個性を活かすことで生まれる力=適材適所
第二回目の投稿で、『個性を認め合い活かしあうことで、心身ともに健やかで笑顔溢れる社会を実現する』という私の志を投稿させていただきましたが、今回は“個性を認め合い活かしあう”とはどういうことか、について私なりのアプローチでお話させていただきたいと思います。
①先入観を捨てありのままを見る
こんな逸話があります。
とんちの一休で有名な室町時代のお坊さん、一休禅師のお話です。
ある村に立ち寄ると、一本の曲がりくねった松の大木がありました。
そこで村人へ一休禅師が質問をしました。
「誰かここにある松の木をまっすぐに見ることのできる者はおるか?まっすぐに見た者には褒美をやろう」と。
村人たちはまっすぐに見ようとあちこちから松を眺めます。
遠くから見るもの、寝ころがって見るものみんながどうにかして曲がった松の木をまっすぐに見ようと智慧を絞ります。
でも、どこからどう見てもその松の木は曲がっています。
ある一人の村人が「いやあ、この松はどこから見ても曲がっているなあ!」とボソッと一言。
すると、それを聞いた一休禅師が言いました。
「そうだ、あなたがこの松をまっすぐに見たあなたに褒美をやろう。」
曲がりくねった松の木は、曲がりくねっているとありのままに見ることが、まっすぐに見るということです。
しかし、私達は、「まっすぐ」といえば「まっすぐにのびた松の木」を想像するように、先入観で物事をみています。
だからこそ先入観なく、ありのままの姿で物事を見ることがとても大事なのです。
②ありのままの姿で見るとどうなる
例えば、曲がっている木を建築材としてありのままに見た時、柱として考えれば使えない材となります。
なぜなら、柱は荷重を重力と同じように上から下に真っすぐ伝えることで、はじめて建物の荷重や揺れに強い構造になるからです。
ですが、梁材としてみた時にはどうでしょうか。
梁材は上からの荷重を長手方向で受けます。
そうすると材はたわむのですが、このたわみにつよい材こそ良い梁だと言えます。
そうすると、曲がっている木のほうがたわみに強く、強度を発揮するため、曲がっている材は良い材になるのです。
私たちまちなかの工務店は、加工場の問題などで、事前に真っすぐ加工された材を使って家を建てていますが、その際に背側・腹側を考えて加工をしてもらっています。
腹と背を考えて使うことで、数値に表れない強い住まいを作ることができるのです。
③適材適所
ご紹介してきたように、ありのままの姿を見ると、良いところの裏返しが悪いところであり、それ自体が個性だということが分かります。
そして一見悪いところを認めて、活かしてあげると、それは凄い力を発揮することが分かります。
これこそがまさに『適材適所』なのです。
まちなかの工務店である私たちは、15年前に各地の山を回り、製材所さんや山主さん、木こりさんなど、色々な人たちの話を聞いて回って、各地の材をことを学んだことがあります。
その際に、山主さんや木こりさんに言われたことは、曾祖父の代から大事に育ててきた木を、なるべく活きるように使って欲しいということです。
山林大国である日本ですが、みなさんご存じのように、木は急峻な山に生えています。
北向き斜面の山なのか、南向き斜面の山なのか
斜面の確度は急なのか、緩やかなのか
水気のあるところが近いのか、遠いのか
温暖なところなのか、寒冷地なのか
人間と同じように、育った環境でその木の個性が違います。
吉野材はブランド材ですが、それは管理伐採がきちんとしているからです。
結果吉野杉は目が詰まっていて、酒樽に適しているため、酒どころである阪神間の酒造メーカーと密接に付き合い、繁栄してきました。
かたや私たちがお世話になっている徳島の木頭杉は、温暖な地域に生えているため大径木になりやすい材です。
実は杉の赤身は水に強く、また大径木であるため、赤身の面積も大きくなります。
そのため、藍染用の藍が特産で、船で大阪方面へ出荷していた徳島藩の船の材として使われていました。
日本古来の文化は、育った環境で生まれる個性を認め、活かしてきたのです。
100点満点の人間なんていません。
そしてお話してきたように、一見悪い事柄でも、裏返せば良い個性になるのです。
木と同じように、人間も個性を認め合い活かしあえる寛容さをもって付き合い、活躍する場所を作っていきたいですね。
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