大学院入学前の準備(マクロ)

 引っ越しなどでバタバタしてしまって,noteの更新が1か月半(2か月?)ほど滞ってしまいました.地域によってはぼちぼち桜の開花というところもあるようですね.

 今回は最近読んでいたマクロの教科書の紹介をしたいと思います.
 改訂版が出たのも10年ほど前ということで,これを読んですぐに論文が読めるかというとそんなこともなさそうですが,静学的分析から動学的分析へとなれるということを考えるといいテキストだと感じました.

 読んでいたものはこちらの『上級マクロ経済学』になります.

  内容的には中級マクロで紹介されているような内容を,動学分析まで拡張したないようになっています.内生変数(分析の中で決定される要素)の数値が時間経過とともに変動していくわけですね.
 このような分析を行うので,方程式の2次近似などのある程度の微積分の知識が必要になります.
 また,基本となるようなマクロ経済学の用語や考え方に関しても,触れてはいますが簡単に説明されるだけです.そのため中級マクロレベルの教科書を先に読んでおいた方が理解が進むと思います.

 そのため,『現代経済学の数学基礎(下)』や『二神・堀マクロ』などを事前に読んだ後に本書を手に取ることをオススメします.

  時間が十分にとれずに,ななめ読みをしてしまった部分も多かったですが,動学の分析を実証分析の結果も含めて紹介しているので非常に面白かったです.
  各章ごとに後半半分ほどを実証分析や理論の応用を行った論文の紹介などに充てられていました.また,各分野で(当時の)主流派の紹介とその問題点も紹介しています.論文を書くタネ探しにもつかえるのかなあという印象です.

ということでマクロの教科書を紹介しました.院試には必要というほどではないですが,院試後から入学までに読んでおくにはいい本かなというのが現状の感想です.

根井先生の英語原典で経済史を紹介するという本も読んだので,そちらも近いうちに記事を書けたらなと思っています.

サポートいただいたお金は教科書や研究に関する本に使いたいと思います.読みたい本がいっぱいあるので…