「好き」がいっぱいだと、揺らぐ。


世界には好きなものに溢れている。


本、映画、音楽、アイドル、唐揚げ、寿司、たくあん、etc……。それはもう数えきれないし、それらを愛する気持ちに格差はない。全部好きである。1番なんて決められない。


ただ、絶対的な1番がないのは、何かを極めることへの1つのネックになっているとも言える。全部好きだけど、どれも中途半端な愛情。四六時中、1つの物事に夢中にはなっていない。飽きたらもう、次のことを考えてしまう。


僕はそんな浮気性のある飽きっぽいやつだ。やりたいことはちょくちょく変わる。ときには、本気で詩を書こうかと思ったし、脚本を書いて映画を撮りたくなったし、YouTuberもやってみたくなった。まぁどれも瞬間的に思うだけで、行動に移して継続的にやり続けることはなかったけど(実のところYouTuberは友達と一時期やっていたけど、すぐにやめた)。


どれだけ好きだと思っても、熱量は分散され、常に自分の指針を揺り動かす。これを極めたいんだ、という覚悟がない。それは小説にたいしても実のところそうかもしれない。腹のどこかで、別に今書かなくてもいいでしょ、みたいな軽薄な思いがあるように感じる。
多趣味なのはいいことかもしれない。しかしその中から僕は、己の何かを残せるものを見つけることができるのだろうか。


あぁ、僕は揺れている。
新たなやりたいことが、にょきにょき出てきている。
できれば全部やってみたい。けど、全部を極められるほど、人生も気力も長くは続かない。


ほんと、残酷だ。


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