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Implementing SAFe® を受講しました

先月、2023年5月に SAFe® (Scaled Agile Framework®) のトレーニングコースの1つである「Implementing SAFe®」を受講し、認定試験に無事合格しましたので、忘れないうちに記録を書いておこうと思います。
なお、大前提として私は SAFe を実践で使ったことのない完全初心者です。あと、以降は ® マーク省略します。

Implementing SAFe とは?

大規模アジャイル開発フレームワークである SAFe (Scaled Agile Framework) のトレーニングコースのひとつで、リーンアジャイル変革リーダーになりたい人のためのコースとされています。

Implementation Roadmap (SAFe 実装ロードマップ)では、「Go SAFe」すなわち SAFe やるぞ!ってなった次のステップがリーンアジャイルチェンジエージェントのトレーニングとなっており、このタイミングで、変革の中心となるメンバーに対して本研修の受講が推奨されています。

なぜ受講したのか?

そもそもなんで SAFe なのか

私は先述のとおり、まだ SAFe を実践していません。
しかし、近い将来ある程度の規模の開発はアジャイル実践の視野に入れたいという計画があり、推進組織として先回りして情報や知識を集め、ガイドラインを作成する必要がありました。(まずガイドライン、の文脈についてはスクフェス福岡の登壇参照ということで)

そこで、大規模アジャイルフレームワークをいろいろ検討した結果、既にある巨大組織の中でどのように大規模アジャイル開発を実践するかについて、実践部分だけでなく変革の進め方や予算の考え方までフレームワークに組み込まれている点が弊社には馴染みが良かろうということで、SAFe を学ぶことになりました。

研修を受講しよう

では、どのようにして学ぶか?
SAFe はスクラムのように書籍等の情報は豊富ではありません。公式サイトが充実していて、かなり多くの内容を公式サイトから学ぶことができるのですが、初学者としては逆にどこから手をつけたら良いか全くわかりませんでした。
となると手っ取り早いのはやはり公式の研修をちゃんと受けること、という流れで、今回の受講に至ったわけです。

SAFe のトレーニングは沢山あります。
今回は、SAFe の全体像を把握したかったのと、SAFe に詳しいアジャイルコーチから「企業の最初のひとりがまず資格取るなら SPC!」とお薦めされたので、Implementing SAFe を選びました。

※ Implementing SAFe のコースを終了すると、SAFe Practice Consultant (SPC) の受験資格が得られ、SPC を取ると(所定の手続きと試験パス後に)いくつかのトレーニングコースの講師資格が得られます。

どんな研修だったか

コースは5日間あり、9:00〜17:30までオンラインで実施されました。
2年前に同コースの話を聞いたときには英語授業(試験も英語)しかなかったため、かなりハードルが高かったのですが、昨年?から日本語も提供されるようになっています。ハッピー!

研修の内容についてはあまり詳しくは公言できないのですが、一つ言えることは「とにかくボリュームがすごい」。
公式サイトの情報量からなんとなく予想はしていましたが、350ページ近いテキストを5日間でやる(もちろんそこそこグループワークもある)ので、スピードが早く、とにかく頭フル回転でした。
同僚には1週間まるまる日中は研修だから、急ぎの仕事は夜に対応するね〜なんて言ったけど、夜にそんな力残ってる訳ねーだろ!いい加減にしろ!と毎日自分にキレてました。

また、5分などの短いワークが頻繁にありました。
学んだ内容ですぐ手を動かしたりディスカッションするので、学びが深まり、5日間なんとかついていけたのだと思います。

余談ですが、実は研修の同じグループに、今一緒にお仕事をしているアジャイルコーチの同僚さんがいらっしゃったそうで、研修後の仕事中に
「烏帽子さんの研修中の様子、いろいろ聞いちゃいました〜うふふ」
と言われたのが最大の地獄でした。
私が全体発表の場でうっかり関西人の血が騒いでひと笑い取っちゃったことも、あの様子だと知られてしまったようだな…

研修からの気付き

しみじみ思ったのは、以下2点でした。

  • SAFe ちゃんとやるの難しすぎてェ…

  • リーンアジャイルリーダーって、大変だなァ…

SAFe 難しすぎてェ…

研修前からわかってたことなんですけど、SAFe ってほんとにいろんな要素が入ってるんですね。大前提として繰り返し強調されたコアバリュー、プリンシプル、それを支えるマインドセット、そしてデザインシンキングだとか予算編成なんかの個別プラクティス。
ひとつひとつを実践するだけでも難しいのに、それらが束になって襲ってくる感じ。開発はスクラムでやりますったって、スクラムがまず難しいんだよなぁ…と何回天を仰いだかわかりません。
それだけ大規模にアジャイル開発やるのは難しいということなのですが、改めて全体を俯瞰すると途方もない道のりであると再認識しました。

アジャイル変革大変すぎてェ…

これは、CAL を受講したときにも同じようなことを感じました。
自分一人じゃ全然ダメだ、仲間が必要だ。そして、それと同じかそれ以上に、この組織を変えようと思ったらエグゼクティブ層とどう協調できるかなんだ。
研修の中で、変革に対する責任は他の誰かに丸投げはできない、エグゼクティブ自らが変革させていかなければならないと述べられていて、
この辺りが自分にとって目下一番大きなチャレンジになると考えています。

研修受講後には試験が待っている

そんなこんなで5日間のコースを修了すると、どうなる?
知らんのか、SPC (SAFe Practice Consultant) の受験が可能になる。
というわけで、SPC 認定試験は30日以内であれば無料で1回受けることができ、不合格の場合は再受験が可能です。(要再受験料)

これも詳しくは言えませんが、、、試験は結構難しかったです。けっっっこう、難しかったです。(ニュアンス)
全般知識を問うだけの単純な問題ではなく、本当に細かいところまで、理由も含めて理解しておかなければ回答できません。そりゃこの資格を取ったら一部のトレーニングの講師になれるってくらいだから、当然の難度ですよね…

勉強の際は、公式サイトがすごく頼りになりました。
初学の時は情報量多すぎて逆に分からん!と思っていましたが、研修受講後は一番頼れる情報源でした。動画教材も多くあるので、ほんとによくよく勉強してから挑んだほうが良いと思います。

私はほぼ初学から研修受講→試験だったので、30日の期限の前日まで勉強してから受験しましたが、既に SAFe 実践経験があったり、SAFe Scrum Master など他の資格を持っている方なら、ここまで大変じゃないのかもしれません。

おわりに

かなり高額な部類の研修ですが、非常に学びの多い5日間でした。
SAFe をそのまま自社で採用するか/できるかはこれからのチャレンジですが、学んだひとつひとつのエッセンスは今の自社にすぐにでも適用できるものでした。

大企業文脈でのアジャイル導入で困っている方にはヒントが多いのではないかと思います。

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