通信制高校から大学進学できますか?
子すずめは学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校の通学コース生でこの春高校2年生になりました。2022年4月からN高オンリーです。私は保護者です。
通信制高校に子が所属している保護者のSNSなどを見ると、「通信制高校から大学進学できますか?」とか「この通信制高校では大学進学サポートは手厚いですか?」という質問が、中学生のお子さんをお持ちの保護者さんから寄せられるのを見かけます。
えっと…大学ってどこを想定しての質問なんでしょうか?
「大学」として文科省に届け出をしている教育機関、ということであれば、えり好みしなければ大学なんて楽勝でいける(入学金、授業料を支払うことができさえすれば)と思うんだけど…。だって、今少子化の時代ですよ?大学も高校も閉校するところもあるんですよ?大学側だって学生を確保して、大学運営したい。大学運営というのには、研究者の教授に給料を支払って、研究や後進の教育してもらい、大学の付属図書館に学究に必要な書籍を購入し司書さんも雇って、大学の事務諸々してくれる事務職員さんにも給料を払って…という、結構な数の雇用がある場所。大学運営が立ちいかなくなったら、その場で働く人たちが路頭に迷うでしょうから、運営できるくらいの学生数を確保して、何とか運営を維持していきたいと思っている筈。大学どこでもいいから進学したいというなら、不人気で定員割れしている大学なら入りやすいのでは?「通信制高校から大学進学できますか?」ってナンセンスな質問だと思います。
でも大学側としても、「こういう学生に来てほしい」、「こういう学生にうちの大学で学んででもらいたい」という[うちの大学が採りたい理想の学生象]や、「うちの大学で学びたいんだったら最低限〇〇だけはしっかりと勉強してきてくださいよ」、「ここまで到達した上でやって来いや!」という[うちの大学で学ぶにあたっての必要最低条件]はあると思います。大学にだって好みはあるので…。その辺りのマッチングの不一致はありえますよね。
付属高校に指定校推薦枠をたくさん出している私立大学進学したい場合は、そういう大学に進学するのはハードモードだと思います。一般入試枠で戦うには様々な装備(学力)が必要だと思いますし、一芸入試みたいな入試枠で戦う場合、その大学に自分を欲しいと思ってもらえるようなガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)体験を持たねばならないと思うし。そういう意味で、「通信制高校でも大学に進学できますか?」という問いなのであれば、通信制高校在学中に大学から欲しいと思ってもらえるような学力やら実績を築くことができる優秀な人材であるならば、「大学進学できる」と言えますよね。
あと、大学卒業して「学士」という学位が欲しいという場合ならば、通信制の大学も色々あります。通信制の大学は毎日の通学の必要がなくて、スクーリングで通学するくらいなので、学費も抑えられます。自分の裁量で学んでいかなければならないので、卒業単位を取得して卒業するモチベーションを維持することは難しいかもしれないけれど、卒業できたら「学士」ですよ。
それと、通信制大学で学位も取得できて専門的なスキルも得ることができる専門学校(専門学校×通信制大学のWスクール)も探してみたらあるかもしれません。あ、「学士」じゃなくて「準学士」(短大卒)だったかもしれませんが。
専門学校の中でも何か特化している分野を学ぶ類の専門学校の場合は、「専門学校卒業」という資格を携えて、学士入学(大学3年次に編入)して大学を卒業して「学士」を取るって道もあります。
そのほかにも、ファッションやIT、医療、福祉、スポーツなどの分野の場合、専門学校を高度化した専門職大学という教育機関もあります。専門職大学を卒業すると、大学卒業と同等とみなすのだそうです。ここ最近始まったばかりの教育機関なので実績などはまだまだ不明ではありますが。
専門的なことを学んでみたいだけで別に「学士」は要らないのであれば、学生登録しなくてもBSで放送大学の授業を視聴できます。私も実は今期、録画して講義を視聴だけしてみてますが、大学レベルの入門編の講義(ガチの専門的講義というわけではない)だと感じます、結構面白い。(資格のために単位取得せねばというモチベーションが無いので、今期初頭に6講義を録画しているのに、ちゃんと追いついて視聴できてるのは2講義だけ。しかも視聴するだけで試験のために復習しなければならない身の上ではないので、授業を視聴していても身についていないですが)
私は「大学卒業したら、まあまあ安泰な道を歩んでいくことができる」とは子すずめに対して全然思っていなくて。今の世の中は変化が激しいので、一度学んだ知識や経験で飯を食っていくことができるのは長くてもせいぜい10年くらいなんじゃないの?(ここ最近の私の体感としては、3年で世の中が一変したように感じています)→つまり、何年かたったら、再勉強なりして次の飯のタネとなるような知識を得ていかねばならない、一生勉強だと思っています。一生勉強していけるような土台を作ること、自分の勉強の型を作ることを、高校や専門学校や、大学などの教育機関で研鑽してほしいんですよね。それとできるだけ様々な人と出会ってほしい、人脈を築くことができるのであれば、ぜひとも人脈を築いてほしい。知り合いの中で、このことについてはAさんに尋ねろ、あのことについてはBさんが詳しいぞっていう、レファレンス先をたくさん持ってもらいたい。ひと一人の力は限界があるけどさ、いろんな人の力添えを得て、人生楽しんでもらいたいと思っています。