えだげあげ(枝毛上げ)

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ワンピース考察:ダンテの『神曲』

 尾田栄一郎の漫画『ワンピース』は、過去の様々な先行作品を元ネタとして、大量の換骨奪胎の末に組み立てられている作品であると自分は推察する。そしてその元ネタの一つとして、ダンテの『神曲』を挙げることができる。  ワンピース単行本29巻収録、第275話のサブタイトルは「神曲 ディビーナコメィディア」となっており、これはダンテの『神曲』のことである。  また、題名をサブタイトルに引っ張ってくるだけではなく、物語全体の構造も参考にしているように見受けられる。  『神曲』は「地獄編

    • ワンピース考察:北極星とルフィの名前

       作中で触れられている頻度はあまり高くはないが、ワンピースには北極星のイメージがいくつか使用されている。  ・ローグタウンのある場所はポルスター諸島という設定(作中では未出) ・偉大なる航路の先にある島は「ロードスター島」 ・シャンクスとバギーは北極と南極のどちらが寒いかで喧嘩をしていた ・ベガパンクは『星』と呼ばれ、親友が『くま』  ところで、『ルフィ』という名前の元ネタがなんなのか、考察界隈でも確定していないように思う。船の帆の一種の『ルフ』というのが一番それらしいだ

      • ワンピース考察:星について

         ワンピースの作中では航海に関する知識について、ナミがルフィ達に話す場面がたまにあるのだが、なぜか『星による現在地の把握』という話は出てこない。  現実では方位磁針を使うようになると星による測位はあまり使われなくなったようだが、それ以前はバイキングも使っていたらしく、普通の方位磁針が使えない「偉大なる航路」でさえこの話が出ないのは不自然に感じる。  また、魚人島におかしな話をしていたキャラがいる。  イカロス・ムッヒの親友の大王イカが、太陽に近づきすぎてスルメになったとい

        • ワンピース考察:黒いニカ

           以前の考察で、ルフィは黒ひげに負けて一度死ぬのではないかと予想した。この考察には続きがある。  黒ひげ達は殺した能力者から悪魔の実の能力を奪っている。ルフィが黒ひげに殺されるのであれば、あの能力を奪わない理由がないのだ。  おそらくルフィの能力を奪うとき、その具体的な方法が描写されるのではないだろうか。  黒ひげが三つ目の能力を得るのではないかと思われる要素も少しある。 ・黒ひげの海賊マークは三つのドクロ ・自然系のヤミヤミと超人系のグラグラを取得  この二点をもとに

        ワンピース考察:ダンテの『神曲』

          ワンピース考察:空への打ち上げ方法

           以前の考察で、ワンピースの世界には上空に黒い星が存在すると述べた。今回は空島より高空にあるその場所にどうやって到達するかという話をする。  結論から言うと、リヴァースマウンテンの水路に強力な海流を流し込むことで、ノックアップストリーム以上の上昇海流を発生させると自分は予想している。  それを暗示する描写と思われるシーンをいくつか挙げると、 1.ゾロVSカバジ戦の「納涼打ち上げ花火」 2.空島へのノックアップストリーム 3.ウソップの武器「カブト」の構造 4.ウォーター

          ワンピース考察:空への打ち上げ方法

          ワンピース考察:ルフィは死ぬ

           ルフィのこれまでの冒険において、戦闘で死にかけたシーンは何回かあったと思う。 ・アーロンパークで湾内に落とされた時 ・クロコダイルに干からびさせられた時 ・カイドウにやられて海に落とされた時  ルッチ戦やマゼランの毒、頂上戦争など他にもあるが、これらはどれも「下に落とされている」点が共通する。  これらの描写から、自分は最終局面においてルフィは黒ひげに挑んで一度本当に死ぬのではないかと予想している。  また、その際ルフィは首と胴を切り離されるのではないかとも予想している

          ワンピース考察:ルフィは死ぬ

          ワンピース考察:黒ひげは海賊王になる

           ワンピースの四皇は、ビッグマムを除いてそれぞれ 赤=赤髪のシャンクス 白=白ひげ 青=カイドウ(青龍) 黒=黒ひげ と、陰陽五行説で使われる色に対応している。 「五行」であるため本来は上記の4色ともう一つ、中央を表す黄色があるはずだがこの中には無い。  おそらくワンピースにおいては、中央としての黄色は金色で表現されている。つまり 黄色=中央=海賊王=ゴールド=ゴール・D・ロジャー という繋がりだ。  空島編の最終局面で、ルフィは右腕に巨大な黄金の玉をつけて戦うことになる

          ワンピース考察:黒ひげは海賊王になる

          ワンピース考察:高所の黒い玉

           漫画『ワンピース』では、同じようなイメージや状況が作中で何度も登場することがある。 おそらくそういった繰り返し登場するイメージは、物語全体の最終局面でも同じように登場するのではないかと予想される。  なかでも目立つのが「高所にある黒い玉」だ。このイメージは特に頻繁に作中に現れる。 具体的に例を挙げると、 ラブーンの目 アラバスタの時限式大型砲弾 エネルの雷迎 ドフラミンゴ戦のギア4、大猿王銃 「黒」炭お「玉」が百獣海賊団を味方につける などがある。これら全て、

          ワンピース考察:高所の黒い玉

          ワンピース考察:考察の目的

           これは妄想だが。  ワンピースの作者である尾田栄一郎氏は、連載を持つ前に数名の先輩漫画家のもとでアシスタントをしていた。  おそらくだがその時期に次のようなアドバイスを受けたのではないかと想像している。 「連載がいつ打ち切りにあっても無理なく終了させられるように、終盤に描こうと思っていることをあまり序盤で出さないように」と。  例えば和月伸宏の『るろうに剣心』についていえばほぼ完全に章立ての構造になっており、特に序盤の頃は、どの章で打ち切られても問題なく終わらせられるよ

          ワンピース考察:考察の目的

          ワンピース考察:サターン聖の弱点予測

           エッグヘッドにてとうとう戦闘を開始しサターン聖。攻撃力については謎の衝撃波や金縛りが、防御力についてはその異様な再生能力が目を引く。 くまのパンチを受けて片腕が吹き飛んでもあっという間に再生する姿は、これまでの物語で登場した能力とはどこか異質にも思える。  ワンピースと言う漫画が、似たようなシーンや物語構造を繰り返していることに気づいている人は多いと思う。有名なのはアラバスタ編とドレスローザ編だろう。今回のサターン聖についても、過去似たようなシチュエーションがなかったか。

          ワンピース考察:サターン聖の弱点予測

          ワンピース考察:黒ひげの血筋

           黒ひげ海賊団の初期メンバー5人はワインに関係する言葉から名前がつけられている。  特にわかりやすいのはラフィットで、これはフランスの有名ワイナリー「シャトー・ラフィット・ロートシルト」が元ネタであろう。  次にバージェス。カリフォルニアには「バージェス」というワイナリーがある。  そしてドクQ。おそらくこの名前は、日本の甲府にあるワイナリー「ドメーヌQ」をもじっていると思われる。  次にヴァン・オーガー。「ヴァン」というのがそもそもワインという意味のフランス語だが、

          ワンピース考察:黒ひげの血筋