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The Tunnel (ザ・トンネル)

英仏海峡を結ぶユーロトンネル。このトンネル付近で国境を超えて発生する連続殺人を追いかける英仏両警察の刑事たちの活躍を描くのが、この「The Tunnel」シリーズ。もうシーズン3まで出ている。シーズン3だけ、いまはhuluでみることができる。ついこの間、すべて見終わった。シーズン1と2に比べて、なんというか、ネタ切れ感が漂う幕切れだった。。。シーズン1と2がとても面白かっただけに残念。

さて、ドラマには「系譜」というものがある。あるドラマシリーズを製作したスタッフがそのまま同じコンセプトで別のドラマを製作したり、あるヒットしたドラマの脚本を書いた作家が、別のドラマのために似たような脚本を製作するなど、兄弟姉妹とか親子のような関係性をもつドラマシリーズ「群」のようなものが、存在する。「The Tunnel」は私にそのことを初めて気づかせてくれたドラマでもある。

これはまた別の記事でメモがわりに書こうと思っているが、『Killing(キリング)』という、シアトルを舞台にしたとても面白いドラマシリーズがあった。たしかシーズン3までhuluでみることができた。基本的には、猟奇殺人を凸凹コンビが追う、という筋書きだったが、キャラクターの個性、事件に関わる人々の複雑な関係や秘め事、事件解決までの意外な展開などが、どれも秀逸だった。ちょっとややこしい話なのだが、このドラマシリーズはもともと、北欧で大ヒットした刑事ドラマだったらしい。これが、シアトルを舞台にリメイクされたのだった。このドラマの製作スタッフが、今度はデンマークで『The Bridge』という、似たような刑事もののドラマシリーズを製作した。するとこれが、北欧のみならず世界的なヒットとなった。で、『The Bridge』のリメークバージョンをイギリスで作ろう、という話になって製作されたのが、この『The Tunnel』なのだ。ちなみに、同時期には、アメリカとメキシコ国境を舞台にしたもう一つの『Bridge ~国境に潜む闇』というドラマも製作されていて、これもまたHuluで配信されていた。

まとめると、キリングというドラマから同じタイトルのシアトル版がリメイクされ、その一方で同じ製作スタッフにより、似たテイストのブリッジというドラマが製作されると、今度はイギリス・フランス版とアメリカ・メキシコ版がリメイクされた、ということになる。しかもすべてのドラマシリーズがそれなりにヒットし、オリジナルの北欧版以外はHuluで配信されていたのだ。私はHuluしか契約していないので、残念ながら北欧版はいまだ観ることができていない。それにしても一連のドラマシリーズが、すべてここ10年以内に製作され、放送されている、ということを考えると、すごいスピード感で仕事が回っていることに驚きを隠せない。1シリーズ10話くらいあって、それがシーズン3とかまで延々続くわけだから、製作にはものすごい時間と製作者の努力が費やされているはずだ。それを1週間もせずに通勤時間にパパっと消費してしまうのは、罪悪感というかもったいない気もする。

さて、このように見てくると、どこかに共通の仕掛け人のような人がいるんじゃないかと、想像が膨らんでくる。今回言及したように、同じようなドラマが同時期に別々の国や地域でリメイクされて、それぞれのドラマがその地域の文化のフレイバーを付け足され、オリジナル感を纏ってパッケージ化され、ちゃんと面白いドラマに仕上がっている、というのは本当にすごいことだと思う。こういうビジネスの仕組みはアメリカとかだともう普通のモデルなんだろうか。あるいはたまたまオリジナルが優れていたからこんなにもコピー商品が増えてしまったのか。今度もうちょっと調べてみたいと思う。

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