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周期的な成長

成長期に毛髪が伸長するのは毛乳頭細胞によって毛母細胞の増殖が行われるためです。その細胞増殖は、さまざまな増殖因子によって促進され、反対に抑制されることもあります。 

増殖因子

 毛髪の伸長に関係する増殖因子は毛乳頭細胞から分泌されることが知られており、特定の成長因子を過剰発現させると、毛包の周りにある毛細血管の発達を伴って毛幹が太くなります。
 このことから、増殖因子の作用は毛母細胞だけでなく血管の細胞や毛乳頭細胞などにも影響することがわかり、毛髪の成長は複合的な要因によって起こると考えられます。

毛周期調整

 毛髪は休止期に入ると、毛母や上皮細胞の細胞死を起こしてしまいます。 退行期毛包にはTGF-βという増殖因子の受容体が発現していることなどから、この増殖因子が細胞死を引き起こす要因となっていることがわかります。
 またマウス実験において、FGF-5という別の増殖因子の働きを抑制することで成長期を維持することができるため、成長期の終わりも増殖因子によって起こると考えられています。

参考文献

出田立郎、田島正裕、ほか著”白髪・脱毛・育毛の実際”エヌ・ティー・エス2005

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