した今の会社には優秀な人が多く、サンプルが多くて助かる。と同時に、素の自分が見破られる日が来るのではないかとどこかで怯えている。本当はわりとメンタルが弱くて、好きな人たち以外には全然興味がないのに。

なりたい自分を演じきれたら、いつかそっちが本当の自分になれるんじゃないかと思っているんだけどな。

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