ウォッカ好きが説明するストロングゼロ

ストロングゼロが世に知られる前から飲んでいた作者は、その名が知れ渡っていくことにほんの少しの誇らしさと、不安感(これが安易に飲まれて大丈夫か?)がありました。

結果は問題視までされて、酒も飲まないような人によって毒飲料みたいな扱いまでされるようになってしまいました。

特に事実に基づかない妄想による危険物扱いは見ていられず、今回そこら辺含めて整理することにしました。


正解:単なる安ウォッカである

まともな人なら、まず成分表を読みます。

https://products.suntory.co.jp/rtd/ingredient.html

・檸檬(果汁が3%もある!)
・ウォッカ(国内製造)
・炭酸
・酸味料
・香料
・ビタミンC(防腐剤)
・甘味料(アセスルファムK、スクラロース)

ウォッカ以外は一般的な檸檬飲料の内容そのままですね。

ウォッカの製法はどこでも載ってるでしょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%83%E3%82%AB#%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%81%AE%E8%A3%BD%E6%B3%95

ウォッカの製法は麦(小麦/ライ麦)を煮て、フィルターをかけ、イーストを加えてもろみ(固形物)を作り、連続式蒸留器に掛けることで出来る。

ウォッカは更に下記工法が行われる。
・加水:40度に調整する
・添加物:フレーバーを付ける(薬草や蜂蜜、果物や白樺など)
・濾過
・仕上げ

蒸溜回数や濾過の度合い、添加物などによりさまざまな違いが出ます。

原価がどうのという人も居ますが、そもそも飲料製品の原価を気にしても意味がありません。その製造にかかる手間暇も考えられないとして、原価厨として罵られるのがオチでしょう。

化粧品の一つに蟹の甲羅が原料のものがありますが、原料がキロ7円だとして、製品がグラム数千円なのは製法が難しいからに他なりません。

正解:人を選ぶ味である

その味はどこかケミカルで、人を選ぶ内容です。
そもそもウォッカというアルコール臭い部分が人を選ぶのだから、ジュースやチューハイと思うと面食らいます。

面食らったからと言って不味いというのは、Dr.Pepperやルートビアを美味しく飲んでる人に湿布だとか言うのと同じです。
(いや、むしろその方がネタとしてオイシイのか…?)

この味は他の飲料ではなかなか再現されておらず、唯一無二とすら言えます。
(自分で割るための原液ですら、缶の味にしづらかったりします)

そのため、この味が一般的に人気の出るフレーバーだというのも、ストロング愛飲者としてはなんか変に感じています。
(特に、強烈に冷やさなければなかなか飲みづらい味だと思います)


誤り:醸造アルコールである/機械油である

笑止。醸造アルコールはサトウキビを原料とするアルコールであり、そもそもウォッカとは無関係です。
(醸造アルコールが入っているとバカにしている記事は実際にありました)

そして、醸造アルコールと一言に言っても、その質は様々です(表示義務の限界とも言えますが)

高級な日本酒にもまま入れられており、下記のような効果もあります。

https://www.nomooo.jp/column/82296/
・飲み口スッキリ
純粋な日本酒は、時に米の匂いがキツく、初心者には呑みづらいレベルです(日本酒度が高い≒辛口)。
そうした匂いを薄くして、飲みやすくする効果があります。

・醸造香を残す
醸造香はいわゆるフルーティな香りですが、水には溶けません。
醸造アルコールに入れることで、ワインのようだとして、海外でも人気です。

・雑菌やカビを防ぐ
これは読んで字の如く

醸造アルコールのイメージが悪いのは、三倍増醸酒と言われ、米の酒の2倍のアルコールを添付し、かつ甘味料酸味料で味を付けたものがもたらす問題と思われます。
(今でもたまに安価で売られてます)

そのため、一部の安酒以外の醸造アルコールを脳死で批判するのは、己の無学を示すことになりかねません。
そもそも醸造アルコールを使われていない飲料に機械油だとか言い出すのは、それだけで読む価値がありません。
(これは飲料が100%安全という意味ではなく、食品危険論は我々の食生活を脅かす商業的な存在だという意味です。 昔、「買ってはいけない」という無根拠な危険論本と、「買ってはいけないを買ってはいけない」というアンチテーゼ本がバカ売れしました)

批判する前に、家族や隣人と話しているだろうか?

(あと、純米酒は糖質が当然高くなります。 たまに飲むなら良いんですけどね)

誤り:高アルコール飲料である

ウィスキー(40度)もジン(40度)もウォッカ(40度)も焼酎(20~25度)も日本酒(15度)もワイン(6~15度)も飲んだことないんでしょうか?

焼酎をロックやお湯割りで2杯飲めば、ストロングゼロ350ml缶2本ほどのアルコール量となり、60kg成人男性の8時間分解速度の限界に到達するのは同じです。

テキーラ何杯分!とか言ってましたが、問題なのは「その量を一気に飲めること」であり、テキーラ(35~55度)が好きならそれくらい飲めるテキーラの方が危険と言えます
(よくテキーラ入りカクテルで酔わせて…とか聞きますし)

正解:一気に大量に飲めてしまう

指摘すべきはここでしょう。
炭酸であり、なおかつ爽快感のある飲みごたえ。冷やすほどに美味しくなる味付けはクセになります。

上で書いたとおり、60kgの一般男性が分解出来る速度は、350ml缶x2本を8時間が目安になります。

それ以上を飲めば悪酔いしますし、肝臓にダメージも入ります。

酒は人を選ぶものが多く、正直言って一気に飲みづらいものが多いです。
安全上その方が良いんでしょうが、もっとこう、手心というか…。

簡単に作ることの出来るカクテルが良いとこでしょうか。

正解&誤り:ウォッカ買って自分で作ればいい

これについては、「良いウォッカを飲む」という意味では正解です。
同時に、「ストロングゼロの代わりを飲む」という意味では不正解です。

ストロングゼロを飲んでるのは、この味だからこそというのがあります。

一方で、ウォッカ自体はいくらでも質の高いものが売られています。40度750mlという、カクテルにすればしばらく困らない量のものが1000円未満で売られています。
(ちなみに、コスパは割り材の値段考えると、ストロングゼロとトントンでした)

オレンジジュースやジンジャエールなどで十分に楽しめるので、是非買って試してみて下さい。

余談:手近なオススメウォッカ

スーパーに売られているウォッカについて軽く説明
これより良いものは当然いくらでもありますが、近場で売ってなきゃイミナシ!

  • スミノフ:超有名。とりあえず外れない。日本産と外国産がある。

  • SKYY:小瓶のカクテルもある。スッキリして飲みやすい。氷と水を入れて飲むと美味しい

  • ビフィーターギルビー:最安。匂いが強いが、ラムやテキーラほどではない。カクテルに合う

  • モヒート:ミント入り。ミント大好きならヨシ。でもちょっと高い…。

2023/9/13追記:ビーフィーターではなくギルビーの話でした! ビーフィーターはスーパーで買えて美味しいタイプだと思います。

匂いがなくてスッキリ飲みやすいというのは、逆に言えばフレーバーが弱いと言う意味なので、そこは好みで。

余談:オススメウォッカカクテル

基本的にウォッカ:割り材=1:3だが、アルコールが強い方がなんでも美味いわけではないので、1:4あたりから始めるのがGood。

ちなみに、アルコールは1:3で約10%、1:4なら8%です。

ウォッカトニック
冷凍庫に入れたウォッカをショット+檸檬囓って飲む。あるいは、トニックウォーターで飲む。(1:3)
ストゼロレモンっぽく見えるが、味は全然違うので注意。

スクリュードライバー
オレンジジュースで1:3で割る。
個人的にオレンジカクテルはジンの方が好き。

ソルティードッグ
グレープフルーツで割る。塩を付けるのがポイント。
(塩と酒は悪魔的に合う。 ウィスキーとチョコみたいなもん。 寿命の味がする)

モスコミュール
ウォッカ:ジンジャエール:ライムジュースで3:8:1で割る。
ライムジュースが見つからないなら、ライムや檸檬を切って挟んでも良い。
それすら面倒ならジンジャエールだけでも十分美味しい。

ブラッディメアリー
トマトジュースを1:3。
退屈な二つの味が合わさって一気に刺激的に。
タバスコが一振りあるとBetter。
ウォッカの代わりにビール(レッドアイ)でもいい。

ドッグノーズ
割り材に麦酒を使う。 第二第三の麦酒でやったら微妙だったので、ちゃんとした麦酒が良いと思う。

※これ以外にも美味しいカクテルは山のようにある。 しかし複数の酒が必要など、作るのが面倒なので簡単なものだけとした。

余談:ストロングゼロの美味しい飲み方

実の所ただのウォッカカクテルなので、ウォッカと話は同じです。
ウォッカトニックが近いでしょうか。

ぬるいとそれだけ美味しくないので、氷を入れるなりしてキンキンに冷やして飲むのがオススメです。

温度を保つためにタンブラーを活用しても良いでしょう。

ちなみにストゼロ+エナジードリンクは美味しくないみたいですね。

おわりに

いかがでしたでしょうか?(定型句)
ストロングゼロ自体には本質的に危険な要素は見て取れません
(単純に"ウォッカ(国内製造)"から言えることは何も無い、とも言えます。 これ以上の情報は全て妄想です)

逆に言えば、一般的な高アルコール飲料と同じであり、飲む場合はそれ相応の理解が必要とはいえます。

ストロングゼロがこれだけ話題になるというのは、逆説的に他の高アルコール飲料が一般受けしてないという意味でもあるので、他のアルコール飲料さんにも色々頑張って貰いたいなと思います。

あと酒税高すぎ(今度また上がるらしい)


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