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【エゴと一途】に耽る考察





みなさまお久しぶりです。

今回も久々にWESTの楽曲の個人的なストーリー考察をしていきたいと思います。


本日行う考察は、最高のユニット曲

エゴと一途

です!



本当はPOWERツアーが終わったタイミングからポチポチ書き始めていたのですが、中々進まず…

つい最近YouTubeで公開された新曲、『絶対絶命』を観て、神からエゴいちの考察をしろとお告げをされたような気分になりました(?)


ということで本日は、エゴと一途の歌詞に沿ってストーリーの考察をしていきたいと思います!










そう どうにか隣にいたいなど
とっくに 望んじゃいないよ そういうもんさ
身勝手に 理想系のディテールを描いて
思い出は嘘並べて作っていく



隣にいたいという思いを「とっくに」望んじゃいない
と言っているところから、お相手の方とは長く関係を続けているが、常に隣にいてくれる存在ではないことがわかります
この時点で訳アリな関係性だと伺えますね

身勝手に理想系のディテールを描いて の『理想系』は、この女性が望んでいるお相手との日常だと思います

そのディテールを身勝手に描くというのは、彼と過ごす自分の理想の日常を妄想している、ということ

そして本当はそういう日常で彼との思い出をいっぱいにしたかったが、常に隣にいてくれるような関係には変化しなかった

しかし彼を愛している気持ちは本物だから、今までの理想と離れた現実の思い出も、幸せだと自分に嘘をついて言い聞かせているんだと思います


私はこの冒頭の歌詞の部分から、主人公の女性はお相手にとっての[都合のいい女]だと考えています
しかもそれを彼女自身もわかってるという…



エゴと一途の境目を いつ見失ったかわからない
「見返りなど求めぬもの それこそが愛だから」



エゴと一途の境目、これとても難しいですよね

そもそも『一途』とはひたむきであることで、主に恋愛ではお相手のことをずっと思い続けるというニュアンスがあります
一方『エゴ』とは利己主義のことで、他人のことは鑑みずに自分の利益追求をする行動や考えを指します
自分勝手とも言い換えられますよね

似たようなニュアンスの言葉なのに『一途』はポジティブなイメージ、『エゴ』にはネガティブなイメージがあります


この曲における『一途』は、都合のいい女であることを自覚しつつも、いつ会えるかわからない大好きな人を思い続けること

『エゴ』は、彼にも日常があることを知っていても、私の隣で過ごす日常が当たり前になり、私だけのものになるよう願うこと

つまりこの女性は、彼の都合のいい時にしか会おうと声をかけてくれない中でも、今まではひたむきに彼を思い続け待っていた
でも心のどこかで彼が常に隣にいる世界を妄想していることに気づいて、自分は彼との関係を進展させたい思いがあることに気づいてしまう

いつからただ真っ直ぐに待つだけの気持ちじゃなくなってしまったのかわからない、というのが『エゴと一途の境目を いつ見失ったかわからない』だと思います


そして括弧で括ってあるセリフのような歌詞
エゴと一途の中には括弧の部分が幾つか登場するのですが、その部分はいずれも本心ではないけど自分に言い聞かせている言葉 だと思っています

なのでこの一番の括弧は、エゴと一途の境目を見失ってしまった彼女が「この関係はなにも望んでいないし、だからこそ彼は私のところに来てくれているんだ」と言い聞かせています

つまり、「見返りなど求めぬもの それこそが愛だから」も実際に言ったセリフではなく、彼との関係を進展させたいが、ひたむきに思い続けるべきという気持ちの狭間にいるもどかしさから自分を押さえつけるように放った言葉だと推測します



This is love in isolation 届かなくていい
いつまでも見つめていたいだけだ 終わりは見えないの
I don't need any conversation
いつかの声を徒に慰めの当てにして また「愛」に耽る



love in isolation、これは直訳すると孤立した愛です
つまり、この部分は
彼との関係は独り占めできるものじゃないの
と私は意訳しておきます

だからこそ彼に触れることができなくてもいい
ただずっと一緒にいたいだけで、私が見つめていられればそれでいい(私を見てほしいとは言わない)だからこの関係性を変えようとは思っていないよ

ということですね
だんだん想像して胸が苦しくなってきます


私はここの『終わりは見えないの』は終わりをあえて見ようとしていない、と捉えています
関係が終わるなんてそんなこと選択肢に無いよ、ということですね

二番ではまたちょっとニュアンスが変わっていきます


会話はいらない
つまり何か新しい言葉が欲しいわけじゃないから、会えた時に言ってくれる嬉しい言葉や優しい声を思い出しながら「また会いにくるよね」って自分を慰めるんです それが何の意味のないだとわかっていても
そして意味のないことを繰り返しながらまた愛に熱中していく

『徒(いたずら)』というのは

存在・動作などが無益であるさま。役に立たないさま。むだ。

デジタル大辞泉

という意味があります

悪戯(いたずら)は悪ふざけという意味なので、漢字一つとっても凄く考えさせられる構成になってますね

そしてこのサビに出てくる「愛」もこのように括弧が付いています

前述したように私は括弧内の言葉を言い聞かせている言葉と考えているので、彼女自身もこの現状が果たして愛の籠った関係性なのかどうか本当は疑問に思っている、と考えています



つまんない漫画に 挟んだ栞が
積み上がって見えなくなったって どこかで続きを気にしている



この部分は急に抽象的になります

この部分も完全に自己解釈ですが、彼女が彼との恋愛を漫画に重ね合わせている描写だと思っています

漫画は普通面白ければ一気読みができてしまうもの
つまんない漫画も辞めようと思えばそこでサヨナラできるのに、ここでは栞をわざわざ挟んでいます
栞を挟むのはいつか続きを読もうと思っているから、つまんない漫画(進展しない恋愛)とわかっていてもそれに見切りを付けられずまだ繋ぎ止めているんですよね

この女性は踏ん切りがつかないんでしょうね

そして積み上がって〜の部分は時間の経過を表していると思います
どんなに時間が経っても、あの時栞を挟んだつまんない漫画はこれから面白い展開に進展するのでは?と期待しながら気にしているのでしょうかね

でも時間が経つたびに高く積み上がってしまうので、どんどんその栞を挟んだ漫画を手に取ることも難しくなるし、その先を自分から進めることもできなくなるという…



エゴと一途の境目に 今更気づいても戻れない
「わたしだけはあなたのこと 信じるって決めたから」



一番ではいつ見失ったかわからなかったエゴと一途の境目
彼女は、この先彼との関係がもっといい方に転ぶかもと期待したその時がエゴと一途の境目だったんだと気づいてしまいます

しかし彼女はもう関係を進展させたいと妄想までしてしまっているので、それを思う前のただ一途に待っていた自分には戻れないんです

そしてわたし“だけは”という部分から、全世界の人から何を言われても私は味方でいるよという執着のようなものを感じ取れます

一番の歌詞から追っていくと、もうこの時点で心境の変化が伺えますよね

だんだんと独り占めしたい気持ちが膨らんできてしまっています



This is love in isolation 届かなくていい
いつまでも見つめていたいだけだ 終わりは見えないの
I don't need any conversation
かすれた声で無理矢理な言い訳を口にして また「愛」に沈む



この部分も一番に似ていますがニュアンスがちょっとずつ変わっていると思います


最初の部分は、

独り占めできる関係じゃないから届かなくていい
私が彼を見つめていたいだけだから見返りはいらない
しかしこの関係が進退するかの終わりも見えないの

というように捉えられます

一番の『終わりは見えないの』で記述した通り、この二番の部分は関係性が進むか、終わるかする終着点はどこにあるの…ともがいているように思えます

そして、
もう会話もしなくていい
自分でも、もうひたむきに彼を待つことなんてできないとわかってるのに、これ以上彼との理想の日常の妄想をしないよう様々な理由を言い聞かせて彼からの連絡を待っている、となります

かすれた声な時点で彼女が無理をしている状態なのがわかりますよね
「独り占めしたいなんて思ったら彼から見限られるよ」「不安な気持ちなんて持っちゃダメ、この世で私しか彼のことを信じてあげられないのよ」
とか、胸の奥底にある本心が出てこないように今無理やり蓋をしている状態なんでしょうね



指先がなぞる唇
うだるようなロづけを
気づいたの わたし本当はあなたのこと 独り占めする夢見てる



ここは久々に彼と会った描写かなと思っています

先ほど無理をしてまで本心に蓋をした状態だったのに、また私を求めるように熱気のあるキスをされたら蓋が外れて沸騰してしまいます

この時彼女は隠していた本心が爆発してしまいます
彼と本当はずっと一緒にいたいし、その日常を手に入れたいんだと…



This is love in isolation 忘れなくていい?
気づいてる届きやしない だけど終わらせられないの
I don't need any conversation
いつかの声を徒に慰めの当てにして また「愛」に耽る



ここからは殻を破って本心を自分にぶつける覚悟を決めた描写になります


独り占めできる関係じゃないのはわかってるけど今まで過ごした時間も、妄想の中の思い出も忘れなくていい?
何をしても私の理想には届かないけど、別れを切り出せるわけじゃない

ここのポイントは、『終わらせられないの』になっているところです

今までずっと『終わりは見えない』いうフレーズでした
ここでは自分から“終わらせる”ために一歩踏み出したが、やっぱりお別れを告げられないと葛藤しています

そして、
もう言葉はなにもいらない
無意味とわかってるけど、まだ私に期待をさせる言葉をかけてくるから、それを思い出しながら別れられない自分を慰めて今日も彼を待っている

と続くわけです

この慰めばかりの愛にまだ熱中してしまうのは、ある意味自傷行為な気がしてきますね

一途な時に戻れなくなってしまった自分への懺悔でしょうか…



This is love in isolation 届かなくていい
いつまでも見つめていたいだけだ 終わりは見えないの
I don't need any conversation
かすれた声で無理矢理な言い訳を口にして また「愛」に沈む



このラストは今までのサビのフレーズがそのまま出てきます
ですが、一番から二番で心境が変わっていたように、ラストも意味が変わっていると私は考えています


まず、私は最後のこの畳み掛けで一種の恨み節のような、地獄まで一緒に行こうじゃないかというような気迫を感じました

なので、少し狂気のこもった解釈を私はしています


進展のないこの関係ではもう、彼の気持ちは私は知ったこっちゃない 届く必要がないの
一方的に私が見ていたいだけだから一緒にいさせて
どこへ行ったって私と彼の縁が切れることはないの
言葉はかけてこないで
彼との関係を終わらせない理由を無理やり作ってどこまでも沈んでいくから


最後を一気に考察するとこういうストーリーになりました

彼女は最終的に、自分を不安にさせ都合のいい時に誘ってくる彼をまだ愛している『一途さ』と、彼の都合は考えず私が彼とずっと一緒にいたいから独り占めさせてと考えている『エゴ』の二つを曝け出したんです









結局状況は何一ついい方向には変わらない苦しいストーリーですが、これを踏まえてPOWERコンサートの演出を思い出すと「こういう歌を歌ってくれてありがとう…」という気持ちになります


そして、この曲を歌っているのが濵田さん、のんちゃん、淳太くんなのがすごく考えられているなと改めて思いました

というのも、私はPOWERのコンサートで見たエゴと一途の三人の表現方法と、歌い方が素晴らしいなと感動したんです


すごく抽象的で個人的な感想なんですが、

のんちゃんのエゴと一途は、愛に沈みながらも罪悪感や自責の念に駆られているという感じ

淳太くんは、この愛が先の見えないものだとわかっていても、その環境から脱さず陶酔し始めている感じ

濵田さんは、この愛に耽った同じ穴の狢同士、共犯なら一緒にどこまでも堕ちようとしている感じ


今思うとすごくエゴと一途のストーリーに忠実なパフォーマンスをしていたんだなと思いました

そういう意味では、『一途』はのんちゃんを指し、『エゴと一途の境目』は淳太くんで、『エゴ』は濵田さんなのかもしれないですね



ここからは余談ですが、これを踏まえて歌割りを見ると、同じフレーズでも表現の違いが見られて趣があります

先ほど解説した通り、エゴと一途はサビのフレーズが一番、二番、ラスサビと繰り返されますが、同じメンバーが同じフレーズを歌っていることはありません


ピンク:小瀧、紫:濵田、黄:中間


すごく大雑把な自作画像ですが、ソロで歌っている部分にメンカラのラインを引いています


考察で述べたように一番、二番のサビでも心境が違いますが、この画像を見ると
『いつまでも見つめていたいだけだ 終わりは見えないの』
の部分は
のんちゃん→淳太くん→濵田さん
と歌割りも変わっていきます


そして私の歌詞の考察の中では、この部分の心境の変化を

一番は、関係が終わることを考えていない(見ようとしていない)
二番は、現状打破の地点(ピリオド)が見えない
ラストは、一緒にどこまでも堕ちていきたい(という願望)

このように捉えています

これを私の感じた三人のパフォーマンスの印象に当てはめると、ピッタリ心境の変化と重なって面白いなぁと思いました


POWERの円盤が発売されたらエゴと一途を擦り倒したいなと思います


長い考察と余談にお付き合い頂きありがとうございました!






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