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櫻坂46 6th 『Start over!』収録曲を聴いて〜

6月28日(水) 0:00〜に、同日発売の櫻坂46 6th シングル『Start over!』(Special Edition)の配信が開始された。
CD各種はいつも通りHMVに注文したが、珍しく27日夕方にフラゲ出来た。今回は佐川との相性もよかったのだろうか、実にこれは初めてのことだ。
そして、配信開始の時間まで繰り返し聴き比べてみた。

ここでは、収録各曲を聴いてみての感想と今後の展開についての想いを中心に記していきたい。

● Start over! ❲表題❳

MV映像、あるいはTV番組披露に注目しがちだったが、21日の小林由依のメッセージアプリで「ハモリも聴いてみて欲しい」とのトークが送られてきて、先行配信された音源に耳を傾けた。
なるほど上手くハモれている。当たり前だが「歌ってこそ」の歌い手だ。最近は生歌で披露する機会も増えて、激しいダンスパフォーマンスと併せてのタフネスぶりに「いやいや音を被せて、セーフティーに行ってもいいんですよ…」と逆にそう思う場面も正直言ってある。
そんな思いをよそに、センターの藤吉夏鈴をはじめ、真摯に楽曲に向き合う彼女たちはたくましい限りだ。

● 静寂の暴力 ❲共通カップリング❳

あくまで“共通カップリング”であって、単なる三期生期別曲ではない〜というところか。
あらためてイントロのピアノが美しい。
そしてメンバーの声が若い。蒼い声だ。当然ボイトレも取り組んでいるのだろうが、歌唱に関しては「未完成」「発展途上」だ。当たり前だけれど。
でも、そこも魅力にもなっているのだから、まさに成長の過程を見届けているといったところか。
とにかく、山下はじめ「声がいい」。ラスサビ〜自分から叫びたいよ〜から、一人二人と歌い継いでいくところが特にいい。
ストリートダンサーのGHOST HILLさんのYouTube動画でも指摘されていたが、遠藤理子の歌声も要注目だ。ライブはもちろんだが、その前にどこかのTV番組で取り挙げてくれたらいいのに…とさえ思う。
先ずはミニラからか。待ち遠しい。

● 風の音 ❲一期❳ TYPE-A

“泰然自若”とはこのことだろう。
酸いも甘いも噛み分けた5人がグループをある意味俯瞰した立場でスマートにリードしていく。自分たちはあくまで二期・三期のサポート役〜とその役割に徹しながらも、出るべきところは出て貫禄と圧巻のパフォーマンスで締めていく。そんな彼女たちの二曲目の期別曲。
ところで、タイトルは果たして「かぜのおと」か「かぜのね」か…
正解は「かぜのおと」だった。
これまたベースラインが走る走る。個人的に好きなコード進行だ。
センターは土生ちゃんだろうか…
はて?サビはどこかで聴いてきたような懐かしさがある。
思い出したのはVAN HALENの『JUMP』だが〜
そんなおじさんの心の琴線に触れる一曲ではある。

EX大衆のグラビアそのままに、絶妙な5人の距離感で奏でる大人の一曲となっている。

● コンビナート ❲二期❳ TYPE-B

3rdTOUR 福岡公演二日目、関有美子卒業セレモニーが開かれた。私は、幸いにも現地で見送ることができた。
「偶然の答え」が始まる前に(旧) 二期生8人が手を繋いで輪になって待機していた。あの場面、数分、数秒間にメンバー・観客を問わず、会場では様々な想いが交錯したに違いない。
私は「くっそ…泣かせに来やがって〜」と目頭を熱くし嗚咽を必死にこらえる状態だった。
と、同時にもう一つの感情もあった。
私はこのnoteの場でもTwitterでも増本綺良推しであると共に、新二期びいきを公言している。
公式には二期生として括っている新旧の合同オーデ組ではあるが、やはり、それぞれに想い入れの違う場面は出てくる。そしてこの場面は、当然こうなるよな…というのが正直で、かつ複雑な心情だった。
誤解のないようにお願いしたいのだが、それが「悪い」と言っているのではない。むしろ、それが自然で当然だと思うから、なおさらに、その感情も意識せざるを得ない。それだけに8人の絆は誰からも侵されることのない尊いものだということも、あらためて浮き彫りになったわけだが。
次の「無言の宇宙」では新二期5人も合流した。
そこに関有美子の思いと気遣いが伺える選曲の二曲だった。
そして今回である。
私は、期別曲の有無に特にこだわりはない者ではある。(期別が)あるならあるで、それに越したことはないんじゃないの?くらいの感覚だ。
だが、そんな私でも、さすがにこのタイミングはなかろう…と思ってしまった。余りに遅すぎると…
せめて関有美子が在籍中に出すべきではと…
そして同じ二期生であっても、このタイミングでの期別曲への温度差はあるだろう。さらに言えば、松平璃子が在籍していた9人の時に出して欲しかった…という声が内外であるのも承知している。
しかし、今、そこまで言い出したら「二期」の存在理由が成立しなくなってしまう。

さて、その楽曲だが…
ロックしている。こちらは、ギターがうねりをあげている。
舞台は首都高湾岸線〜京浜コンビナート〜大黒ふ頭あたりから、みなとみらいを臨むのか〜
クルマはジャガーかマセラティ…あるいは117クーペか…
なるほど「車間距離」に似たテイストではある。
そして、CDブックレットの当該曲見開きページの井上梨名が素晴らしくも美しい!今回のベストショットだと言える。

願わくば、この曲が「二期生」にとって、新たな拠り所となる楽曲になって欲しいと思っている。

Stay with me …
真夜中のドアをたたき 帰らないでと泣いた
あの季節が 今 目の前

『真夜中のドア』作詞 三浦徳子 作曲 林哲司 歌 松原みき


● Anthem time ❲三期❳ TYPE-C

“Anthem”というテーマは、日本人には難解なものなのかも知れない。狭義では、サッカーとその文化が浸透してきて一定の認識はあるのだろうが、やはり宗教的バックボーンの有無・濃淡は大きいと思う。
それはともかくとして『魂のLiar』を一期・二期で取り組んだ後に、三期はタイトルそのままにストレートに来たわけだ。
詞も曲も直球どストレート。
出だしはreitalkでおなじみのアスファルトの隙間に咲くたくましき花をイメージ。
ライブでの掛け合いも楽しくなること間違いなしの「煽り上手」の三期生にふさわしい一曲か。

● 一瞬の馬 ❲一期・二期❳ TYPE-D

このタイトルも何かと「物議」を呼んだ。
二期生曲『コンビナート』同様に“何を今さら…”感だ。
こうして「混ぜっ返す」手法が、私には理解し難く嫌悪するところではある。
そして、また例のWowow祭りかよ〜ダッセーなぁ〜とは思っていた。

注目点は作曲者が『もう森に帰ろうか』の河原健介ということだ。あの路線ふたたび…か〜と居住まい正して聴いてみた。
うん?ほ〜なるほど、これが櫻の「馬」曲か…ふむ…
これまたベースがいい。タイトルには引っかかっていたが、オイ、いいじゃないか。こういうのでいいんだよ。
『Start over!』のフロントラインがリードしているのだろうか。絞り出すような夏鈴ちゃんの歌声が印象に残る。ラストは、あっさりと終わってしまうがこれでいい。サビの流れが特にいい。おじさんはこのメロディーライン〜スキです♪
今回オープンになった5曲のうちで一番好きな楽曲かも知れない。『風の音』もよかったけれど。

● ドローン旋回中 ❲一期・二期❳ 通常盤

直前の26日夜に、よもやのこの曲でMVが来た。
調べてみると、作曲者(共作)のA-NOTE・S-TONEはこれまで『BAN』を提供しており、乃木坂の『バンドエイド剥がすような別れ方』も作っている。
A-NOTEである青葉紘季の単独の別名義“aokado”での作品は『制服と太陽』『最終の地下鉄に乗って』日向坂では『約束の卵』などの作品があるようだ。
映像監督の後藤匠平は『Nobody's fault』『思ったよりも寂しくない』『その日まで』を制作しており、今回も監督独特の光彩と陰影のバランスで映像を支配している。
曲自体は乱暴に言ってしまえば「ごくごくありふれたアイドルソング」である。
しかし、今の櫻坂がこのジャンルにも向き合うということが何より特筆すべき点で重要だろう。
作詞と作画から、何やら物騒な考察もされてはいるし、視点としては、まぁそんなところなんだろうけど、私には本作については、その辺りの深掘りにはさほど興味はない。むしろ意味も余りないとさえ言ってしまってもよいとも考えている。
27日のhonotalkでは、あまり探り過ぎずに〜と、考えすぎないで笑顔で接して欲しいとのとても珍しい要望があった。
そうなのよ、ほのちゃん♪
理屈抜きに、本能のままにノッていこうぜ!の曲なのよ。
そして何より、その田村保乃のタレント力を活かした形でのセンター曲というのが歓迎すべき点だ。

田村保乃…あなたは素晴らしい…



今回の6thは、明確に期別単位でまとめてきた。
そのためユニットはない。それを、どう捉えるかで
Buddiesも見解は分かれているようだ。
私は期別曲の有無よりユニットがないのが、少し寂しく残念だなぁ…というのが素直な気持ちだった。それに期別曲についても、二期については今のタイミングじゃなかっただろう…というのもあるし。
いっそ期別にとらわれないというスタンスの方が潔かったのに…とさえ思ってもいたが…。
今回、3rdTOURを終えての、次の展開に備え携えるべき武器(楽曲)として、とてもいい供給をしたと思う。

ライブでも、セトリに入らない曲が増えてくる中で、ここでさらにボリュームを増そうと期別曲を打ち出してきた意図があるとするなら一定の理解は出来る。
率直に言って今回の楽曲の出来についてはバラツキがあると思う。もちろん好みの問題でもあるが。しかし参加したメンバーが一丸となって作品作りに取り組んでいる姿勢が手に取るように伺えるのだ。これが大きい。

ただ、その上でもあれこれと注文は出てくる。これはある意味致し方ない。
私は、次の7thで三期も一期・二期と合流させる、そして表題にも加える判断を下してもよいとの立場である。
乃木坂五期、日向坂四期との整合性もあって、櫻坂三期も色々と段階を踏んでからのことで、引き続き活動は別動隊で〜という流れなのはわかる。
しかし、物事には時流を読み決断するタイミングがある。仮にも今年を「勝負の年」とうたうなら、一律に制限していく必要性も根拠もないのではないか?
大人の事情や政治的配慮で、せっかくの機会を損失するのはまことにもったいなくも歯がゆい思いだ。
ただ次も一期・二期の全体表題なら、まだ少しは理解は出来るが、それ以前に戻っての一期・二期の「櫻エイト・スリーセンター制」はさすがにあり得ないと思う。これこそ現段階では、もはや必要性も根拠もない。
恐らく運営・制作サイドはその辺りの道筋を既に固めていることだろう。我々はそれを粛々と受け入れるだけなんだが、受け手側の反応として「声を出していく」こと自体は何ら不自然なことではない。

今、グループがこれまでにない歩みの進め方をしているだけに、Buddiesも気持ちが前のめりになっているのは否めない。「次はこうしたら…」と段々と要求も高くなる。6thが出たばかりというのに次の話をしてどうするのか⁉という声も当然あるだろう。 
しかし、これが「流行り歌」を扱うエンターテイメントの宿命でもあると言えなくもない。

翻って、その「流行り歌」だが、櫻坂としての「代表曲」を確立するという大命題に今回の6thは応えられるのだろうか?
くしくもAnthemというテーマを掲げた楽曲も含めての6th期の展開はどうなるのか。
ソニーミュージックをはじめ運営の舵取りがますます問われてくる。
そして我々Buddiesの動きも同様だ。  


《さらに独り言》
私はオンラインミーグリに行かないし、今後も参加する予定はない。これは私の基本的で個人的な推し活のスタイルでスタンスだ。
作品を楽しみ、様々な媒体サービスの提供を享受し、ライブ参戦できるだけで、充分ありがたいと思っている。
しかし、今回のリアルミーグリの応募はさすがに心が揺らいだ。日程が合わないので見送るのだが、別の日の設定で、また、今後もし大阪あたりでもやるとなったら、躊躇なく応募するであろう自分の姿が想像できる。
それほどに私個人も胸躍り、また逡巡した期間の真っ只中なのだ。
次は、8月に「新せ界」展に行く予定ではある。
その後、大阪でゆいぽんの舞台を観て、11月のアニラに臨むというスケジュールだ。
もう今年も半分終わり後半へのターンをしようとしている。
さて櫻坂はこれからどうなっていくのか、とても楽しみな時間が続いている。


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