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名盤紹介[DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-]

 オリジナルアルバムではなく、トリビュートアルバムを名盤として紹介するのも少し変な感じはしますがこれはロック史上に残すべきアルバムという私の独断で紹介させていただきます。

 そもそもDEAD END自体が80年代に活躍したジャパメタ、およびヴィジュアル系の先駆けであり、多くのアーティストに影響を与えました。初期のRYUICHIなんてまんまMORRIEの影響を受けたパフォーマンスだったり、後期の[ZERO]というアルバムはポップ寄りながら独特の世界観を持ち(いささかDEAD ENDファンかからは賛否両論でもある)、L'Arc~en~Cielやその界隈の90年代を駆け抜けた数多のバンドに並々ならぬ影響を与えています。
 曲の完成度はさながら、まず見ていただきたいのが参加アーティストの豪華なラインナップ。

「DEAD END Tribute - SONG OF LUNATICS -」
収録曲 / 参加アーティスト
01. Embryo Burning
Vo:HYDE(L'Arc-en-Ciel、VAMPS)
G:HIRO(La'cryma Christi)
B:岡野ハジメ
Dr:Shinya(DIR EN GREY)

02. I Can Hear The Rain
Vo:RYUICHI(LUNA SEA)
G:咲人(NIGHTMARE)
B:SHUSE(†яi¢к、La'cryma Christi)
Dr:shuji(Janne Da Arc)

03. The Godsend / 清春

04. Night Song
Vo:栄喜(SIAM SHADE)
G:室姫深
B:tetsuya(L'Arc-en-Ciel、TETSUYA)
Dr:山崎慶(Venomstrip)

05. Serafine
Vo:宝野アリカ(ALI PROJECT)
G:SUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN、JUNO REACTOR)
B:TOKIE(unkie 、LOSALIOS)
Dr:ササブチヒロシ(東京酒吐座、Creature Creature)

06. So Sweet So Lonely
Vo:yasu(Janne Da Arc 、Acid Black Cherry)
G:Shinobu(Creature Creature、The LEGENDARY SIX NINE)
B:人時
Dr:真矢(LUNA SEA)

07. Spider In The Brain
Vo:高野哲(ZIGZO)
G:you(Janne Da Arc)
B:FIRE(the Badasses)
Dr:MOTOKATSU MIYAGAMI(THE MAD CAPSULE MARKETS)

08. Dress Burning
Vo:越中睦士(†яi¢к、Λucifer)
G:HIZAKI(Jupiter)
B:燿(摩天楼オペラ)
Dr:HIROKI(D)

09. Perfume Of Violence
Vo:BAKI(GASTUNK、MOSQUITO SPIRAL)
G:Marty Friedman
B:Luna(Eins:Vier、RaFF-CuSS、R2Y+J リリィ・ジョーカー)
Dr:YUKI(Jupiter)
Key:都啓一(SOPHIA、Rayflower)

10. Blind Boy Project / cali≠gari

11. Sacrifice Of The Vision
Vo:aki(ex. Laputa)
G:千聖(PENICILLIN)
B:IKUO(BULL ZEICHEN 88、Rayflower)
Dr:LEVIN(La'crima Christi)
Key:kiyo(Janne Da Arc)

12. 冥合 / Boris

ナタリー様より転載


 はい。見てわかる通り歴戦の猛者、そして今をきらめくトップアーティスト達の夢の共演です。みんなDEAD ENDが好きで、DEAD ENDに憧れDEAD ENDで育ってきたのがよくわかりますね。
楽曲を軽く個人的主観で感想を書かせていただきます。
 

1.Embryo Burning
 のっけから重厚なサウンド。Hyde氏の強烈なボーカルが聴けます。L'Arc~en~CielよりかはVAMPS的な。VAMPSよく知らないので雰囲気で答えてます

2.I Can Hear The Rain
 DEAD ENDを愛して止まないRYUICHIが選んだのは超名盤[Shambara]のラストを飾る珠玉の名曲。半音上がった後のRYU独特のシャウトは一聴の価値あり。SLAVEの方はこれだけで3000円の価値はあります。あとギターの咲人による完璧なギターソロも必聴。

3.The Godsend
 DEAD ENDを愛して止まない②の清春が選んだのはクソほどマニアックで一瞬どのアルバムに入ってたかすら思い出せなかったこの曲。選曲の時点でDEAD ENDが好きという気持ちは痛い程伝わってきます。まぁ一般ウケを考えてないあたりロックですね。清春のねっとりした声がとてもこの曲に合ってます(下手なりに褒めてます)

4.Night Song
 VOCALはSIAM SHADEの栄喜。適材適所とはこのこと。良くも悪くもクセのあるボーカリストなだけに合う曲と合わない曲があると思うが、正直めちゃくちゃカッコイイ。この曲は本当に聴く限りアレンジに一切手を加えている様子は見受けられない。やはり原曲が完成されすぎていて弄るところがないんじゃないですかね。

5.Serafine
 なんとここでALI PROJECTのVOCAL宝野アリカ嬢が君臨なされる。この人選は聴くまでまったく予想がつかなかったものだが、正直このアルバムのベストアクトと言ってもいいです。聖少女領域しか知らなかったし年齢不詳のやべーおねえさんとしか思ってませんでした、本当に申し訳ありませんでした。余談ですがMORRIEはアリカちゃん呼びらしいですね。何だその人脈
 SUGIZOはルナフェスでもそうだし今年出たMORRIEソロの[Ballad D]でSarafineを弾いています。SUGIZOは多忙ですよねえ…。

6.So Sweet So Lonely
 
この曲はI want your loveと並んでDEAD ENDらしからぬPOPな曲ですが、これもまたyasuの声が絶妙にマッチしてていいんですよ。V-ROCKにとどめておくにはつくづく勿体ない曲だと思います。
 DEAD END(Live CD)やHyper Dに収録曲されているイントロでやってくれるかなあと思いましたが、流石に原曲リスペクト、そのままで仕上がってます。

7.Spider In The Brain
 ZIGZOのボーカル高野哲がギャンギャン叫んでおります。とてもいい声ですが喉を酷使しそうで心配になります。
 ソロ後の○○○のように~ってのがやっと今回初めて聞き取れたおかげで歌詞を知りました。この曲は今MORRIE氏もこのキーで歌うのはキツいでしょうね。ちなみに私はこの曲がDEAD END出会いの曲であり衝撃を受けた曲です。
 だからこそ原曲を聴きすぎたせいでギターに多少の違和感を覚えてしまうんです。勿論、オリジナリティを否定するつもりはありません。あくまで個人的主観ですので。
 
8.Dress Burning
 再結成後出したアルバム[METAMORPHOSIS]からこの曲が入ったのは正直
予想外でした[PrincessかDevil Sleepを予想していました]。
 そうですね、まあ結論から言うとこのアルバムで一番聴かないかな。むしろたまに飛ばす。もともと曲がキャッチーで歌詞もそこまで…な曲ってのもあります。ただ原曲より聴きやすくなっているのは良しとするか?

9.Perfume Of Violence
 まあ四の五の言わずに曲とメンバーを見てください。濃い。固めアブラ多め。だがそれがいい。胸焼け注意。
 
マーティは一体ギターを何本重ねて録ったんだろう?ギタリストの端くれとしてはとても気になります。リズム隊もノってますね(ベースは持っていますがドラムは無知なので何も語れません)。

10.Blind Boy Project
 
明らかに浮いており、ヴィジュアルシーンに友達の少なそうなcali≠gariがバンドとしてトリビュートに参加。界隈屈指のベーシスト研次郎のベースで引っ張り、石井のボーカルもそつがない。青さんギターソロ弾けるじゃんと思ったのは内緒です。何テイク録ったのかな
 原曲にここまでアレンジを加えたのはこの曲くらいですかね。ベースメロが完全に研次郎の曲になっていて賛否両論感。私は好きです(ガリスト)

11.Sacrifice Of The Vision
 
前半のI can hear the rain, 中盤のSerafineなら後半はぶっちぎりでこの曲を推します。絶対にありえませんがこの層々たるメンバーが一堂に会してライブをやった場合、一番パワーバランスと結束力・演奏の総合力がトップになるんじゃないかなと思います。
 Laputaのボーカルakiは完全に自分の曲としてこの曲を完コピし、ギター・ベース共に間奏の気合の入り方が尋常じゃない。一番はキーボード。kiyoはこの曲に必要な音・入れるべき音が完璧である(元々キーボードなんてものが入っていなかった曲なだけに、入れるのは難しかったと思うが彼は全曲の中でもMVP級の仕事をしている)。

12.冥合
 
こちらもBorisといったバンドがcali≠gariに引き続きバンド単位で参加。あまり良く存じ上げないのですがワールドワイドで活躍しているバンドとのこと。歌い方はダウナーな感じがするのですが、それがまたDEAD ENDとは違ったこの曲の持つ陰鬱さを最大限に引き出しており、終盤のフィードバックなんかはシューゲイザーを彷彿させます。
 エンディングとしては最高ですが、どうなんでしょう?トリビュートという取り決めの中で(あったかどうかは知らないが)、1つのグループが11分を独占するというのはあっていいんですかね?ってのはちょっとした疑問点。


 曲の完成度はさながら、お気に入りのアーティストが居るなら是非聞いてほしいと夙に願う一枚。願わくば西川ちゃんとかも参加して[Good Morning Satellite]やら[Decoy]あたりをカバーしてほしかったなあと。
 ちなみに毛色は似ていますが、D'ERLANGERのトリビュートもこれまた名盤です。まあDEAD ENDの方がどちらかと言えば私は好みですが。



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