スラバヤ通りと南半球
私が今住んでいるジャカルタは歩道がよく整備されていないので、
週末にブラブラとのんびり散歩をできる場所ほとんどありません。
またパリや東京に比べるとコンサートや展示会などの数が圧倒的に少なく、
ショッピングモール巡りもいいかげん飽きてくるので、
雨降りの週末には「さて何をしようか...」と考えてしまいます。
そんな中、先週末は初めて「スラバヤ通り」に行ってきました。
"Jalan Surabaya"
ここは骨董品が並ぶ通りです。
インドネシアのお面やマリオネット、古そうな(でも本当は古くない)彫刻やランプなどが並び、私達外国人が訪れると店員たちが
「ミスター!ミスター!」と寄ってたかってきます。
(知らなかったのですが、松任谷由実の歌で「スラバヤ通りの妹へ」
という歌があるのですね)
結局これというものが見つからず、近くのベトナムカフェで
ベトナムコーヒーを飲んで帰ってきたのですが、家へ向かうタクシーの中で
夫がこう言いました。
"Je n’ai pas l’impression qu’on va vers le sud..."
「どうも南に向かっている気がしないなぁ...」
うちの家はジャカルタ市内の南部にあるのですが、タクシーがそちらに向かっている気がしないというのです。
夫は方向感覚がとてもよく、地図がなくても道に迷うことがほとんどないのですが、その方向感覚が機能しない場所があります。
その場所とはずばり:
"hémisphère Sud"
南半球です。
"Ma boussole interne ne marche pas bien dans l’hémisphère Sud !"
「僕の体内コンパスは、南半球ではうまく機能しないんだ!」
インドネシアには赤道が通っていますが、私達が住んでいるジャカルタは
わずかに赤道より下、南半球なのです。
同じように、私達がアルゼンチンのブエノスアイレスに住んでいた時も、
彼はよく道に迷いました。
北半球では直感で南北が分かるというのに、南半球に来ると
その感覚が狂うそうです。
そんなことってあるのかな?と思って調べてみると、理由が分かりました。
Le Soleil se lève toujours à l’est et se couche toujours à l’ouest,
dans l’hémisphère sud comme dans l’hémisphère nord.
Mais la différence, c’est qu’il est vers le sud à midi quand on est dans l’hémisphère nord, et vers le nord à midi quand on est dans l’hémisphère sud.
「太陽は南半球でも北半球でも、常に東から昇り、西に沈みます。
しかし、私たちが北半球にいるときは真昼に南を向き、
南半球にいるときは真昼に北を向くという違いがあります」
なるほど、彼はいつも太陽を目印に歩いているのだけれど、
それが南半球では逆になるので迷ってしまうのですね。
方向感覚が良い方、南半球ではどうぞご注意を。
(記事の最初の画像は AI で作成した画像ですので、実際のスラバヤ通りではありません)
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