見出し画像

COVID-19で大人は重症化、子どもは軽症化の理由は?

成人よりも小児の方がCOVID-19の重症化する可能性が低いとよく言われていることですが、その理由について免疫が活発、血管のきれいなことを指摘した論文があります。

第3波が襲いかかり、誰でもCOVID-19にかかる可能性があると言える時代になりました。本当にすぐそこまで忍び寄ってきていると思うのが妥当だと日々感じております。

Zimmermann, P. & Curtis, N. Why is COVID-19 less severe in children? A review of the proposed mechanisms underlying the age-related difference in severity of SARS-CoV-2 infections. Arch. Dis. Child. archdischild-2020-320338 (2020) doi:10.1136/archdischild-2020-320338.

これはレビューという形式の論文で、いつくかの論文を合わせて議論しています。世界中で感染者数の分布を見てみますと、子どもはCOVID-19 に感染すると,症状の重症度が低くなることが明らかとなっています。特に、この論文では、子どもと大人のCOVID-19の重症度の差を説明するための因子には、大人のリスクを高める因子と、子どもを保護する因子に分けています。

こういった情報もまだまだ発展途上。これからの臨床的な情報の積み重ねで変わってくると思われます。現時点ではこういうことみたい?といったところでしょうか。COVID-19も変異していきますので、どんどん変わっていくでしょう。


大人の重症化リスク.


(1) 加齢によるに血管内皮および凝固機能の変化

(2) ACE2受容体および膜貫通型セリンプロテアーゼ2の違い(膜貫通型セリンプロテアーゼ2についてはよく理解しておりませんので、勉強したいと思います)。

(3) 既往の免疫

(4)慢免疫産生と炎症性Ag

(5) 併存疾患の有病率

(6)ビタミンDが少ない


子どもを守る要因

(1) 自然免疫と獲得免疫の違い

(2) 同時感染の頻度

(3) コロナウイルスに対する既存の免疫

(4) 微生物相の違い(これらの細菌が新型コロナウイルスの増殖を抑えている可能性?)

(5) メラトニンの量

(6) 麻疹、風疹、ムンプスワクチンなどの接種後の経過期間が短い

(7) COVID-19への暴露が少ない、