2024年のテーマを考える前に、募金・災害ボランティアのメリットをロジックで語ってみる 〜能登半島地震でできること〜
明けましておめでとうございます。
晴れやかな気分で迎えたかった2024年ですが、元旦に震度7の能登半島地震。
能登は、令和5年にも震度6強、令和4年にも震度6弱があったそうです。
時間が経つに連れて増える死者数、露わになる建物の倒壊、道路の陥没など、多くの被害が出てしまっています。
当事者〜第三者のグラデーションを意識する
「すこしでも被害が最小限に」と願いそうになりますが、それは当事者ではないからですね。
災害の死者が1人であろうが、10,000人であろうが、自分の身内に死者が出てしまえば、「最大の被害」でしょう。
「すこしでも被害が最小限に」という言葉は、すでに「最大の被害」が出てしまった当事者からは出てこない言葉です。
じゃあ、いわゆる当事者意識なるものを、全員が持っていたらいいのかというとそうでもありません。
当事者であれば、
まずは自分の身、家族、家、資産などの安全。
第三者であれば、
すぐできる募金、1〜2週間後にできるボランティア。
省庁やビジネスをしている方なら、1〜6ヶ月くらい先を見越した復興プランの検討もできるかも知れません。
重要なのは、当事者でも第三者でも、自分にとっての程よいグラデーションの中で、災害に向けて出来ることをすることです。
さて、個人的に能登半島には思い出がいくつかあります。
母と2人で奥能登にいったこともあれば、友人が住んでいて、飲み歩いた町でもあります。
その能登を単に憂うだけではもったいないので、募金や災害ボランティアに参加するメリットをロジックで並べてみて、
僕なりに、能登半島に貢献できるよう努めてみます。
募金・ボランティアのメリットをロジックで説明してみる
説明の前に…
先に、どこから募金したらいいか分からないという声もお聞きするので紹介します。
赤い羽根共同募金
【寄付募集】令和6年能登半島地震の支援金の募集について
ピースボート災害支援センター
2024年石川県能登半島地震 緊急支援募金
→ソフトバンクユーザーは、毎月100円からの定期的な寄付もできます。
ボランティアについては、地方自治体から案内が出るまでお待ちください。
1/2現在、余震も落ち着いておらず、被害状況も分かりません。問い合わせをしても仕事を増やし、被災者への支援の手を止めさせてしまうだけなので、事前準備だけしておきましょう。
日本という国の募金・ボランティア事情について
さて、たとえば募金の側面から海外をみてみると非常に日常的です。
たとえばキリスト教圏内では、施しをすることで救われる、という大きな宗教観があります。毎週、教会に集まる文化もあるので、募金は割と日常的です。
ボランティアについては僕が詳細を分かりかねますが、
募金にしろボランティアにしろ、誰かを助けることで自分もイエス・キリストに救われる、という宗教観は助け合いに大いに役立ちそうです。
一方の日本人は、宗教観でいうと無宗教とも言われますし、
「南無阿弥陀仏」を唱えれば救われる、という考えなどはあります。
僕が勉強不足なだけかも知れませんが、
誰かを助ければどうのこうのという文化はあまりない気がします。
また、募金の話にもどせば、
日本人が触れるのは小学校の赤い羽募金・緑の羽募金や、駅の周辺でみられる中・高校生の募金活動、コンビニのレジの横にある小さなボックスくらいなもので、日常的とは言いづらいようです。
さらには、赤い羽募金は、「小さな赤い羽をもらうための募金」であり、いわば購入です。
駅周辺の中・高校生の募金活動は、寒かったり暑かったりするなかで、先生に言われてやらされているような、かわいそうな姿にもみられてしまいます。
レジの横にあるボックスはほぼ見ていないですし、今は電子決済なのでお釣りも出ません。
このような環境では、なかなか募金が日本人の日常に根付くことは難しいです。
なので、文化からのアプローチではなく、
ふるさと納税やらクラウドファンディングやらが日常的になってきた現代日本の背景を踏まえて、
募金・災害ボランティアのメリットを紹介していく方が良さそうですね。
地方移住を考えている方、毎日がただ消費・浪費されていくだけで消耗している方には特にオススメです。
募金・災害ボランティアのメリットの前に、日本の価値観の変化
募金や災害ボランティアのメリットは非常にシンプルで、
その土地や事業に関心が持てることです。
関心を持てること自体のメリットは、つながりの感覚を得られることです。
すこし分かりづらいので、
災害のことは置いておいて、今の日本を見てみましょう。
・物質的欲求の多くは満たされるようになった
・誰かと繋がりやすく、切りやすくなった
・日常の情報量が増えて、少数派と多数派が二極化した
・将来のことが見えづらくなった
・自由が増えて、自己判断と自己責任も増えた(仕事もプライベートもお金も人間関係も)
こんな感じですね。
自分の意見を持てる人には生きやすくなりました。
でも、自分の意見が持ちづらくなりました。
正解っぽいものがネットにありふれていて、疑問が抱きにくくなったからです。
そして、自分の意見が持てず、周りの顔色を伺ってしまう人には生きづらい世の中になっています。
そんな中、物質的な豊かさよりも精神的豊かさを求めるようになりました。
精神的豊かさの定義はいくつもありますが、
簡単にいえば、誰かとのつながりです。
一人ひとりに明確な役割があり、お互いに頼り頼られ、ひとつの目標に向かい、助け合うことです。
その結果、ここ最近出てきたのが応援という文化です。
古くはAKB48の総選挙あたりから始まり、地下アイドルの応援、最近だとふるさと納税、ライバー、クラウドファンディング、不揃い品の購入などでしょうか。
つまり応援という文化は、
自分の意見が持ちづらくなった世の中で、困っている人や頑張っている人にお金を払うという行為・役割を通して、目標達成までのプロセスを一緒に一喜一憂できる当事者側の立場になることを指します。
最近のSNSで当たりやすいのは「100日後までに〇〇する」とか、「将来の〇〇のために△△する」という、夢や目標が明言されているものです。
応援という文化が市民権を得てきている証拠だと思います。
でも実はこれ、非常に難しいです。
当然のように、集団がひとつの目的に向かって取り組んでいくこと自体に、意見のずれや表現の違い、思っていたことと違うみたいな認識のずれが発生します。
学校の文化祭や部活ですら、みんなで同じ温度感で取り組むことって難しかったですよね?
ここで話をぐるーっと戻して、
みんなで同じ温度感で取り組めるのが、募金・災害ボランティアです。
特に、災害ボランティアです。
災害ボランティアのメリット
災害ボランティアは人々がつながりやすい環境がつまっています。
・目的、目標が明確(人命救助、地域の安全)
→意見の相違が生まれづらい
・行動がシンプルで、力仕事が多い(瓦礫の撤去、炊き出し)
→体を動かすと達成感が生まれやすい
・助け合うことが当たり前になる
→緊急時だからこそ、知らない人でも声をかけることが普通。違和感がない
・同じ苦労をし、同じ釜の飯を食える
→同じ体験をしているから一体感が生まれやすい
・役に立てている感覚が持ちやすい
→被災者からの感謝、ボランティア同士の労いの言葉などが聞こえやすい
誤解を恐れずにいうと、「災害ボランティアが楽しかった」という声を聞くことは多いです。
これが、災害ボランティアで得られる人と人とのつながりです。
さらには、ボランティアが終わって地元に帰ってきても、なんとなく被災地のことが気になります。
そうするとなんとなく、
能登産のお米を食べてみよう、
日本酒にしてみようと思ったり、
災害から半年や1年後くらいに被災地に様子を見にいきたくなります。
行ってみると、綺麗になっている箇所もあれば、まだまだ被災したままの状態の地域も多く見えて気になります。
これが地域とのつながりです。
地域側からの言葉でいうと、関係人口として数えられるようになります。
善意だけで人や地域とつながれることは、実は日常にほとんどなく、非常に晴れやかな気持ちになります。
ちなみに募金のメリット
ちなみに募金は、上述したうちの地域とのつながりが得られます。
実体験しているボランティアと比べると、その強度はいささか弱いです。
ただ、募金をしてみると、それ以降の被災地のの状態が気になって情報が入ってきやすくなりますし、
それこそ、ボランティアに行くモチベーションなども上がってきます。
また、日本全体を応援する感覚が得られたり、災害発生に対し、自分にできることはできたと社会貢献の感覚が得られたりします。
募金とまでいかなくても、ふるさと納税を石川県にしてみるとかもできるますね。
まとめ
2024年、日本は震度7の能登半島地震からはじまりました。
暗い1年にしないためにも、まずは募金などのできることをなさってみてください。
また、地震大国である日本では、いつどこで、誰が被災者になるかもわかりません。
日程に余裕がある方は、災害ボランティアまで参加してみると、つながりへの感じ方が少し変わるかもしれません。
※※※
災害ボランティアは、1/2現在、募集されていません。
一部著名人が入っているようですが、基本的には独自のネットワークを通して入っています。
それがない方は、今はお待ちください。
また、災害ボランティアは「自分のことは自分でやる」です。
楽しさもありますが、現場は非常にきついです。エンタメ感覚だけでのご参加はお控えください。
P・S
災害支援や環境問題などへの啓蒙活動のアプローチが、「大変だからルールを守りましょう」の文脈に偏り、なかなか理解が深まらないように感じています。
諸問題と、ウェルビーイングをつなげるアプローチを模索中です。
今回は非常に遠いところから記載していますが、何卒ご容赦ください。
被害に遭われた方々のご冥福と、1日でも早い復興をお祈り申し上げます。
#能登半島地震 #地震 #災害ボランティア #つながり #ウェルビーイング
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