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●東京にあった二つの「ソウル・トレイン・カフェ」

●東京にあった二つの「ソウル・トレイン・カフェ」

【There Were Two Soul Train Café In Tokyo Back In The Days】

(上記ロゴは、江守藹氏制作のドン・コーネリアス公認のソウル・トレイン・カフェのもの)


本記事は最後まで無料で読めます。

(本作・本文は約5000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ10分から5分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと17分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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●東京にあった二つの「ソウル・トレイン・カフェ」

【There Were Two Soul Train Café In Tokyo Back In The Days】

ふたつ。

『サマー・オブ・ソウル』を編纂キュレート監督したクエストラヴが、この「ハーレム・カルチュラル・フェス」のものと知らず、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの映像を見たと、町山智浩さんの番組『アメリカの今を知るTV』(2021年8月26日放送、BS-テレビ朝日)のインタヴューで言っていた。その中で、自分のグループ、ルーツで日本に初めて来た1997年、通訳の人が自分がソウル・ミュージックを好きだというので、「ソウル・トレイン・カフェ」という店に連れてってくれた。そこのモニターでスライの映像を見た、と言っていた。それから20年後、映画のプロデューサー、デイヴィッド・ディナーステインとロバート・フィボラントから「ハーレム・カルチュラル・フェス」の映像を見せられ、あれがこの映像だったと知ったという。

町山智浩のアメリカの今を知るTV With CNN #162
15,887 回視聴2021/09/02


https://www.youtube.com/watch?v=K3lIRAGcsJM
【2分33秒あたりから】

ここで、クエストラヴは「ソウル・トレイン・カフェ」という店名を言っている。日本のソウル・ミュージック・シーンに詳しい人でも、実はあまり知られていないのだが、「ソウル・トレイン・カフェ」という店はふたつあった。

最初は1990年代初期から後期にかけて港区芝浦(海岸)の鈴江倉庫にあった「ソウル・トレイン・カフェ」という店で、ここにはライヴ・バンドが入っていた。テレビ・モニターも多数あった。ところが、この「ソウル・トレイン・カフェ」という名称は、ドン・コーネリアスの「ソウル・トレイン」とはまったく関係なく、「ソウル・トレイン」という名は勝手に使っていた。当初は問題にはならなかったが、やはり、それが本国のソウル・トレインの知るところとなり、また、本家が「ソウル・トレイン・カフェ」を東京にオープンすることとも重なったのか、クレイムが行き、同店は店名を「ソウル・スター・カフェ」と変える。僕も、その名前を変えたのは知っていたが、正確にいつ「トレイン」が「スター」になったのか、覚えていない。

そして、正規のドン・コーネリアスの方の「ソウル・トレイン・カフェ」が1999年8月に江東区お台場にオープンする。これは、アメリカのドン・コーネリアス・プロダクションと正式にライセンス契約をして、お台場のパレットタウン内に大々的に開店、ここにもテレビ・モニターはたくさんあった。これを持ってきたのは、我らが江守藹さんだ。ちょうどこの時期、「ソウル・トレイン」プロジェクトが動いており、その流れで、Jウェイヴで「ソウル・トレイン」という深夜の生放送番組が始まった。DJリューはこの番組のDJですっかり人気者となった。これは1999年4月から2005年9月まで6年半続いた。ちなみに、お台場の「ソウル・トレイン・カフェ」は2002年2月に閉店。芝浦の「ソウル・スター・カフェ」もその前後で閉店した。

クエストラヴが1997年頃初来日したと言っているので、この時期だと、港区海岸のほうの「ソウル・トレイン・カフェ」と思われる。どちらの店もモニターが多数並び、ソウル・ミュージシャンのライヴ映像を見せていたので、どちらも可能性はあるが、お台場の正規の「ソウル・トレイン・カフェ」だとテレビの『ソウル・トレイン』の映像が流れる割合が多く、いわゆる当時としては海賊版だった「ハーレム・カルチュラル・フェス」の映像が流れていた可能性は低い。海岸の「ソウル・トレイン・カフェ」が正確にいつオープンし、いつ名前を「ソウル・スター・カフェ」にし、そしていつ閉店したのかは定かではない。ただ1999年8月にお台場がオープンする時点までには、名前を変えなければならなかったはずだ。

クエストラヴがこの「ソウル・トレイン・カフェ」でスライのライヴ映像を見たという話は、日本のメディア向けのちょっとしたサーヴィスでもあったのだろうが、実際そこで見たことを覚えていて、20年後にそれが「ハーレム・カルチュラル・フェス」のものだとわかったときには、それは驚いたことだろう。

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ちなみに、1970年代以降、日本にも「ソウル・トレイン」というディスコが複数あった。

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映画『サマー・オブ・ソウル』に関するあれこれの記事、まとめました。映画をご覧になった方はじっくりごらんください。まだの方も、見ようか見まいか迷われているようだったらぜひどうぞ。

① 映画できるまでの詳細→

2021年8月27日日本公開・映画『サマー・オブ・ソウル』~1969年から2021年~アンド・ビヨンド、ハーレムの過去現在未来という点を繋いだ傑作(パート1)
2021年7月20日
https://bit.ly/3ys8KmY


https://note.com/ebs/n/nfd09d22b8e2d

②『サマー・オブ・ソウル』(パート2)~黒人受けしていなかったフィフス・ディメンションの憂鬱
2021年7月25日
https://bit.ly/3DnvhVl


https://note.com/ebs/n/ncf386b980417
 
③ザ・トラッド2回目聴取感謝~『サマー・オブ・ソウル』を立ち上げた白人ニューヨーク市長、ジョン・リンゼイはなぜ黒人の心をつかんだのか
2021年8月25日


https://note.com/ebs/n/n4b2b92880966
https://bit.ly/3El9deI


映画『サマー・オブ・ソウル』は、1969年のカルチャーがすべて飛び出てくるタイム・マシーン
AUG 27, 2021

https://otocoto.jp/column/summer-of-soul0828/


https://bit.ly/3EoBjG6


『サマー・オブ・ソウル』いよいよ公開開始~セットリスト公開
2021年8月28日


https://note.com/ebs/n/nf65bb02036b8
https://bit.ly/3zgpded

⑥『サマー・オブ・ソウル』(パート5)~登場アーティストたちはその時何歳だったか
2021年8月31日

https://note.com/ebs/n/nc547825fc3bc

https://bit.ly/3EhR4ym

⑦初ドミューン、視聴感謝~『サマー・オブ・ソウル』について語りました
2021年9月3日
https://note.com/ebs/n/n39c2b180236e

https://bit.ly/2XmJ26s

そのドミューンに出演した際の音声ファイルが、下記にフルであります。

3 (音声ファイル)ポッドキャスト (約1時間)
10-3【サマー・オブ・ソウル大百科!!<世界史編|前半>】大ヒット御礼!!! 驚愕の4時間キャスト!! 「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」公開記念SPECIAL!!●出演:吉岡正晴、みのミュージック、宇川直宏【Week1:MUSIC ENCYCLOPEDIA】
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4(音声ファイル)ポッドキャスト (約1時間)
10-4【サマー・オブ・ソウル大百科!!<世界史編|後半>】大ヒット御礼!!! 驚愕の4時間キャスト!! 「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」公開記念SPECIAL!!●出演:吉岡正晴、みのミュージック、宇川直宏【Week1:MUSIC ENCYCLOPEDIA】
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その他、『サマー・オブ・ソウル』関連記事。

第1報
1969年ブラック・ウッドストックの記録映像『サマー・オブ・ソウル』全米で2021年7月2日公開、日本公開も決定
2021/04/30


https://note.com/ebs/n/n1af90ab277cd

第2報
『サマー・オブ・ソウル』6月19日~ジューンティーンス・デイにマーカス・ガーヴェイ公園で無料試写会開く~その後ライヴ配信も
2021/06/19


https://note.com/ebs/n/nd01ae0952cbd

第3報
『レディオ・ディスコ』で『サマー・オブ・ソウル』を紹介
2021/07/04


https://note.com/ebs/n/n39a676f9eae2


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