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自分が使っているカメラのこと②

前回の記事からのつづき
そんな新しく出会ったレンズとの倦怠期の中で恵比寿にある「大沢カメラ」という戦後からある老舗のカメラ店でまた新しい出会いが訪れることになる。このお店には中古カメラはおろか昔のビンテージフィルムカメラからマニアックなレンズが豊富に在籍しており東京でいうと鶯谷のような・・・いや・・・もうこの比喩方法はやめておこうね。とにかくビンテージレンズの品ぞろえが豊富なのです。


大沢カメラ(※1)は先代から引き継いだ大沢兄弟が切り盛りするカメラ店なのですが恵比寿新聞は絶大な信頼を置くお店。かなりマニアックでしかも大沢カメラでしか通じない言葉もあるんです。例えば・・・


大沢兄
いやぁ~このレンズは相当トロトロだねぇ。

大沢兄
このレンズも最高で開放するとグルグルだから~。


普通のお客さんが聞いていると「この人何を言っているんだ?」なのですが、付き合いだすとこの意味が非常に役立ってくる。そんな不思議な店なのだ。まぁここは通いだすとわかるとして・・・

そんな大沢カメラに置いているレンズの中でも「M42」というオリオン大星雲のほうじゃなくてカメラマウントの種類がある。カメラ本体とレンズをドッキングさせるための「くち」の種類というと語弊があるかもしれませんがまぁそんな感じ。もともとはペンタックスのフィルムカメラなどに装着する古いレンズの種類でねじ込み式のスクリューマウントレンズ。もちろん「キャノン7D」にはそのまま装着することは不可能だ。

ある日大沢兄から「ちょっとその7D貸してみて」と徐にカメラ本体を渡すと、あれまびっくり・・・「M42」のレンズがわが側室の「キャノン7D」に装着できているではないか。なんとこの「M42マウント」と「キャノンマウント」を仲介する「マウントアダプター」なるいわゆるドラえもんでいうところの「翻訳こんにゃく」的な役割をするアダプターによって装着できるらしい。そこからがまさに「本当の意味でのカメラの面白さ」を知るきっかけになる。

「M42マウント」のレンズはその性能とは裏腹に安価(※2)で手に入る。驚くほどの安さだが取れた写真は「なんかプロが撮った写真みたいだぁ」になる。独特のボケみ・単焦点ならではの自由なピント調整。車でいうとマニュアル車な感覚。オートフォーカスはない。最初に恵比寿新聞が購入した「M42」のマウントレンズは「ASAHI PENTAX SUPER TAKUMA 55mm F1.8」通称「アトムレンズ」と言われるレンズ。1962年に作られたレンズで「アトム」の由来はガラスの屈折率を上げるために少量の放射能物質が入っていることからそう呼ばれている。体には害がないそうな。

恵比寿新聞では2013年からこのレンズを多用して撮影を行っており、その独特のボケ・懐かしい色合いすべてが僕を虜にしたわけであります。ここからキャノンの純正レンズと別れ、新たに「M42」というレンズとのお付き合いが始まるのですが、この「M42」レンズが奥深いんです・・・


≪参考≫
※1 恵比寿の老舗カメラ店「大沢カメラ」
※2「PENTAX Super-Takumar 55mm F1.8」ヤフオクで見る




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