イタリア語で聴く「イパネマの娘」:Ragazza D'Ipanema /Bruno Martino
紙上のリオデジャネイロに
ラジオで帰って再会した昔の友だち私がイパネマの娘とお知り合いになったのは、たぶん2007年だったか2008年だったかのこと。当時の私は孤独なティーンエイジャー。彼女はもうかれこれ40歳に近い、20年前ほど若くはないはずだけど〈スタン・ゲッツのヴェルヴェットのごときテナー・サクソフォンの上では〉永遠の18歳。
父の本棚にあった村上春樹の短編集「カンガルー日和」の黄色い表紙を、私が初めてめくったとき、イパネマの娘はその80ページ目で、海を見つめながら歩い