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春夏秋冬代行者 夏の舞 上 (電撃文庫) 著 暁佳奈

【宿命付けられた運命だとしても一度くらい自由に生きてみたい】


『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』暁佳奈が贈る四季の物語、再び。

「汝の名は『夏』、春に続く者」――
かつて、神々たる四季は、人間の一部にその力を与えた。春、夏、秋、冬。それぞれの季節を顕現する者は“四季の代行者”と呼ばれ、権能を得た彼彼女らは、人の身でありながら季節そのもの、つまり、現人神となった。
時に黎明二十年、大海原に浮かぶ島国『大和』は激震に見舞われる。春の少女神、花葉雛菊の十年ぶりの帰還。過激派【華歳】による夏、秋への襲撃。そして、過去に類を見ない春夏秋冬の共同戦線。
数多の困難を経て、勝利を収めた四季陣営だったが、ここで一つの問題が起きる。夏の代行者、葉桜姉妹が史上初の「双子神」となってしまったのだ。これは吉兆か、あるいは、凶兆か。季節は夏。いま再び、代行者たちの物語が幕を上げる。

数多の困難を乗り越えた四季代行者だったが、葉桜姉妹が双子神になる事で世界は吉兆と凶兆とで揺れる物語。


世界は誰かの献身で成り立っている。
朝も夜も社会の歯車となって円滑な積み重ねをする。
しかし、その献身は誰かの光にもなるし、刃にもなる。
妹が神になったせいで、定められた因果に葛藤するあやめ。
神様になったからには身命を賭して世界に献身せねばならぬ。
役に立たない代行者は挿げ替えされる。
里の大人達は自分達を代替可能な道具としか思っていない。
夏の代行者、葉桜姉妹と黄昏の射手、巫覡輝矢が出会い、暗狼事件を解決すべく一同は聖域竜宮岳へ。

自分で授かった命は本来、自分の為に使いたい。
しかし、現人神になったからには世界の命運を背負わされる。
宿命づけられた人生の中で、一度だけでも、もし許されるなら、自分勝手に恋をしたいと願う。
奪われた不自由の中で、心だけは誰にも奪われないように、それを守る為の闘いを始める。
里や権力組織の抗争に巻き込まれるのはまっぴら御免だ。
大人達の都合を押し付けるなと、あやめ達は理不尽な悪意に憤り、手前勝手な運命に徹底的に抗う。


宿命付けられた運命に反撃すべく双子は身勝手な悪意と陰謀に立ち向かうのだ。





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