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新しい生活様式へ向けて街をサイクリスト仕様に

日本は自転車に関しておそるべき後進国である。自転車競技が欧米と比べて低調だという意味ではない。

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自転車先進国の欧州や豪州のように、都会でのエコで手軽な(これからはコロナフリーの)短~中距離の移動手段や、週末のスポーツや自然とふれあう手段としてのステータスが確立されていない。

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今、都市部の交通手段として自転車人気がこれまでにない高まりを見せているようだ。

しかしながら、日本で自転車といえば相変わらず『ママチャリ』か『電動ママチャリ』のイメージだ。日本社会では、自転車がいまだに近所の移動に限定された扱いとなっている。さらに道交法改正後、自転車は「車両なので道路を走れ」ということになり、歩道をはしりまわる厄介者に貶められている。ただ、何故、自転車が歩道を走ってしまうのか考えてほしい。

自転車で車道を走るとあぶないのである。自転車専用道路や自転車専用通行帯があまり見当たらない(自転車が道路を走れというなら作ってから言え、だ)。日本の道路では、相変わらず車が優先されていて、わがもの顔である。自動車が歩行者や自転車より偉いのは途上国の証である。あえていおう日本は「道路途上国」であると。あおり運転の問題がとりざたされているが、いつも車道の端っこを走らされている自転車から見ると、フツーの車でも、自転車に対してほぼ全員が危ない幅寄せをしてくるあおり運転者である(ごくたまに丁寧な運転の方がいると「この人も自転車乗ってるな」と判る)。皆が模範ドライバーになることは無理だと思うので、幹線道路では車線を削って、普通自転車専用通行帯を設置、自転車の走行帯を自動車から分離してほしい。

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残念ながら、政府も警察も、あいかわらず昭和マインドのままのようで、日本の主力産業である自動車産業に対して遠慮があるのであろう。最近、地方自治体が申し訳程度に青いゾーンをつくっているが、しまなみ海道のような立派な自転車道は例外で、数百メートルで途切れてしまうような自転車走行帯の青塗装など税金の無駄遣いだ。

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コロナ禍を奇貨として、今こそ自転車を活用しよう。

公共交通機関を補完する/混雑緩和する/三密を避ける切り札として、『新しい生活様式』の一つとして、そして人々の健康と安全と命のために、自転車を最大限に活用できるインフラを整備していくべきである。自動車中心の道路行政を抜本的に考え直すよい機会でもあると考える。(これまでの惰性で車のための新しい道路を作り続ける時代ではない。)

道路に関して提案がある。

・都市部では、歩道を除く道路部分に必ず自転車専用通行帯を設定することを義務付けよう。
・都心部では、4車線ある主要道路(日比谷通り、明治通り、目黒通り、山手通り、三田通り、桜田通り、青山通りなど)で自転車専用通行帯もしくは分離帯付きの自転車レーンの設置を直ちに実施しよう。都心部では自動車レーンをもっと削減してかまわない。(写真はベルリンの例。既に世界中で始まっている。)

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・都市部では、バスおよび自転車の専用レーンを作ろう。(ロンドンでよくみかける。バスと自転車は意外と相性が良い。バスレーンにしておけば違法駐車ができない。)

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・都心部で、車両進入禁止(ただし自転車除く)の道路を増やそう。

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・都心部で、一方通行を増やして、そのスペースを自転車走行専用のレーンにしよう。(上海はこのパターンが多い。)

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・郊外から都心部に通じる自転車道ネットワークを整備しよう。

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都市の中心部では、公共交通機関と自転車の利用を推奨し、自動車の利用は高コストで不便になるようにするのが、いまや世界の大都市の常識だ。

これらの話はほとんど欧州主要国や豪州の都市部や上海などで実施されていることだ。日本もそろそろ脱・自転車後進国を目指して、自転車コミューティング促進へ舵を切っていただきたい。三密回避だけでなく免疫力向上のためのよいトレーニングもなります。

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