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If ピンクフロイド

ピンクフロイドといえば、原子心母が有名で、私も大好きな曲だが、それよりももっと好きな曲は、「IF もしも」である。

「IF」は穏やかな旋律の短い曲だ。
いや、「原子心母」がものすごく長いのだが。
ロジャー・ウォーターズの歌詞がなんとも、もの悲しい。
ゆったりした曲に乗って、「もしも、~だったら。」という歌詞が続いていく。

「もしも、白鳥だったら、飛び立っていただろう。」などの歌詞に続いて、「もしも、自分が正気でなくなったら、」というような意味合いの歌詞が出てくる。
「INSANE]という言葉の意味は日本語にすると、どうなるのか。
正気でなくなったら、とか、狂ってしまったら、などと訳されることがあるが、本当はどう解釈したらいいのだろう。
常軌を逸した、愚かな、ばかげた、などいろいろな意味があるようだが、ピンクフロイドつながりで行ったら、「狂気」に近いものになるのだろうか。
ピンクフロイドを聞き始めて50年たっても、よくわからない。
みんなと違う考え方をするというようなことなのか。
人と違う行動をするということなのか。

私の頭をよぎるのは、「クリミナルマインド」の天才プロファイラーのスペンサー・リードが、統合失調症の母親から遺伝して、自分も発症するのではないかと、悩む姿。
「ER」の看護師、キャロルが躁鬱病の母親からの遺伝で自分も躁鬱病を発症するのではないかと心配し、結局弟が遺伝して苦労するというエピソード。

そして、長いこと高齢者福祉の仕事をしていた私は、かつて、朝起きたら、自分が脳血管疾患になっていて、脳に後遺症が出るのではないか、とずいぶん心配していたことがある。

しかし、歳を重ね、障害のある長女を育ててきて、今思うことは、何が起きても、どうなっても、生きていく限りは、それなりに過ごしていくのだろうということだ。

でも、もし、~だったら。
それが、いいことか悪いことか、よくわからなくても、違う生き方はたぶんあるのだろう。
「エブエブのマルチバース」みたいに。

だけど、もしもの世界で生きる私は、この私ではないのだから、考えてもどうしようもない。

だけど、やっぱり、考えてしまう。
「もしも、」




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