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美味しい日本酒②

日本酒には、純米ではない醸造酒が添加された酒がある。年配者中心にマゼモノと言って、安物の酒と思われている。しかし高級な酒でも積極的に使われる場合が近年ある。
確かに一昔前、水増しの為に使われた方法だ。その為に良くないイメージを引きずっている。しかし現在、添加される量は数パーセントに留まる。勿論、水増しの意味はない。では、その意味は?
少量の醸造酒を添加する事で、スッキリとした飲みごしを生み出すのだ。加えて香をより引立てる効果もある。高級な日本酒であれば、より上品さを増す。
しかし日本酒ファンは年配者層に偏っている。彼等は混ぜ物を嫌う。純米酒こそ本物と思い込んでいる。そこで純米酒が良い酒、醸造酒はダメな酒のイメージが浸透した。
これに対して多くの酒蔵も、純米を売りにした酒造りに偏っている。

所謂日本酒党と言われる人が、間違った日本酒の知識を広げていったとも言える。酒蔵も目の前のコアな日本酒党に抗えなかったようだ。

誤解を生むので書き加えるが、無論、純米が悪い訳ではない。あくまでも、香高くスッキリした飲み味には、醸造酒の添加が有利という事だ。

このコロナ禍の中、酒蔵は危機的状況だ。しかし市場を変えるチャンスかもしれない。本当に多くの人に支持される日本酒造りに、臨める機会かもしれない。中高年の日本酒ファンに捉われず、女性や若者に好まれる酒造りが出来るのでは?と思う。瓶やラベルのデザインも一新しても良いだろう。

前回、日本酒に親しみのない方に大吟醸をお薦めしたが、加えて醸造を添加された醸造大吟醸をお薦めしたい。
醸造とはっきり書かれているものは少ない。そこで純米大吟醸と書かれていない、大吟醸のみ表記されたラベルを探して欲しい。
恐らく、日本酒を苦手にしていた多くの方が、認識を新たにされると思う。そう願う。

日本酒の個性を彩るには、他にも麹の種類など多岐にわたる。探究するとまだまだ面白い。

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