豚にジャム
ある日受講生の方に「辞書をみていたら、豚に真珠をフラ語では、
豚にコンフィチュールと言うんですね」
と言われて、「そういえばそうだなぁ」と思い夫にも話しました。
"Au Japon, on dit <donner des perles aux cochons>, mais
en France, on dit <donner de la confiture à des cochons (ou aux cochons).>
C’est rigolo ! Mais les cochons vont peut-être aimer la confiture, non? "
「日本では豚に真珠っていうけど、フランスでは豚にジャムっていうの、
おもしろいよね!でもさ、豚はもしかしたらジャム好きかもよ?」
私は「豚に真珠」を「無駄なこと」と解釈してこのように言ったのですが、
夫は「ちょっと違うなぁ~」と言ってスマホで調べ始めました。
"Donner de la confiture à des cochons."
は
"Donner quelque chose à quelqu’un qui ne saura pas l’apprécier."
「価値がわからない人にいいものを与えること」
という意味で、豚にジャムという美味しいものを与えても、
確かに食べるだろうけれどもその価値が分からない、ありがたみが分からない、というような意味になるそうです(結局は「無駄なことということになりますが、確かにちょっと意味が違いますね)。
で、よくよく調べると「豚に真珠」の由来は、キリスト教の経典である
新約聖書のマタイ伝7章に書かれた、イエス・キリストが
「真珠を豚に投げるな」と語ったとされるフレーズから来ているそうです。
"On ne jette pas les perles aux pourceaux ! "
なんだ、西洋から来ていたのですね。英語でも
pearls before swine
という表現があることを見つけました。
ドイツ語でも同じ表現でした。
ところがスペインでは
「ハチミツはロバの口のためにあるのではない」
だし、フランスではジャムだし、勝手に自分達が美味しいと思うものに
変えているのが面白い!
そういえば、日本では「猫に小判」「馬の耳に念仏」ですね。
(真珠なんてオシャレなものは、やっぱり西洋からか笑)
それにしても「豚にジャムをやる」って、フランス人っぽいなぁ。
私の夫も、彼のお母さんもジャムが大好き。
お腹がすくと、夜中にこっそり冷蔵庫を開けてジャムをなめています。
我々には小判と念仏がぴったりか...。
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