【初心者向け】株式分割ってなんだ?~ポケットをたたくとビスケットはふたつ~

投資に馴染みのない方々、特に新NISAの開始とともになんとなく投資の世界に足を踏み入れた人は専門用語を覚えるのに苦労すると思います。

この記事では投資歴3年の未熟者が、恥を忍びつつ株式分割に伴う株価変動について分かりやすく解説します。

【株式分割とは?】

そもそも株式分割とは、時価総額(株価と発行済み株式数の積)をそのままに発行株式数を整数倍にする経営判断を指します。

具体例として、下記のような非公開の株式会社を例に説明します。

時価総額:1万円
発行済み株式数:100株
株価:100円

この会社が株式を2分割すると、このように変化します。

時価総額:1万円
発行済み株式数:200株
株価:50円

会社の価値を変えずに株式数を変えるのが株式分割です。
ポケットに入れたビスケットに衝撃を加えて真っ二つにしても、ビスケットの総カロリーが変わらないのとちょうど同じです。

【なぜ株価は急騰するのか?】

一般に、株式分割の実施は株価にとってプラス材料です。

教科書的にこの現象を説明すると、以下二点が株価にとってプラスに作用するといわれます。

  1. 1単元あたりの価格が減少することに伴う流動性の増加する。

  2. 上記に伴って個人投資家が買いやすくなる。

【株式分割は買いなのか?】

しかし、それなりに大きな時価総額を持つ銘柄であれば個人投資家が買い注文を大量にだしたところで株価に大きなインパクトを与えることはできません。

実際の株式市場では「株式分割は強力なプラス材料である」がゆえに機関投資家の大規模な買いが入るようになっています。

業績を上向かせたりしない株式分割という経営判断が株価を押し上げるのは、慣習的に多くの機関投資家が買いに入るからです。

これは実態から乖離した高値を形成する要因です。

本質的価値に基づいた投資判断を嫌うウォーレンバフェットの経営するバークシャーが株式分割を嫌う理由は、株価を本質的価値から上方向に遠ざけたくないためです。

株式分割で買いに入るのは、短期的には正解かもしれませんが、長期目線ではナンセンスです。


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