ヨガによる呼吸への意識の変化
呼吸への関心を高める
ヨガインストラクターの皆さんも、ヨガの経験について話すことはたくさんあると思いますが、新しい生徒さんに呼吸法を教えるとき、ご自身の経験をどこから伝えたら良いのか、何から教えるべきなのか、悩まれることもあるでしょう。
クラスの最初に呼吸法を教えるのに時間がかかりすぎると、初心者の生徒さんは退屈したり、「早く体を動かしたい」という気持ちから落ち着きがなくなったりします。
逆に、太陽礼拝や他のアーサナにすぐに飛びついてしまうと、呼吸を紹介するチャンスを逃してしまい、クラス中に呼吸を忘れないように促すことができません。
長くする必要はありませんが、クラスの最初に、生徒さんたちに座ってもらうか、横になってもらうかして、心を落ち着かせてから、呼吸の側面に注目してもらうと良いでしょう。
初心者の生徒さんの場合は、センタリング(自分の中心軸に集中、中心に戻る感覚)の時間を短くした方が効果的な場合があります。
ここでは、いくつかのインストラクションの例を紹介します。
・鼻から息を吸って、鼻から息を吐く。
・鼻先に入ってくる息の冷たさと、出ていく息の温かさを感じてください。
・吸うときには息が入ってくるのを感じ、吐くときには息が出ていくのを感 じます。
・肋骨に息を吹き込み、肋骨の動きを感じましょう。
・胸に息を吹き込み、胸が上がったり下がったりするのを感じます。
・息を吸うときは、お腹に息が入ってくるのをイメージします。
・息を吐くときは、鼻から息が出るのを感じ、あごをリラックスさせます。
数分以上の静寂の中でセンタリングを行った後、次のステップとして、呼吸に合わせて穏やかな動きを始めます。
例えば、"腕を上げるときに息を吸い、下ろすときに息を吐く "という一般的なインストラクションがあります。
呼吸と健康への理解を深める
学生時代などに、コーチや合唱団の先生から「お腹から声を出す」「横隔膜で呼吸しなさい」と言われた人は多いと思います。
私は幼少期に母からこの言葉を聞いたことがありますが、その意味は全く分かりませんでした。
ロサンゼルスで初めて解剖学を学ぶまで、横隔膜がどこにあるのかさえ知りませんでした。
この経験から、私はオールレベルのクラスでは「横隔膜」という言葉を使わず、生徒さんがより自由に、リラックスして呼吸できるようにイメージすることに重点を置いています。
しかし、指導者としては、呼吸の仕組みの基本と、呼吸の方法の違いを理解する必要があります。
横隔膜は、胸郭を動かす呼吸の主要な筋肉と考えられていますが、そのようなことを知られていなかったとしても裏では絶えず働いています。
首の斜角筋と胸鎖乳突筋は、必要に応じて胸郭を持ち上げて横隔膜を補助する筋肉で、呼吸の副次的な筋肉と考えられています。
横隔膜が十分な呼吸量を確保できないときには、副次的な筋肉が助けてくれます。
副次的な筋肉が必要になるのは、運動時、風邪やアレルギーなど、呼吸が困難になった時です。
呼吸の補助筋には他にも主な機能があるため、常にこの目的のために使われるわけではありません。
胸郭を持ち上げるために使いすぎると、痛みや頭痛の原因になることもあります。
大胸筋、小胸筋、前鋸筋、上部僧帽筋、肩甲挙筋など、胸郭に付着する他の筋肉も副呼吸筋とみなされます。
エクロールヨガ卒業生の皆さんは「動きの解剖学」を再度開いてみるきっかけにしていただければ嬉しいです。
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