見出し画像

楽天市場の3980円以上送料無料の裏事情

楽天市場の送料無料問題。これはネットショップを運営していない一般消費者でも知っているほど有名な問題となりました。

楽天市場出店者としては、本当に痛いですよね!まさに死活問題。

ニュースを見ていると、大体は楽天市場が悪いみたいな見方を一般の方もされています。

でもまだまだ一般の方の理由を聞いてみると、この問題の半分くらいしか的を射ていません。


・なぜ楽天は送料無料にこだわるのか。

・楽天市場の真の狙いとは。

今回は2点に分けて、出店者側の立場としてお話ししたいと思います。


なぜ楽天市場は送料無料にこだわるのか

画像1

楽天市場はアマゾンのマネばかり!アマゾンプライムのように、いくらで送料無料になるのかハッキリしていた方が、お客さんにとっては分かりやすいというのが大前提にあるのは間違いありません。その前に付いている"アマゾンのマネばかり"というのは、声を大にして言いたい!

過去には楽天市場はアマゾンのマネのような改革を行ってきました。そして、その度に出店者は振り回され、修正作業に追われてきました。

アマゾンのシンプルな画像のマネ

アマゾンは昔はキレイな白背景の統一されたサムネイル画像を使っていました。いまも同様にルールは変わらないのですが、中国の出店者や副業での出店者など、あらたな参入があり、ルールが統制できなくなっているような感じを見受けられます。

しかし、アマゾンといえば統一されたキレイな画像というイメージはいまなお残っていて、"見やすい" "キレイ"などいい印象をもたれ、実際に売り上げにも貢献しているようです。

楽天市場では、このアマゾンの白背景画像を規約に取り入れ、ショップに画像変更を強制しました。〇月〇日までに対応してくださいと。

実際にほとんどのショップがこれに従うしかありませんでした。

ところが、期日を過ぎた直後のスーパーセールでは、普通に修正していない商品も売られている。とくにペナルティも無く!です。

あの作業は一体なんだったのか。楽天は何がしたいのか。出店者の不満はたまっていきます。


アマゾンのカテゴライズのマネ

アマゾンはファッションや、おもちゃ、アウトドアなどのカテゴリのほかに、"色" "年齢" "サイズ" "イメージ" "キャラクター"など、商品の特徴やサイズで検索をかけることができるタグと呼ばれるカテゴライズもあります。

これ、楽天市場は真似しますか?どうしますか?します!(食い気味に) 楽天市場はこれもマネをしました。出店者側は自分の持つ商品全てにタグIDを設定する作業に追われました。

しかし、タグを使った検索は確かに便利で、優れています。この時は恐らく多くの出店者が従っているはずです。ただ、アマゾンのマネでは?という疑問は心のどこかに植え付けられたのでした…

アマゾンのシンプルな商品名のマネ

アマゾンはサムネイル画像だけではなく、商品名にもルールがあり、見やすいと言われています。

カテゴリにもよりますが、

ブランド名 商品名 カラー サイズとつけていき、余計なキーワードは入りません。

一方、楽天市場はどうかというと、

【送料無料】期間限定!50%OFF!!ダウンジャケット メンズ S/M/L/XL 大きい 小さい レディース 厚手 防寒 ブラック ネイビー ほか カラバリ豊富 秋 冬 《あす楽対応》撥水加工 防水 ダウン 送料無料 セール

ツッコミどころ満載ですが、こういうような商品名が散見されます。

大きいの?小さいの?メンズなの?送料無料2回でてくるよ?本当に半額なの?なにを信じていいのか、そもそも長すぎて、よくわかりません。

こうした状態だったため、楽天市場は推奨という形で、商品名にルールを作りました。ただし、拘束力はないため、一向に変わっている様子はありません。ただし、一時期、検索アルゴリズムの変更により、商品名がかなりシンプルな方が有利な時期がありました。もし、本気で商品名の変更を考えていくなら、今後、商品名に大きな影響を与えるようなアルゴリズムの変更があるかもしれません。

そして、私たちは忘れません!やっぱりアマゾンのマネだよね?そうだよね?一部関係者間で噂されるようになります。


このように楽天市場のアマゾン化は結構前からすでに始まっていました。


たしかに、送料無料の設定はデータとしても、売り上げに貢献しているというのは分かっている事実です。

当店では、楽天市場に2店舗出店していますが、片方を送料別の金額で、もう片方は送料込みの金額で販売した場合、多くの商品は送料無料で販売している方がよく売れます。

しかし、それを強制されるのは明らかに違います。

商品に上乗せした場合、たとえば同じものを2点や3点買うお客さんはその分損をします。

こういう場合には、やはり送料を代金に上乗せせずに耐えることができ、据え置きに近い金額で販売できる大手の商品の方が売れるし、生き残っていくでしょう。


これまでのアマゾン化と呼ばれる改変は、規約変更の域を超えていませんでしたが、今回の送料無料は違います。

出店者に送料のお金を負担しろと言っているわけです。

ご存知だと思いますが、楽天市場出店者が集まり、楽天ユニオンという団体を作りました。楽天に意見を言うためです。

でも楽天側は3月18日から送料無料のボーダーを3980円に設定する方向で進んでいます。


楽天市場の真の狙いとは

楽天市場はなぜそこまでして、送料無料のボーダーライン統一を強引に推し進めるのか。実は大きな理由があるのではないかと感じています。

その前に、一点だけ、勘違いされているものがあったのでご紹介します。

・送料分の手数料はすでに徴収されている

送料を込みにすれば、楽天にその分払う手数料が増えるからではないかとの声があります。しかし、驚くことに、すでに送料からも楽天市場は手数料を取っています。

送料は店舗からお客さんに送る時に発生するもので、楽天は関係ないんじゃ…と思いますが、2018年から送料分の手数料も、売り上げから差し引いて、徴収されています。


それでは本題に入りますが、楽天市場はとっておきのアマゾン化に向けてすでに動いています。

アマゾンは、オリジナルのフルフィルメントを確立しています。フルフィルメントとは、商品の販売から、注文処理、ピッキング、検品、出荷までの一連の流れのことを言います。

この業務を一部出品者に代行して行っています。アマゾンで買い物をするときに"prime"マークが付いている商品を見たことがあると思います。その多くの商品はアマゾン自らが注文処理やピッキング、出荷を行なっているのです。

なぜそうしているのか。フルフィルメントを行うことで、アマゾンが直に販売・出荷する安心感をまず与えることができます。そして、出荷や代金引換に至るまで安定したリソースが可能になります。さらには普通に出品する商品を扱うだけでは得ることのできない手数料も入ります。


ある店舗がアマゾンに出店したときに、独自の出荷作業を行うのか、もしくはアマゾンのフルフィルメントシステムであるFBA(フルフィルメントby amazon)を使うのか、どちらかの出荷方法を選択します。出店者側にもFBAを使うメリットがあります。

手数料は高いが、あらかじめアマゾンの指定する方法で指定された形で、指定された場所に商品を預けることで、優先的に検索結果に表示され、売れやすくなります。

また、これまでピッキングや、検品や、梱包にかかっていた人員と時間を別のことにかけることができます。お互いにWIN WINの関係と言えます。


そして、お待たせしました!

真似っこ楽天市場も、この優れたフルフィルメントシステム(FBA)を真似る計画でいます。送料無料ラインを統一し、いずれは楽天市場がフルフィルメントを行なっていく。物流の果てしない構想を実現するためです。

すでに同様のサービスは始動しており、今後着実に拡大していく計画でしょう。

楽天スーパーロジスティクス

楽天EXPO2018では三木谷社長の口から、楽天スーパーロジスティックを中心としたワンデリバリー構想を発表しています。

いま、千葉県船橋市や流山市を見ると、巨大な物流倉庫が何十棟と建設されているのをご存知ですか?総合商社などがこぞって建設し、物流のシェア争いが始まっています。

画像2

楽天市場もこれに参入し、物流を制す目論見があると見ています。巨大な楽天市場というプラットフォームを持ち、ネット通販の膨大なデータも蓄積されています。

他よりも有利な立場でシェアを奪うことができると考えているのかもしれません。

平行して携帯電話事業にも乗り出しています。電子マネーやクレジットカード、楽天でんきまで…。恐ろしいことに、ライフライン全てを楽天で供給するという果てしない夢を描いているのかもしれません。



------ 無料コミュニティ[みんなのEC] ------
(特典付き)みっど店長の公式LINE

画像3

 
【モール出店時の集客図解モデル・特典付き】
無料LINEコミュニティ登録で、このようなECの情報が受け取れます。
・正しいECの知識が得られます。
・売上げアップのノウハウが得られます。
・最新ECニュースが得られます。
・現役店長さんたちの生の声が受け取れます。
・ビジネススクール講師が教えるHTMLやcssの知識が得られます。
一部コンテンツは今後追加予定ですが、お互いにバンバン成長できるようなコミュニティを目指しています。

LINE登録クリック

------------ m i n n a n o E C ------------


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?