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まな板の上の肛門は諦めた

大腸内視鏡検査はいやなものだ。勤務先の病院で受けるなんて言語道断。お尻をみせながら同僚とどういう会話をするのだ。
あの恐ろしくまずい下剤を2リットルちかく飲むのはがまんしよう。患者さんには当然のように指示するのだから。
しかし、あの屈辱的検査着を着て肛門を差し出すなどマウンティングされてる猿の状況だ。相手が圧倒的に優位な立場にある。
不特定多数の肛門のひとつとしてこっそり検査を受けたい。ネットで少し離れた病院を探した。
受付に行くと、「あら、先生」。前の病院にいた看護師さんだ。まあ、しょうがない、世間は狭い。
屈辱的検査着に着替え、検査台にすわる。検査医師が出た来た。「あれ、先生」前の病院で研修医だった先生。こんな時「元気ですか」くらいが精一杯。
肛門を差し出す。上級医、研修医の関係が、いまはどうだ。相手は圧倒的優位な立場で、「力を抜いてくださぁい」「口開けてゆっくり呼吸してぇ」なんて指示してくるのだ。マウンティングされた老猿は若猿に従順に従うしかないではないか。


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