松坂大輔。

「松坂世代」という言葉がある。

なぜかは定かではないが、スポーツの世界においてはその世代の目玉となる選手、顔的存在の名前を取って「○○世代」と呼ばれることが多い。僕は1997年生まれだから、もし高校で野球をやっていたとしたら「俺はオコエ世代やねん」と自己紹介していたに違いない。

インスタでモデルのような投稿をしていたり、見るたびにバッティングフォームが変わっているオコエ選手にはそろそろ本気を出して欲しいなぁ…という話はさておき、松坂選手が厳しい状況に置かれている。

頸椎の手術による長期離脱。どれぐらい重症なのか、病名等も詳細には発表されてはいないが、以前から右手のしびれを感じていた上での手術だそうだから軽症では無いのは確かだろう。

もう正直、松坂選手の身体はボロボロだと思う。肩の手術も肘の手術も行っているし、今回の怪我から仮に復帰できたとしても全盛期のような剛速球は投げられない。「もう充分やっただろう」「引退しろ」「こんな松坂の姿は見たくない」…SNSやインターネットを覗けば案の定、否定的な意見の方が多かった。

でも、このままで終わって欲しくない。このままひっそりと引退はあまりにも寂しすぎる。

甲子園の決勝でノーヒットノーラン、デビュー戦で155km計測、WBCでMVPを取ったかと思えばイチローに「お前深いところで野球舐めてるだろ」とガチギレされたり、怪我のリハビリ中にゴルフをして球団に怒られたり…スター松坂大輔であるからこそ、その一挙手一投足に注目が集まるのだから。「松坂世代」の代表として最後にもう一花、いや満開の花を見せて欲しい。

ヒーローインタビューであんなに嬉しそうな笑顔を見せるベテランの野球選手、なかなかいないと思う。大人なのに心の底から野球を楽しんでるのがものすごくカッコいい。

復帰勝利のヒーローインタビューは、できれば僕の好きなオリックス戦以外であって欲しいのだけど。

170勝108敗。お金も名誉もあるがそれでも投げ続ける。

松坂大輔は天性のスターだ。

スターは必ず復活する。


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