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ほっぺすりすりパルスワン 「対三神三種の神器」


1.はじめに

前回公開した記事以降(ムゲンゾーン〜仰天のボルテッカー環境)に使っていた、ほっぺすりすりデッキについての考察と型紹介をします。ほっぺすりすりデッキの基本的な動きについてご存知ない方は、これまでに公開している記事をご覧下さい。

今回は、3つの型について紹介しますが、全て「アルセウス&ディアルガ&パルキアGX(以下三神)を倒す」というコンセプトで構築しています。

... ...正確には、エモンガスタートができ、後攻をとれた場合、もしくは自分が先攻だが、相手の三神が後1に追加効果ありのオルタージェネシスGXが使えなかった場合に有効な勝ち筋を残すための構築になります。なお、ピン挿しカードのサイド落ちは考慮しないものとしています。

ここまで読んで、「いや、それじゃ対策になってないじゃねーか!」と思ったそこのアナタ!その通りです。かなりシビアで細い勝ち筋をもつことしかできません。ほっぺすりすりで三神を相手するというのは、そういうことなのです。そのことを念頭において以下の記事を読んでいただければ幸いです。対三神の考察の後に、構築をのせています。



2.なぜ三神と戦うのか(真理)

まずは三神に書かれていることから確認しましょう。

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エネ加速ができる通常ワザもさることながら、GXワザのオルタージェネシスGXがかなり凶悪な性能です。発動以降の攻撃で相手を倒した際にとれるサイドの枚数が増えるため、他とのマッチアップに比べ、やられても良いポケモンの数がかなり減ってしまいます。そのため、非Vのポケモンを主体に扱うデッキにとっては、サイドを一気にとらせないという強みを帳消しにされてしまいます。

逆に弱みとしては、GXワザの発動ターンに相手にダメージを与えられないこと、倒せないこと、サイドがとれないことが挙げられます。

このGXワザの存在がほっぺすりすりにとっては、環境から追い出された主たる要因であり、それ以降は最大の難関であり続けています。そのこともあり、三神が含まれるデッキは最も苦手とするデッキタイプになります。「苦手だからこそ、一度でいいから勝ってみたい、運任せでもいいから勝ってみたい。他との勝率を落としてもいいから勝ってみたい」そう思い続けてきましたので、今回のコンセプトに挑戦した次第であります。もはや怨念ですね(笑)。中でも環境に多いザシアンVとセットになっている所謂「三神ザシアン」との対戦を想定して構築や考察をしました。



3.ほっぺすりすりで三神と戦うとは

ほっぺすりすりデッキの大きな特徴として、エモンガの特性による大量展開、パチリスによるエネ加速があります。これがこのデッキタイプの基礎であり、ほっぺすりすりというシステムそのものです。

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この流れがデッキタイプのベースそのものである以上、避けて通れないのが1〜2ターン目の攻撃をすりすり発電に使わないといけないという問題です。

必要火力に応じて発電を使う回数が変わることはありますが、少なくとも1回はパチリスが前に出た状況で番を返さなくてはなりません。そして、御守りがついた三神を一撃で倒すには、発電1回では絶妙に火力が足りません。これが重要なポイントで、発電1回では倒しきれず、発電2回の場合は次の攻撃で倒せるが、パチリスがやられてサイドを2枚とられ、エネ加速されるという絶望的な状況になってしまいます。

これを覆すためには、

A)発電1回でも無理矢理倒しにいく

B)そもそも三神を狙わずにザシアンVを倒す

C)パチリスでサイドを2枚とられても問題ない構築にする

この選択肢になるかと思います。

「A)発電1回でも無理矢理倒しにいく」は、シンプルです。エレキパワーを必要数集めれば済みます。ただし、要求値がかなり高く、パチリスを下げる、パルスワンを起動させる、エレキパワーを集めるということを1ターン内にしなければなりません。ここは超級の上振れ引きをすれば問題ないでしょう。

ただし、たとえ三神を倒すことができたとしても、次のターンにライチュウでザシアンを倒さないと、パルスワンではサイドを3-3でとられて負けてしまいます。発電1回のライチュウでザシアンを倒すには、これまた火力が絶妙に足りません。前のターンにエレキパワーを使っているにも関わらず、このターンにも集めなくてはなりません。総合的にかなり厳しいです。

「B)そもそも三神を狙わずにザシアンVを倒す」は、1回発電を使い次のターンにボス等で裏のザシアンを倒すというパターンです。1ターンでの要求は、パチリスを下げる、パルスワンを起動させる、ボスの指令を使うとなります。サポート権をボスに使うため、必要札を集めるのがかなり厳しいです。ポケモンキャッチャーやカスタムキャッチャーを使う場合は、サポート権を消費しないで済みますが、いずれにせよ、超級の上振れ引きが必要です。

また、その後の展開はA)と同様にパルスワンを2回倒されて負ける状況を避けなければなりません。幸い、パルスワンはアルティメットレイを耐えるので、相手がザシアンを起動させ続けられるかと、こちらがザシアンを呼び出し続けられるかが勝敗を分けるポイントとなるでしょう。総合的にかなり厳しいです。

「C)パチリスでサイドを2枚とられても問題ない構築にする」は、その後のサイドのとられかたがパルスワン等が2回倒されて2-3-3の形なります。この時とれるプランは2通りあり、

①B)と同様にパルスワンを一撃で落としてくるザシアンを集中的に狙い、パルスワンが1ターン延命する状況をつくる。

②2回のワザ宣言で、サイドを6枚とりきる。

このどちらかです。

①は、たとえパルスワンが延命できる状況をつくることができても、裏のエモンガ等が倒されると負けるので、リセットスタンプを絡めた相手依存の運ゲーになるかと思います。

②は、順当に戦うと実現不可能なので、何かしらのギミックが必要になります。



4.今回の構築の方向性

A)、B)はパチリスが倒される前に動く必要があるため、メイでのパルスワン起動が不可能です。そのため大量ドローにより必要札を集めなければなりません。前回紹介したグッズごり押し型をベースに改造することで実現できるかもしれません。

【参考】グッズごり押し型

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ヤーコンやデデンネGXによる大量ドローで必要札を集める形です。メイを他のサポートに置き換え、エレキパワーも増やしたいところですが、上手く回せる見通しが立たなかったため、今回はこの方向性で構築していくことは断念しました。


C)はパチリスが倒されてからの始動であるため、マチスの作戦やメイを有効に使えそうです。前回紹介したサポート多投型をベースに構築できそうです。

【参考】サポート多投型

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C)①は相手依存になり、面白みがある構築にできなさそうだったため、これも断念。

今回はC)②のギミックを考え構築することに焦点を当てました。



5.三種の神器

さて、すりすり発電を使用し、パチリスが倒された後、2回の攻撃で、サイドを6枚とるにはどうするか。相手が尋常ではないサイドの取り方をしてくる以上、こちらもサイドプランに干渉する手段を使わなくてはなりません。このことを考えるなかで、以下の3つのカードが選ばれました。


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はい、これが対三神三種の神器です(笑)。この3枚のカードを使ったコンボを元にデッキを考えました。



6.構築紹介

[1]ジュペッタ型

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ほっぺすりすりのライチュウ、パルスワンの基本的な動きをベースに、ジュペッタの特性「あかい眼」を発動し、三神を蘇らせることで2回倒すというプランを狙う構築です。特性発動ターンにボスの指令で三神を前に引っ張り出す必要があります。もちろん、他のタッグチームにも刺さります。回す難易度としては、そこまで、高くはないものの、相手にベンチを埋められると詰むため、相手依存な部分が多いです。カゲボウズを見せないことが大事ですが、メタモン♢だけで出すと狙われる可能性もあり、2匹同時に並べたくなるジレンマが生じます。

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枠が厳しいのはありますが、「退化の呪い」のジュペッタも同時採用し、相手に合わせて分岐進化するプランもとれます。三神に対しては無意味ですが、Vmaxに対しては戦術の幅をかなり広げてくれます。特にドラパルトVmaxなどの2回発電を使う余裕のない対面の場合に、退化して倒すことを含め1ターンにサイド4枚取りが狙えるのがポイントです。

総合的な評価としては、汎用性が高く、必要札が多くない有用なコンボであり、構築としては高水準であると考えています。ただ、対三神の観点からは相手依存の問題があるため、今回のコンセプト的には微妙なラインです。



[2]フェロマッシ型

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すりすり発電で蓄えたエネルギーをマルマインの「エレキシェイカー」により、フェローチェ&マッシブーンGX(以下フェロマッシ)に供給し、ビーストゲームGXを追加効果ありで狙う構築です。フェロマッシを動かすための必要札が多くなったため、ライチュウラインは不採用になっています。フェロマッシがウルトラビーストであるため、グズマ&ハラからも展開できるところが強みです。

発電後のパルスワンの攻撃で、三神を倒しきらないように火力調整をし、ビーストゲームGXで仕留め、サイドを一気に6枚とります。必要な火力に応じてエモンガを並べる数やエネルギーをつける数を考える必要があります。

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また、ビーストブリンガーを採用することで、相手のデデンネGXをビーストゲームGXで仕留めてゲームセットというプランもとることができるようになります。これは三神のみならず、多くのデッキに対して狙うことができますが、デデンネGXにどうやって削りを入れるかが重要で、ボスの指令を2回使うのは要求値が高いです。積極的に狙いたい場合は、ライチュウラインの採用が望ましいです。

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かなりのロマン構築にはなりますが、アメイジングライコウとオーロラエネルギーを入れることで、デデンネGXをビーストゲームGXで仕留めやすくなります。ブリンガーがなくてもデデンネGXに削りを入れるついでにヤレユータンなどのHP120以下のポケモンを倒しておけば、綺麗にサイドを取り切ることができます。(ボスの指令が2回必要)

総合的な評価としては、かなり優秀だと考えています。あらゆるデッキのスキ(ジラーチやデデンネGXなど)をついて一気にサイドをとれる可能性があるため、相手を選ばず活躍できる場面が多いです。ただし、ピン挿しカードが多く、サイドを途中で取らないため、サイド落ちの恐怖が大きくのしかかります。落ちると致命的になるカードが多いのも不安定なところです。決まれば強い、古典的なロマンデッキです。



[3]アーゴヨン型

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アーゴヨンGXのスティンガーGXを使いサイドを3枚にすることで、三神やVmaxを一度倒すことでサイドを取り切る構築です。フェロマッシ型と同様に枠の都合上、ライチュウラインは不採用です。

スティンガーGXでサイド差をイーブンに戻せるため、パチリスで取られたサイドを疑似的に帳消し状態にすることができます。この動きの汎用性は高いです。

対三神の場合、アーゴヨンGXがそのまま倒されると、サイドを3枚とられ、返しのターンに負けるため、島めぐりの証をつけておく必要があります。ポケモンの道具のため、ツールスクラッパーなどで外されると負けに直結します。この部分は相手依存になります。ここで強くでるためにリセットスタンプなどの手札干渉カードを入れておくのもありかと思いますが、カウンターゲインやタフネスマントを囮に序盤〜中盤でツールスクラッパーを使わせる動きをすることで回避できることもあります。

総合的な評価としては、汎用性が高く、Vmaxにも強く出れるところが魅力です。スティンガーGXを撃てるとはいえ、そこまでの必要札がサイドに落ちている場合、コンボが決まらないため、不安定さはあります。対三神としては、島めぐりの証頼みになってしまうため、これもコンセプトとしては微妙なラインです。



7.さいごに

今回は、ほっぺすりすりにおける三神(ザシアン)との対面時の考察と、そこから3つの構築を考えました。どれも線が細いながら、勝ち筋を見つけることができ、ある一定満足しています。しかし、三神対策を考える上で、デッキを構築していたのに、他のデッキに対しての方が有効なものが多かった気がします。三神に対しては相手依存の部分がケアしきれないこともあり、なんとも皮肉な印象でした。

対面練習をする中で、相手の事故も含め何度か三神ザシアンに勝てることがありましたが、やはりほっぺすりすりで勝てるととても嬉しいです。もちろん勝率を出すと、ほぼ負けてしかないとは思いますが、10回に1回でも勝てればという気持ちで、これからもやっていこうと思います。


さて、今回の考察では、取り上げなかった勝ち筋が実はまだあります。それはオルタージェネシスGXを使わせない(使うのを遅らせる)というものです。真っ先に考えられるのはグッズロックやエネ破壊を絡めることで、次はこのコンセプトでデッキを構築しているところです。まだまだ三神に争います!


長文読んでいただき、ありがとうございました。




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