高2の秋)バイト先の先輩について考える

子すずめは学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校の通学コース生でこの春高校2年生になりました。2022年4月からN高オンリー、N高純正品です。

子すずめは週4日、家から自転車で通える和食処で厨房補助のバイトをしています。同じ持ち場の先輩は49歳差の人生の大先輩ですが、ホールや洗い場などの別の持ち場にも何人ものパートさんやバイトがいます。

その中でも食器担当のパートさん(30代位)がいて、その人は子すずめよりもその店での就労歴が長いのだけど、ちょっととんちんかんなところがあるそうです。

「お前自分のこと棚に上げて何言うとんねん!というようなことを言ってしまうのだけど…誤解せずに聞いてほしいのだけど…」

という長い前置きの後に、

「たぶん、食器担当のバイトの先輩、30代の女性パートさんなんどけど、今SNSなんかでちょっと話題になっている[境界知能]?[グレーゾーン]?じゃないかって思うんだよね」

と。

女将さんや板長さんの指示が3つ以上重なると、どれか一つが抜けて、漏れるそうです。そのたびに女将さんや板長さんがイライラ。女将さんが「お客さんが8名入ったから、××(お店の看板メニュー)のお皿を多めに用意しておいて」と指示しても、××のお皿を4枚しか用意しなかったり。とりあえずお客さんの数から類推して「今は季節的にあのメニューが良く出るから、この皿をこれくらい準備しておけばOKかな?」という見通しのもとで皿の枚数を準備できないなど、そういうエピソードがいろいろあるようです。

「女将さんは、食器担当のパートさんが自分で判断して対応するべきだ、もっとちゃんと学んでくれと思っているらしいんだけど、たぶん、あの人はそういう判断することが難しくてできない…あるいは判断するのに時間がかかるタイプなのかもしれないなと思うんだよね。同じようなことで何度も怒られてるところ見ているこっちの方が、何かいたたまれなくなってきて…。女将さんがイライラするのもわかるんだけど、大の大人が怒られている姿って見てられなくて。だからさ、最近は私のわかる範囲で、女将さんや板長さんからの指示に追加情報をコメントするようにしてる…女将さんが『多めに出しておいて』って指示出したら、注文が入りそうなメニューに使われているお皿を思い出して、『黄色い鉢を8つ位出せばいい感じですよねー?』とか、食器担当のパートさん(30代位)が判断しやすい具体的な数や形状や色の情報を乗っけて、女将さんに確認コメント入れることで、あのパートさんがひとりで判断できるように試みてる。…でも本当はね、私がじゃなくて女将さんや板長さんこそが、そういう声掛けの工夫をするべきなんじゃないかと思うんだ。パートさんがわかりづらい指示を出してるのが自分たちであると自覚して、それならどう言えばあのパートさんに伝わるか考えた方が、従業員やパートさんも働きやすい環境になると思うんだよね…」と。

さ…さすが、小学校高学年の時に図書館においてあった漫画「光とともに」を読んでいただけある子すずめ!「光とともに」には自閉症スペクトラムの青年がジョブコーチと共にどうすれば仕事がしやすくなるか?などの工夫を凝らしているエピソードもあったので、ジョブコーチが色々な工夫をしていたエピソードを覚えていて、漫画の登場人物のあのジョブコーチならどう工夫するんだろう?と想像してみたらしい。

え?なんでそのことに気づけたの?と尋ねてみたところ、「私がさ、塾とかN高通学コースのTA(teaching assistant)さんに数学の問題の解き方を質問するじゃん。先生たちは解説してくれるんだけど、私にはその説明がよくわからないこともあって。その時に先生側が、別の角度から説明してくれるんだよね。最初の説明でわからなくても、別の説明なら腑に落ちることが多くて。別の説明でも私が納得できてなかったら、また別の説明をしてくれて…。行き着きたい正解は一つなんだけど、解く人に合わせて説明するのは大事だなあ、そういうことができる人がプロだなあって思ってて。私も一回の説明で、すぐにできるようにならないタイプで、いろんな角度からの説明を試してみてもらってる側の方の人間だからねー」と。

「でもさ、さすがはこの地域で法事なんかの仕出しや会食場をやってる和食処だけあって、そういう[ちょっとグレーゾーン?っぽい人]でも、雇用してるってすごい社会貢献なんだよね。お給料払ってその人の生活の糧を支えてるわけなんだから。その部分では、私のバ先は偉いなあと思うのよ、まあ多分、都道府県の最低賃金に毛が生えた程度の時給でしか雇ってないとは思うんだけど」…バ先を褒めとんのか、貶しとんのか?!

…と、そのエピソードを知人で特別支援学級の講師をしている私の友人に話したら、「子すずめちゃん、特別支援学級の支援員する素質があるよ。具体的に指示を出すって本当に大事なんだけど、そういう具体的な指示を出せない人が多いからねー。1回自分で情報を咀嚼して、相手にわかりやすく伝え方を工夫することで、どれだけ自分にとっても相手にとってもWin-Winになることか!」と、大褒めしていただきました。

アルバイト先で、人間について学び、実践する機会があること、本当にありがたい…



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