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中身の分からないEUCの山で生き延びるには その3

前回はこちら

メンバーのスキル向上のため、EUCの簡単な修正を分担してやることにした。

難易度が高い修正は初心者がやると挫折してしまうので、熟練者と2人ペアでやり、とにかくスキルの横展開を進める。

「蓋を開けてみたら思ってたより難しかった」といったことも起こり得るので、適宜軌道修正をしながら、最終的な難易度を記録として残しておく。

これにより、今後そのツールの修正が必要になった際に、難易度とメンバーの習得度に合わせた役割分担ができるようになる。

修正した際にEUCの構造図を書いて、今後の保守をさらにやりやすくできるとなお良い。

さらに、修正の過程で一つ興味深い事実が分かった。

そのツールはエクセルだったのだが、修正依頼を受けた以外の箇所で「似たような性質の項目を扱っているのに、セル内の関数が異なっていた」のだ。

修正依頼者のユーザーに聞いてみると、「昔からそのセルだけ値が上手く入らなかったので、毎回人の手で修正していた」という。

関数をコピーするだけだったので、それもついでに修正した。メンバーの素朴な疑問が、ユーザー自身も気づかない改善点を掘り当てたのだ。

技術的には大したことはないかもしれないが、「費用対効果を勘案しつつ効率化を推し進める」という、まさしくEUCの理想を体現した事例である。依頼者からも大いに感謝された。

このような動きは歓迎すべきことである。早速定例MTでこの事例を取り上げ、気付いたメンバーを大いに褒めたたえることにした。

事例の蓄積が自然と進む流れができつつある。せっかくできたこの流れを絶やしたくない。

私自身が異動しても取り組みが続くように、後継者作りを意識しながら運営の更なる進化を目指してゆきたい。

ここまでに至る試行錯誤はこちら


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