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WEリーグの新チームはモデルにしてほしい女性カルチャー誌ELLEも伝えたAngel Cityの予告動画の衝撃

まず、下の動画を見てほしいです(音量は大きめで)。そして、立ち上がったばかりのAngel Cityのサイトのトップ動画も見てほしいです。2022年春に米国女子サッカーリーグ(NWSL)に新チームが誕生します。正式名称は今年中に発表され、現在はAngel City(エンジェルシティ)と名乗っています。

LAのための、女性による新しいプロスポーツエンターテイメントが誕生することを表現しています。あくまで「男性から見た女性像」ではなく「そのままの女性イメージ」「かっこいい女性像」です。この街にいる人の約半数を占める女性が、人種や年齢を問わず共にエンターテイメントを提供していく宣言を感じます。

日本のサッカーメディアも大きく取り上げました。

サッカーキングの記事の見出しの最初に書かれているのは、出資者のワンバック(元米国女子代表)さんの名前です。写真の掲載順はワンバックさん、ミア・ハムさん(元米国女子代表で米国女子サッカー史上最高の選手)、ナタリー・ポートマンさん、セリーナ・ウィリアムズさん(プロテニス選手)です。ナタリー・ポートマンさんのコメント「私たちは試合に勝つチームを作るだけでなく、情熱的で忠誠心の高いファン層を獲得することも目指しています。ロサンゼルスの若者のスポーツへのアクセス拡大を約束し、コミュニティにも実質的な影響を与えることを望んでいます。」を紹介しています。
実際の出資者の掲載順はサイトでお確かめください。

ELLEはAngel Cityをどのように報じたのか?サッカーキングの記事と比較してみましょう。

サッカーメディアだけではありません。このニュースをELLE(エル・オンライン)が報じました。ELLEは、一歩先行く高感度な女性をエンパワメントしていくカルチャーメディア。母体となる雑誌は1945年にパリで創設された老舗メディアで、第二次世界大戦直後から「女性の欲求を解放する」という編集アプローチで世界の女性メディアをファッションとカルチャーの分野でリードしてきました。

スポーツ界における男女の賃金格差をなくそうと取り組んできたナタリー・ポートマンさん。ロサンゼルスに女子サッカーチームを立ち上げることを明らかにした。」というナタリー・ポートマンさんのコメントが引用された記事になっています。「ナタリーはアメリカマスコミにおけるスポーツ報道全体で女子スポーツに関するものが4%しか占めていないことを知り、これを変えたいと思ったという。」・・・ナタリー・ポートマンさんは米国女子代表チームと男子代表チームとの同一賃金を求めて性差別を告発するイニシアチブ「Time's Up」にも参加していました。ELLEは、以前に「Time's Up」の活動を記事掲載していたのです。

2つのメディアでは、全く異なるアプローチがされていることがわります。このニュースは、単なる「新チーム誕生」というスポーツニュースではない大きな広がりを見せるのではないでしょうか。

LA近郊在住の日本人女性に聞いてみると驚きの声。

LA近郊在住、ハリウッドで長くCGエフェクト制作をして活躍しているほしこさん(Jリーグのビッグゲーム観戦の際には帰国する程の筋金入りのサッカーファンです)に聞いてみると、このような返事がありました。

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スポーツニュースの中で二番目くらいの扱いでした。一番はMLB(野球)で「選手やスタッフが膝をついてBLACK LIVES MATTER(黒人の命も大切だ) 運動に賛同の意思表明をした」というニュースでした。「ナタリー・ポートマンが!」というのが一番大きかったですね。

サイトや動画はめっちゃカッコよくて、このチームの立ち上げ時から地元住民として応援できるかな!?・・・と思うと楽しみなのと同時に、なんというか、イメージとかパブリシティ先行で、肝心のチームがどうなるのかサッパリわからないので、とりあえず第一報は聞いたぜ、待ってるぜ・・・みたいな感じです。

BLACK LIVES MATTER(黒人の命も大切だ) 運動の画像が使われていたり、インクルーシブになるように気をつかわれているなーと思うんですが、アジア人のプレゼンスはないな!?・・・とか。私はサッカーというスポーツ自体が好きなので、そこに魅力があって、結果として「自分のもの」になっていけばいいなーと思います。

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BLACK LIVES MATTER(黒人の命も大切だ) 運動の次に大きな扱いのニュースだったというのが米国らしいと感じます。そして、日本とは、スポーツのあり方が、また違うのかもしれませんし、米国では女子スポーツのうねりが、これまで社会に共有されていた既存の概念を大きく揺るがす存在となっているタイミングなのかもしれません。Angel Cityの全容が、いつ、どのように発表されるのか楽しみです。


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