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世の中の小さなストレスに着目して商機を上げる

コロナ時代はキャッシュレスが進んだと言われています。「小銭を触りたくない」という気持ちもありますが、レジの人の「手間と時間を短縮してあげたい」とか「後ろの人に早く譲りたい」という思いやりもあります。この待たされるという小さなストレスを改善していることが大切なのです。20代の頃広告代理店で、運輸系の仕事をしているときに、バスの遅れの原因は渋滞ではなくて、料金を支払うときのお財布の出し入れだとバスの運行管理責任者を取材したときに衝撃を受けました。

私の脳は「バスが遅れるのは渋滞が原因」と決めつけていたからです。本来バス停でお財布を出しておいて、小銭を握りしめて料金箱に入れてくれればいいのですが、お年寄りとかはバスが来てドアが開いてステップを上り、料金箱の前にたち、鞄から「よっこいしょーいち(昭和のギャグ)」とお財布をだし、小銭を支払うからこれを待っていて発車が遅れてしまうそう。これがバス遅延の主な原因です。スイカで改善されたとはいえ今も小銭待ちは多いそうです。

計算してみると「お財布待ち乗客」に1分づづ待たされると30人で30分。乗っている人だけでなく、バス停で待っている人、後ろのバスの乗客にもイライラが伝播するのです。同様に、傘を乗ってからじっくりと巻く「カサ畳み待ち乗客」もいます。雨の日にバスがなかなかこないはこれだったのです。「バスは遅れるから嫌だ」という多くの人が感じている小さなストレスが実は乗客を減らしていて商機を逸していたのです。

緊急事態宣言を解除された街に、はにかみながら飲み屋さんにお客様が戻りつつあります。馴染みの店で少しだけ談笑してたら「カード使えますか?」というお客様が・・。スタッフが「いいえ」というとお客様は「また」とニコニコとビールを飲まずに出て行ってしまいました。カードで支払いができないという小さなストレスが美味しいビール飲みたいというこの店にきた目的よりも勝ってしまった瞬間です。

街に必ず一軒はある「ここで開業すると絶対に潰れる」という不思議なお店。そうゆうお店も実は立地的に小さなストレスが積み重なっているんだと思います。

自社の小さなストレスが改善されないと本業の良しあしが理解されないこともあります。働くということは「不便を楽しむ」ということではなくて、「小さなストレスを改善して、クライアントのサービス力をあげること」そして「本業の商品やサービスに着目」させることだと思います。


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