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コロナ総括❹「中国からの全面入国禁止」はしなくて正解

確率的に2月の来日中国人の感染者は1名未満!


感染拡大初期の政府対応への強い批判としては、「なぜ中国からの渡航を全面禁止にしないのだ!」というものがある。こうした声は、普段ならあまり相いれない識者から同じ意見が出ていたのが興味深い。
まず、リベラル側としてはテレビ朝日局員の玉川徹氏の以下のような発言だ。
「新規の発生数は、武漢以外の所の新規の患者のほうが上回っていく可能性がある。いま、武漢からは一般民間機が日本に飛んで来ないが、武漢以外の所からは当たり前に日本に飛んできている。そういう形で、どんどんどんどん入って来る」(モーニングショー、1月30日)
「1月の末に僕は中国からのビザを停止した方がいいって言っていたんですね。それからすると1カ月以上、経っているんです」(モーニングショー、3月6日)
この意見に呼応したのが、高須クリニック院長の高須克弥氏だ。
「中国からの入国規制をメディアで一番声高に言っていたのは間違いなくモーニングショーの玉川さんですあの頃は自分もそれはやりすぎ、 深刻に考えすぎだと思っていたぐらいでした」(ワイドナショー、2月23日)
このほかにも、コロナの女王こと岡田晴恵氏や、作家の百田尚樹氏など影響力のある論客が加わり、この批判はメインストリームになっていく。
ただし、この話はデータ的にはあまり納得がいかない。
まず、中国は1月25日付で「1月27日からの団体旅行」での海外渡航を禁止にする。その結果、2月の訪日は前年比-88%の8万7220人まで減っている(入管発表)。一方、日本政府は1月31日に「武漢を含む湖北省」からの入国を拒否すると発表している。つまり、2月の訪日中国人は湖北省以外からとなる。

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