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2023年スタッフが選ぶベストレコード
こんにちは、エコストアレコードです。
ことしもたくさんの出来事がありました。あっという間に過ぎ去った1年。ついこのあいだ桜の花びら舞う暖かい春だったと、汗がにじむ暑い夏だったと思っていたのに。当店スタッフも泣き笑い、色々ありました。でも、いつも私たちを楽しませてくれたのは音楽でありレコードでした。いやあ、音楽ってホントいいですよね。探れば探るほどその深みを知る。底なしの魅力に夢中になります。
さて、当店で業務に励むスタッフもやはりレコードや音楽が大好き。旧譜/新譜問わず、ことしも気に入って何度も聴いた作品があります。そこで、この1年を振り返る意味も込めて、私たちがグッと胸を揺さぶられた至高の作品を取り上げます。商品買取査定/販売の部署のほか、買取受付をする電話応対の部署まで、社内各所から選抜したスタッフ13名が<2023年のベストレコード>をピックアップ。私たちの大切な1枚を皆さんにご紹介します。
Gene Redding / Blood Brother
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70年代は特にソウルの名盤が多く生まれた時代。都会的で洗練されたアレンジや社会的なメッセージを含む内省的な歌詞など、時にニューソウルと呼ばれたそれらの音楽を存分に体験できるのが本作。Geneの男臭いボーカルがストリングスを含むメロウな演奏隊と絶妙に絡み合う様はまさに陶酔モノ。捨て曲無し!こういう盤に巡り合うためにレコードをディグってるんだなと思わせてくれた1枚です。(高谷)
Ramones / Sheena Is A Punk Rocker
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1990年当時中学生だった僕にとっての一大イベント、それは自分にとって初の外タレLiveでもあったRamonesの来日公演だった。MC一切なしで矢継ぎ早に繰り出される楽曲は少年の心にズバズバと刺さっていった。紛い物だけにすぐに脱げてしまう僕のラバーソールを拾ってくれた横のお兄さんとともにあの公演を決して忘れることはないだろう。というわけで30年経った今なおキラキラ眩い光を放つこの大名曲でキマリ!(中川)
Marta Acuna / Dance, Dance, Dance
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去年6月に惜しくも亡くなってしまったPatrick Adamsがプロデュースした女性シンガーMarta Acunaの唯一作。77年にニューヨークのカルトディスコレーベル《P&P》からリリースされた、Patrick Adamsの哀愁あるメロディーと高揚感あるコズミックなシンセ、Marta Acunaのキュートなボーカルが映える素晴らしい1曲。涙なしではステップを踏めないダンス・クラシック。(斉藤)
My Bloody Valentine / Ecstasy And Wine
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シューゲイザーという生き方を広く世に知らしめた最重要バンドMy Bloody Valentine。現在にまで続く4人体制になり最初に発表された2枚のEPとミニアルバムをひとまとめにしてリリースされたのが本作。初期ならではの軽快でフォーキーなギターストロークと裏で響く轟音の絶妙なバランスが心地いい。A2「Never Say Goodbye」を聴きながら新年に思いを馳せます。みなさんも良いお年を!(吉本)
Clark Terry / Serenade To A Bus Seat
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私にとってジャズを聴くことは、芸人のラジオを聴くことと似ている。曲は会話を広げるための企画で、その会話を楽しむ感覚に近い。当然芸人によって話し方や話す内容が異なり、そこに芸人同士・企画との相性が生まれる。そのすべてが重なったとき神回と化す。本作は最高にスウィングなメンバーが、最高にスウィングな曲で尋常ならざる演奏を繰り広げる。そんな人間離れした演奏と対照的な人間味溢れるタイトルも味わい深い1枚だ。(山下)
Twin Cosmos / Double Action
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生後ほどなく生き別れとなった双子の兄弟。長い別離の期間を経て再会した二人は音楽で意気投合という奇跡のような経緯で誕生したユニットによる1982年自主盤のリイシュー。弟が担当する幽玄な音世界がなんとも心地よいA面、兄が担当するヒリヒリとした空気感を醸す英詩による弾き語り一発録りのB面、といったように双子でありながらその音楽性は全く異なるという事実に失われていた二人の時間の大きさを感じさせられます。(松原)
Alborosie / Destiny
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イタリア出身の彼だが、逞しく蓄えたドレッドに加え、その精神まで本物のラスタマン。今年リリースした本作は、彼が愛する70~80sルーツレゲエに忠実ながらも、ダビーな質感やオールド・ダンスホールの要素を取り入れた傑作。デジタルなダンスホールが主流の時代に、こんなにも高質なルーツを新譜として聴けるなんて、世界のレゲエファンは彼に最大のリスペクトを捧げるべきです。どろっと渋いレゲエは永遠に最高。(小池)
Reuben James / Champagne Kisses
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サム・スミスや宇多田ヒカル、トム・ミッシュとの共同制作をはじめ、ナイル・ロジャースやメアリー・J・ブライジへの楽曲提供などの経歴を持つUK出身SSWによる1stフルアルバム。甘美で感傷的なサウンドを纏いながら聴かせる、良い意味でクドい彼の歌声がセクシーすぎて卒倒。クレオ・ソルと並ぶ今年のUKネオ・ソウル名盤です。レコメンドはレジェンド、ロイ・エアーズが参加する「Satisfaction」。(松井)
Restless Leg Syndrome / Represent The Fucking Planet
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ウィーンを拠点に活動するDJ&プロデューサーとターンテーブリストによるグループ<Restless Leg Syndrome>による本作。開始1秒で衝撃を与える民族ヴォイスのイントロ、そこからのヘヴィーなベース、そして声ネタ込みのスクラッチ。国もジャンルも飛び越えた強烈なインパクトを与える作品で、個人的に2023年Spotifyで一番聞いた曲。DJでも1曲目によく使っている7インチです。(徳江)
Zecrinha / Bicho da Seda
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ブラジルのSSW、Zecrinha Batistaが1992年に自主リリースしたアルバム。この時代特有のペラいシンセ濃度高めなMPB、なのですが、特にA2に顕著に現れているように、音源モジュール系な安いブラスシンセなどによる超大胆な展開が随所随所で突然現れそこが本当に面白い。全編にわたり超好内容、ジャケ写の本人の芳ばしい表情も良く、今年手に入れた中古盤の中でも最も印象に残ったうちの1枚でした。(伊勢)
Chapter 8 / S.T.
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80年代に「Sweet Love」などをヒットさせたアニタ・ベイカーが在籍していたデトロイトのソウル・ファンクバンド。アニタ・ベイカーのシルキーなヴォーカルが聴けるのはこの1stアルバムのみ。バンドとの相性も楽曲も良く、聴き飽きません。「I Just Wanna Be Your Girl」「Ready For Your Love」などメロウな名曲からファンクまで楽しめるお勧めの1枚です。(藍)
Romance / Fade Into You
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個人的に官能映画や小説などを意識的に観ることはほとんどない。しかし、この作品の精度の高いエロティシズムと憂いは、根底の恍惚感を刺激し、冒頭のような行動抑制がすべて自身の内的要因であり、勝手に決めつけていたのだと気付かせてくれた。ストリングスやハープ、女性の声、そのすべての表現が一貫しており、作品終盤になるとそれらの複合的な絡み合いに自分が戸惑っていることさえ素晴らしいと思えてくる作品である。(佐野)
GEZAN with Million Wish Collective / あのち
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苦楽を共にしたメンバーの脱退により、残った3人で途方に暮れていた頃、ふとした瞬間の思いつきで始まった声の楽団。バラバラと、でも塊となって押し寄せる声の圧に息を呑む感覚は唯一無二。A面で破壊的な怒りを示し、B面で再生、未来のイメージを解く。レコードを裏返す間さえも作品の一部のよう。「存在自体が答え、例外は認めません」メンバーへの餞別とも捉えられる言葉の節々にこの残虐時代を生きる命への愛を感じる1枚。(守屋)
弊社スタッフ13名による2023年ベストレコードはそれぞれこんなラインナップでした。読者の皆さんにとって、ことしとっておきの1枚はどんな音楽でしたか?
来年 2024年が皆さんにとって素晴らしき1年になるよう、スタッフ一同 心より願っています。
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