アダムスミスと高校生の夏休み


10年先に味わえる大きな快楽は、今日得られる小さな快楽と比べたらほとんど魅力を感じない

 アダムスミスが道徳感情論で記述した内容だ。
これは現在の経済でも通じる話(というかアダムスミスは経済学者)らしく、例えば、今お金をもらえるのと、数年後にそれより多いお金をもらえる状況を比較すると、目先の収入の方が魅力的に見えるという。
この文を読んでいる今ならば、他人事で落ち着いているから、そんなはずはないと思っているだろうが、いざ自分の身に降りかかるとそうなるらしい。
猛暑が続く今スーパーカップをもらえるけど、秋まで我慢すればハーゲンダッツをもらえるとしたら、今スーパーカップをもらう選択をする者もいるだろう。
純粋に利益の額で言えばハーゲンダッツの方が大きいのは明らかなのに。
たとえどんなに頭脳明晰な人間だとしても、その時の状況が影響すれば、純粋に利益を求めた行動を取ることは難しいのだ。


 将来や受験を見据えた行動よりも、目先の考査の点数を求めるのはこのせいだ。
一次記憶や公式頼みの付け焼き刃が儚い知識だなんて百も承知だろう。
それでも目の前の壁を乗り越えるためにやってしまう。
必死にもがけばいつのまにか目標に達するというのは、目先の利益=将来の利益となる時。
与えられる課題や考査の問題は、そうなっているのだろうか?
目先の利益=将来の利益の課題設定ができる先生は、間違いなく優れた先生だ。

ていうか、刹那の夏休みだぜ。
10年後の夏休みより今年の夏休みの方が重要だ。

企てろ!
一歩踏み出せ!
ドキドキしよう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?