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櫻坂46『承認欲求』MVが公開されて

9月25日(月) 22:00~櫻坂46 OFFICIAL YouTube CHANNELにて7thシングル表題曲『承認欲求』のMVが公開された。


先ず初見を前にして、私のMVの注目点は主に三点あった。

一点目は、MVそのものの「世界観」
監督は誰であるか~そして、どう楽曲を解釈し、展開するか~どんなパフォーマンスか~
二点目は、秋元康が承認欲求というテーマをどんな切り口で表現するのか?
先のnoteでは、私はこのテーマに対する彼の作詞には、興味も期待もない~と記したが、その表現は少し筆が滑り過ぎたようだ。
やはり、詞の持つ比重は大きい。日本(の音楽)ほど詞(詩)に重きを置いているところもないと言われるほどに、言葉の持つ力を無視できるものではない。
その上で敢えて言うと、秋元康“独占状態”の作詞セクションに対する不平や不満が入り混じっていることは否定しない。
もちろん秋元プロデュースの大前提として、それがあることを百も承知しているからこその、いらだたしさが介在すると言ってもよいのかも知れない。
それはどういうことかと言えば、彼の場合、とてつもなくいい詞を書く(二人セゾン/僕のジレンマ…)一方で、意図が空回りして、〜そうじゃないんだよなぁ〜と、とんでもなく「ハズす」場合も少なからずあるからだ。(あくまで私の主観での話)
まぁ櫻坂はまだ恵まれている方だ〜との声もチラホラ訊くがどうなんでしょうかね()
それはともかく、最終決定権が彼にある以上、今回もタイトルが『承認欲求』と訊いて、「また、その手のテーマに喰い付いたか…」と苦笑し、それを取り上げるには余りにリスキーに思え、結果、失望する方向に向かう危惧があったと正直に言っておこう。これが二点目。
三点目は、いつもここを最重要視しているのではあるが、作曲・編曲についてだ。
今回も引き続きナスカでとどめを刺しにくるのか、私の好きなCHOCOLATE MIXの表題起用となるのか、それともTLでも名前の挙がっているバグベアの再登場となるのか?
など、そのあたりの色々な期待はつきない。
若手を起用しながら、新しい音づくりへの挑戦をしてきた櫻坂46への思いは今回も強いし、今回ほど強いものもないとも言える。


約束の時が来た…作品を観る…

そして、これはあくまで個人の好みの領域の話になるのだが、私は当初「中庸」との感想を持った。
率直に言って事前のハードルを上げすぎたかな…
だから言わんこっちゃない〜と()
それはともかくイントロ〜冒頭部分は最高で、これを見せられたら、期待が高まるのは致し方ないと思う。
ただ全体を通せば、楽曲自体は悪くはないけれど、上手く仕上げきれていない印象を受けた。バランスが悪いというか…消化不良というか…
しかし、決してダメということではなく、聴き込んでいくうちに見えてくるものがあるな〜という前向きの意識もなぜだかあるのも事実だ。

それでは、上記の三つの注目点から振り返ってみよう。
先ずは一点目、MV〜映像から観てみる。
映像監督は加藤ヒデジン氏の続投だった。イントロとメンバーの三角形の並びが、ライティングの具合も相まって、これはカッコいいとストレートに感じた。

TLを見る限り、新せ界のティザー映像の一部もこの部分だったようだ。なるほど、これなら盛り上がるのも無理はないな…と思わせた。

画像ではなく映像ですね…
なんだかアンドロイドっぽい表情(処理)を意識していると初見から思った。必ずそこに意図があると。
教会の厳粛、荘厳な雰囲気が、まさにゴシックでミステリアスな方向に観る側をリードしていく。

クロスとエックス

最初の教会天井の採光部分(十)はキリスト教建築ではクロス(十字架)を表していると言われている。しかし、このMVの場合は明らかにX(エックス)をイメージするようなカメラワークで、これまた随分とストレートな導入部でもある。
そして、続く森田ひかるの冒頭とラストの表情が一段と素晴らしい。

メガネがスタオバからの連環を意識させる
ワタクシ的ベストショット♪

その森田に、谷口愛季と山下瞳月が絡んでいくのだが、この三期二人の表情をみていると「あぁこのフロントで正解だったな…」と納得してしまう。

谷口愛季
山下瞳月

そして、中嶋優月、村井優も加えて、7th表題で三期を合流させたのも正解だと思った。

中盤(転調時)の、山﨑天と藤吉夏鈴の二人も目を見張った。この辺りは流石の一言だ。

てんかりん
このロケ地選定は良い

長い布地はシーツを思わせ、その演出が、私にはベルナルド・ベルトルッチ監督の『ラスト・エンペラー』や『シェルタリング・スカイ』を想起させた。
そして同じくヒデジン監督の『なぜ 恋をして来なかったんだろう?』も…

次に二点目〜詞だ。
これも賛否が分かれるところだろう。
私としては、どうやら今回は秋元康の危惧していたところが出てしまった…と言わざるを得ない。
特にどことは敢えて指摘しない。皆さんおわかりのところだ。
BANでの「カップ麺〜麺がのびた」の再現に思わず失笑する。パフォーマンスのカッコよさに言葉が足を引っ張るのはやはり残念としか言いようがない。
また、韻を踏んで言葉遊びをしたり、その単語にダブルミーニングを掛けたり…
それはそれでいいのだけれど、過ぎたるは及ばざるが如し〜余計なことを詰め込み過ぎるのが彼の悪い癖だ。
テーマに対する切り口も、通り一遍で想定内といえばその通り。そこは、もう一捻り欲しかったと言うのは、欲張りな話か…
知らん 知らん 知らん 知らん〜とな⁉
まぁ〜知らんけど…

三点目の作曲・編曲だが〜

メロディーに特に目新しさは感じなかった。
そして私には、どうにもひと頃のK-POPに聴こえてしまい、オジサンは歌唱法も含めて、かつて一世を風靡した「少女時代」を連想してしまった。この方向は個人的には回避して欲しかったが、こんにちのトレンドとして致し方ないところなのか?
懐かしさの中に新しさが読み取れればよいのだが、そこまでには至っていないのでは…と、どうしても辛口な感想になってしまう。
音に言葉が上手く乗っていない部分が多く感じられ、逆にラップ部分は良かっただけにどうにももったいないなぁと思ってしまった。
先に述べた様に、ガチャついた印象が耳についてしまって、もう一段階詰めて欲しかったな〜というのが率直な感想だ。やはり時間が足らなかったか…その辺りはよくわからないが。



MVの出来はとても良いと思う。個人的にもこの映像は好みである。これが多くの人に届けばいいと思うが、どんな人たちに刺さるかは読みきれない。
そして、作詞については先に述べた通り。

TAKAHIRO先生の振付はこれまで通り、過去曲の振りを織り交ぜつつ構成している。
また、とんねるず全盛期を通過してきたオジサンには、途中、腕を上下にフリフリするところ(BANの振付?)が、カメラワークからか渋谷哲平の「Deep」に見えてしまって思わず「クスッ」ときた。そう思った人いるのかなぁ〜?多分いないだろうなぁ〜?(興味のある方はYouTubeで検索して観てみてください)

もう一点。注目を浴びたみいちゃん(小池美波)の髪色の件。
19日のminamitalkで「まだ秘密やで」と念押しされて折角送ってくれたのに「承認欲求」なのか「自己顕示欲」なのかは知らないが、ネタバレして狙いをつぶすヤツがいて、「なにやってくれてんねん!」状態だった。
しかしMVを観ると、しっかりキーポジションになっていて、もしセルフプロデュースなら、これも”大正解“とうなづいてしまった。

ネタバレしたヤツ〜ダボ!


そして楽曲を全体を通してみてみると、YouTubeの音源に限界があるのかも知れないが、聴き取りにくいのは相変わらずだ。
サウンド作りも含めて、プロの方が聴いてどう判断されるのかが、今回は大いに気になるし興味がある。エレクトロで調理しようとしたが、上手く味付け出来なかったかの印象があるゆえに〜
色々な要素が組み込まれているがために、整理しきれていない印象を一人の素人としては受けたのかも知れない。
しかし、受け取り手の圧倒的大部分は“素人”なんだから、そこにどうアピールしていくかが課題なのは、今さら言うまでもないことだろう。

これからのTV番組やライブでの披露でのパフォーマンスは大いに期待したい。いや、十分期待出来るだろう。そこで、さらにより良い方向に向えば「言うことなし」なんだが、それを上手くフォロー出来るよう全くの微力ながら、つとめていきたいと思う。

ウェスレヤン・ホーリネス教団 淀橋教会

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