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電子書籍が普通になった時代に

すっかり電子書籍の時代になった。

ちょっとしたマンガバカならば4桁くらいはマンガを保有していて、本棚に囲まれて地震に恐怖し、本棚から溢れて床に積んだマンガと、古新聞回収に出すには惜しくて取ってある、週刊・月刊マンガ雑誌の山で床がいつ抜けるかを心配する日々だったハズだ。今でもか。

そんな中で電子書籍の時代が来た。タブレットの1つもあればマンガをいつでも読めて、いくらでもストレージという名の四次元ポケットにためて置けるのだ。

しかし、電子書籍の時代に電子書籍のためだけではないが、変わったコトもある。人々の週刊・月刊マンガ雑誌離れだ。あの週刊少年ジャンプすら大きく200万部を割った状態、一人勝ちのハズの週刊少年ジャンプでその数字、もう他の雑誌は100万部にも届かないのだ。

もう、大半の人はスマホで無料コンテンツを得ることに慣れてしまった。真っ黒とかグレーなサイトからでもだ。昔は無料でコンテンツを発表していたクリエーターに、感謝して使わせてもらっていたハズなのに、今は「無料で当然」「タダであたりまえ」の文化になってしまった。さらにマンガは同じ土俵で音楽・動画・ゲームと戦わなければならなくなったのだ。

そのコトに対して深く考えてもしょうがない。文化は技術で変わるものだ。WEB広告の収益が他のメディアよりも力を持つようになって、無料でもクリエーターに収入が得られる形にもなってきた。

ただ、単行本が読みやすく買いやすくなったコトもあり、さらに雑誌離れは加速しているイメージだ。一般の人々は一人勝ちの週刊少年ジャンプの、さらに人気上位の単行本しか買わなくなり、マンガ読みもよほどのマンガでなければ雑誌を経由せずに単行本を買う状態になっていると思われる。自分もそうだ。昔は友人に「なんの自慢だ」と言われる程の雑誌を読んでいたハズだが、今や買う雑誌はわずかとなっている……。

スミマセン。

既に「雑誌が単行本の紹介場としては機能しない」時代なのだ。そして各出版社のトップ雑誌のエース漫画だけしか売れない、面白くても中位以降のマンガは話題にもならないのだ。正直、大出版社の雑誌に載るマンガよりも、無料で読めるサイトの上位マンガのほうが知名度が高い現状に思える。

上の写真は、連載している「週刊漫画TIMES」においてはずっと雑誌の顔で17年も連載しているのに、連載当初に単行本が1冊だけ、後は出版社がコンビニ本を2冊出しただけの解体屋ゲン(こわしやげん)である。解体屋ゲンは今、作画・原作者の2名が電書バトから電子書籍を出して、強烈な安売りと丁寧なSNSのフォローでAmazonの売り上げ上位の常連となっている。上位になればさらに広告効果も出る。内容?もちろん強烈に面白い。

現時点で877話出ている解体屋ゲンが実本(紙の本を自分はこう読んでいる)で発売しても売れるコトはなかったであろう。1巻10話詰め込んでも88冊である。面白いから大人買いというのはせいぜい20冊ぐらいまでではないだろうか?金銭面でも収納する物理面でも。これは電子書籍の恩恵である。

※ 解体屋ゲンについては次の記事で詳しく

電子書籍の有利な面では、昔のマンガも簡単に手に入るというものもある。スキャン時にしっかり処理して作られたデータは綺麗で痛まないし(綺麗じゃないデータも稀にあるが)、売り切れも発生しない。現に少し前には手に入らなかったマンガたちは、かなり簡単に買えるようになった。これも電子書籍の恩恵だ。逆に言えば今のマンガ家たちは、今も実本の発売が途絶えないレジェンド以外の過去のマンガ家たちとも戦わなければいけないわけだ。

装丁はどうか?電子書籍では表紙買いは出来るが、紙の質まで拘った装丁を味わっての購入には至らなくなった。帯は当然として、背表紙・裏表紙までカットされた電子書籍もある。逆に言えば、そろそろ「動画な表紙」が出てもおかしくない状況かもしれない。

そんな電子書籍の時代で、どうマンガを読んで行くのをテーマとしたいのだけど、まあ自分の筆力ではそれは叶うまい。ここまで自分としては真面目に描いたつもりだが、まるで内容がない(笑)

まずは好きなマンガ・読んで欲しいマンガの感想をゆっくりと書き並べていきたいので、とても暇な人はお付き合いください。






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