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「筑駒」の入試「社会」で「神宮外苑再開発」が出題 -AIに解答させてみた

筑波大学附属駒場中・高等学校(通称、筑駒)が、2024年2月3日におこなわれた社会科の試験で、明治神宮外苑地区の再開発計画に関する問いを出題した。タイムリーで社会問題にもなっているトピックが入試問題になるという興味深い出来事について、記録もかねて遊んでみた。
この記事末尾に、この件をとりあげたメディア記事と、入試問題をつけておきます。
注:下記記事はあくまで解答をそのまま記載したものです。

AI(ChatGPT-4)の解答

文化的資産の破壊と生物多様性の喪失
※Web Accessなし

AI(ChatGPT-4)の解答

【参考】Z会エクタス栄光ゼミナールの解答速報

名門学習塾の解答。

(例1)同じような緑豊かな森林をまたつくるには,長い年月が必要になるから。(30 字)

(例2)長い期間で計画的につくられた森林で,都市環境や生物多様性の面でも重要だから。(38 字)

Z会エクタス栄光ゼミナール 2024 筑波大学附属駒場中 社会 模範解答より

AI(ChatGPT-4)に問題文に関して質問してみた

明治神宮と神宮外苑の違い

You
このテキストから読み取れる、明治神宮と神宮外苑の違いを簡潔に説明してください。

ChatGPT
明治神宮と神宮外苑は、それぞれ異なる特徴と目的を持つ二つの施設です。明治神宮は主に宗教的な施設が集まる内苑で、明治天皇を祀る神社として知られています。一方で、神宮外苑は明治神宮の外側に位置し、スポーツ・文化施設や緑地、公園などから成る広範なエリアです。外苑は、都市のレクリエーションと文化活動のための場所として機能し、いちょう並木や神宮球場などがあることで知られています。また、外苑は明治天皇とその皇后、昭憲皇太后のご遺徳を永く後世に伝えるために、全国国民からの寄付金と献木、青年団による勤労奉仕により創建されました。このように、明治神宮と神宮外苑は、共に明治天皇を記念して創建されたものの、その機能と位置、目的において明確に区別されます。

テキスト中のイコモスの指摘について

You
このテキストに、イコモスの指摘がでてきますが、このイコモスの指摘は史実と照らし合わせて正しいものでしょうか。

ChatGPT
イコモス(ICOMOS、国際記念物遺跡会議)の明治神宮外苑再開発計画に対する指摘は、その歴史的・文化的価値を重視する立場から出されたものであり、史実と照らし合わせても正当な懸念を示していると言えます。イコモスは、ユネスコの諮問機関であり、世界遺産の保護と保存に関する専門的な意見を提供する組織です。明治神宮外苑の再開発計画に対して、イコモスが中止を求める文書を公表したこと【1】、再開発が歴史的・文化的遺産を破壊するとして重大な警告を発したこと【2】、事業者側の見解に対して「事実とかけ離れている」と反論するなど、イコモスの懸念は環境影響評価の不備【6】や外苑の生態系への影響【4】を含む複数の点に及んでいます。

これらの指摘は、明治神宮外苑が持つ文化的資産としての価値と、その保存の必要性に基づいています。明治神宮外苑は、都市化や開発の波にもかかわらず、東京都心における重要な緑地としての役割を果たしてきました。また、その歴史的背景や文化的意義は、多くの人々にとって貴重な遺産です。イコモスの指摘は、これらの価値を損なう可能性がある再開発計画に対する深刻な懸念を反映しており、史実を踏まえた正しい評価と言えるでしょう。

Sources

【1】nhk.or.jp - 明治神宮外苑 イコモスが再開発の中止求めた文書の内容とは?
【2】cptogidan.gr.jp - 神宮外苑再開発に係る 都市計画決定・環境影響評価を見直し
【3】asahi.com - 神宮外苑再開発、「森」巡り応酬 イコモスのアラートに事業者が...
【4】gqjapan.jp - 「神宮外苑の再開発は、人工物を減らし緑豊かな当初の姿に...
【5】youtube.com - 「杜撰で非科学的な環境アセスに基づいた開発を... - YouTube
【6】tokyo-np.co.jp - 環境アセス評価書は「明らかに調査不足」 日本イコモスが事業...

筑駒の「神宮外苑再開発」入試問題をとりあげた記事

筑波大学附属駒場中学校の2024年度
社会問題 大問【2】

【2】つぎの文を読んで、あとの1から7までの各問いに答えなさい。

 あなたは、東京の港区、新宿区、渋谷区にまたがる明治神宮外苑地区の再開発計画について耳にしたことがあるでしょうか。老朽化したスポーツ施設を場所を移して建設するほか、高さ20メートル近くの高層ビルの建設が予定されています。これにあわせて、外苑一帯に広がる木の伐採と移植も予定されています。有名ないちょう並木は伐採されないものの、隣接する場所に新野球場が建設されることになります。この再開発をめぐっては、地域住民だけでなく、音楽家の坂本龍一さんや作家の村上春樹さんら多くの著名人も反対を表明し、話題となりました。さらに、文化遺産の保護などに関する国際的な活動を行っているイコモスも、再開発を認めた東京都や事業者に対して計画の取を求めました。イコモスは、神宮外苑を日本が国際社会にほこる「近代日本の公共空間を代表する文化的資産」と評価し、再開発によりいちょう並木が存続の危機に陥ると指摘しています。厳かな神社の境内として国費でつくられた明治神宮内苑に対して、外苑は人々に開かれた憩いの場として国民からの献金と献木でつくられました。外苑は、いちょう並木だけでなく、芝生広場や聖徳記念絵画館、その背後に広がる常緑広葉様の森までを含めて一つの景観をつくりだしています。
 イコモスの指摘の背景には、かつて文化庁がこのいちょう並木を文化財として保全すべき名勝の候補の一つに挙げたことがあります。文化財としての名勝に含まれる庭園や公園には様々な時代のものがありますが、明治時代以前につくられた庭園や公園に比べ、明治時代以降につくられたものは、都市化や再開発によって失われてしまう可能性が高くなっています。そこで文化庁が、近代の庭園や公園などのうち名勝候補の一覧を示し、保全をうながしました。明治神宮内苑も、近代的な林学や造園学などを用いてつくられた人工林であることが高く評価されて名勝候補となっており、文化庁は、長い時間をかけてつくられた内苑と外苑とを合わせて保全することの意義を指摘しています。
 明治神宮は、明治天皇をまつる神社で、初詣のときだけでも毎年約300万人もの参拝者が訪れています。1912年に明治天皇が亡くなったのち、東京の政治家や実業家たちは、明治天皇を祭神とする神社を東京(代々木・青山)に建設するよう政府に求めました。すると、東京のような都市環境では、神社に欠かせない等の森はつくれないと批判の声があがりました。当時、鎮守の森に必要なのは、木材としても広く使われるスギやヒノキといった針葉樹であると考えられていましたが、これらの木は健康に対する抵売力が弱いことも知られていました。東京や大阪などの都市部では、この時期の急速な都市化と工業化の中で、石炭の不完全燃焼で生じる葉により、針葉を中心とする森林が維持しにくくなっていたのです。それでも、明治天皇とのつながりなどを理由に、代々木に本殿など宗教施設をおく明治神官内苑をつくり、青山には人々に開かれた空間としての明治神宮外苑をつくることが決まります。そこで、鎮守の森を一からつくるために様々な議論がなされ、時間の経過とともにスギやヒノキなどの針葉を中心とする森から、カシやシイ、クスなど常緑広葉を中心とする森に移り変わっていくという種栽計画が立てられました。つまり、長い時間をかけて都市環境に耐える緑豊かな永遠の森をつくり出そうとしたのです。こうした植栽計画とともに明治神宮の造営は進められ、1920年に創建の式典が行われました。その後、外苑の整備は一体的な景観を重視して計画的に進み、いちょう並木や絵画館がつくられ、野球場は景観をそこなわない場所に建てられました。このようにして1926年に外苑は完成しました。
 明治神宮がつくられてからおよそ100年がたちました。近年行われた内苑の生物総合調査では、オオタカをはじめ3000種もの多様な動植物が発見されており、外苑の森とともに大都市の中で生物多様性を支えていることがわかっています。それだけでなく、明治神宮は都市防災の機能もはたしており、例えば東京が空襲に見舞われた際には、その被害を受けて社殿は焼失しましたが、森はほとんど焼けませんでした。現在でも東京都は明治神宮を避難場所に指定しており、大規機災害が発生した際には外苑だけでも8万人以上の避難者が想定されています。また、明治神宮内外苑は、ともに都市景観に美しさをもたらしてきました。いまの開発計画に必要なのは、より長期的な視点から価値を見直すことなのではないでしょうか。そのうえで、つぎの100年に向けてこの価値ある場所をどのように受け継いでいくことができるでしょうか。

(注:1〜6は省略します)

7 明治神宮内外苑100年の歴史をふまえ、再開発計画に反対する立場からの主張の根拠を考えて30字程度で書きなさい。


インターエデュサイト内の 筑波大学附属駒場中学校の2024年度社会問題 大問【2】より


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