「生まれてこなきゃ、良かったのに!」それって親が言う言葉?
「生まれてこなきゃ、良かったのに!」それって親が言う言葉?
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8/9の父の百日法要が始まるの前に、
お供物の並べ方が気に入らなかった母、
いきなり耳元で
「生まれてこなきゃ良かったのに」
って、ポロッと言いました。
私も太宰治みたいに
「生まれてきて、すいません」とか、
咄嗟の切り返し言葉を持ってればよかった!
まぁ、母は
「死にたい」とか、
「生きてたって、しょうがない」とか、
しょっちゅう言うから、
「またか」っていう
罵詈雑言なんですが、
気になってたのかもしれません。
私は、その日の夕方涼みがてら、
大好きな図書館に行って
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『生まれてこないほうが、良かったのか?』
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という、森岡正博の本を見つけました。
偶然の必然ですね!
森岡正博博士は、東大で学び、
早稲田とかで教鞭を取っていた、
哲学と、倫理学と生命学の教授。
『草食系男子の恋愛学』って本で、
わりとメジャーな方です。
「生まれてこなければよかった」という
暗黒トンネルをくぐりぬけて
「生まれてきて本当によかった」という
光明を見ようとする道、
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私はそれを「誕生肯定」と呼んで
哲学的に考察してきた。
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というところから始まります。
内容を紹介しますね!
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21世紀の哲学においては
「生まれてこなければよかった」という
思想は広く「反出生主義」と呼ばれていて、
・・・・・・
人間が生まれてくることや、
人間を生み出すことを否定する思想がある。
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「反出生主義」とは
人間たちが
この世界生まれて出てくるのは
間違ったことであるから、
人間たちが
生まれてこないようにした方が良い
とする考え方で、
その「反出生主義」にも、
いくつかのバリエーションがある。
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その中の1つのデビット・ベネタの
「誕生害悪論」もその一つである。
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ベネタは、
人間が生まれてくる事は例外なく
悪いと主張する。
生まれてきた人が、
友人や家族に恵まれた人生を送り、
仕事が成功して
幸せに満ちていたとしても、
その人が「生まれてきた事」は、
その人が「生まれてこなかったこと」に
比べて悪いのだと言う。
そしてベネタは
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「人類の段階的絶滅」を提唱している。
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自殺によってではなく、人類が徐々に
「出産を諦める」ことによって
全体としてこの世から消えていくのが
良いと言うのである。
つまり
人類の自然消滅を肯定してるのね?
実は「誕生否定」の思想は、
文学においても哲学においても
宗教においても、
古代から面々と説かれ続けてきた。
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「生まれてこないほうがよかった」は
人類2500年の歴史を持っているのであり、
現代において突然出てきたものではない。
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そして読み進んでいるうちに、
びっくりすることが出てきました。
ゴータマ・ブッダの哲学を考える。
という所では
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アジアで最も「反出生主義」に
近い哲学を打ち出したのは、
ほかならぬブッダの原始仏教である。
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ブッダは、二度とどこへも
生まれてこないことを
究極の目標として修行した。
それはこの世において
大いなる安らぎに至る悟りの道である。
古代インドで
最も反出生主義に近い考え方を
説いたのは、原始仏教である。
原始仏教は
人間が経験する一切は苦しみである
と考えた!
生きてることは全部苦しみ?
当時のインド世界では
輪廻が信じられていたから、
死後に輪廻して生まれてくる。
次に生まれていく世界でも
また苦しみを経験し続けなければならない。
出家者たちは
死んだ後二度とどこへも
生まれないことを願って修行した。
二度と生まれないことを
願うのであるから
これは反出生主義の思想である。
ブッダが直接書き記したことは、
一切残されていない。
原子仏典に現れたブッダの考え方を
要約すると次のようになる。
まず
この世で生きる事は苦しみである。
この世で死ぬと
輪廻によって別の世界に生まれる。
そこでの生も、また苦しみである。
そして再び輪廻する。
このようにして
私たちは永遠に苦しみから逃れられない。
この苦しみから逃れるためには、
この人間界で自分自身の執着、
欲望、愛欲を断滅し、
もう二度と輪廻によって
別の世界に生まれなくても良いと
という境地に達する必要がある。
この安らぎの境地を涅槃と言う。
涅槃の境地に至るために、
所有物を手放して出家し、
他人への愛を手放して、
「原因があって生じる
あらゆる物事は
全て変化し消え去っていく」
「いかなるものも私ではない」という
真理を正しく洞察し、
瞑想によって心を整えて、
執着や欲望にとらわれない
正しい生活をしなくてはならない。
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「正しい」って何さ!
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涅槃の境地に至る道は遠いが
日々の修行を積み重ねれば
この世で涅槃の境地に至る事は可能である。
それが解脱。であーっる!
なんか、暗すぎない?
なんか、絶望過ぎない?
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ちょっと、ブッダのこと
嫌いになっちゃうよね?
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愛する人間を作るな!
愛するものを作るな!という教えは
強烈なネガティブですよね?
しかし考えてみれば、
たとえ愛する人人がいたとしても
愛はいつ壊れるか分からないし、
壊れなかったとしても、
その人とは、いずれ必ず
死別あるいは離別するので、
その別れの苦しみは
愛情が深ければ深いほど大きいであろう。
いくらお互いに愛し合っていたとしても
2人が同時に瞬殺されない限りは
どちらかが先に死んでいくのである。
もう、コレほどネガティブ入ってると
地球人は救われないよ!
それに、大きなお世話!
ブッダは「救済」する人がいなくなる
地球に人間がいなくなることが、
究極の理想だったの?
うへぇぇぇぇ。
そうなると母の言葉は
私に向けてつぶやいたのではなく、
お供え物を並べてる後ろの、
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阿弥陀如来さまが
「生まれて来なきゃよかったのに」
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を言わせたのかもしれません!
あーっ、ビックリ!
ブッダはネガティブ代表じゃない!
カチコチの哲学書の中から
ネガティブなブッダというよりも
仏教は
ネガティブだって発見したわ!
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