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えんとつ町のプペル🏭

2020年12月25日公開!
製作総指揮・脚本・ 原作:西野亮廣 
制作:STUDIO4℃
元々は西野さんの絵本が原作の映画。「ディズニーを超えたい」と、高みを目指して制作されたこの映画ですが、個人的にとてもおもしろかったです。

⭐️概要⭐️

煙突の煙によって空が真っ黒に覆われた、夜の町。
ひとりぼっちのルビッチは、消えてしまった父から聞いた空の向こうの星を、たった一人で信じています。
そんなルビッチの元に突然現れたゴミ人間。
友達がいない2人は互いに寄り添いながら一致団結し、街の誰もがみたことのない星を見るために奔走します。


⭐️感想⭐️

スチームパンクな世界観に、どこかノスタルジックな優しい色で描かれた絵がとても綺麗でした。
ネットでは賛否が分かれていましたが、込められたメッセージが割と好きだったため私は良い映画だったなと思います。
この映画において良かった点と、う〜んもうちょっとという点を記述します。

<良かった点>
⭐️ゆるくいろんな人と繋がれる現代において、「友達」という言葉に向き合える最初は友達の意味も知らなかったゴミ人間が、ルビッチと関わっていく中で「友達」という言葉を何度も発しています。
「友達だから僕は〜〜する」と言ったような熱いワードが散りばめられている中で、改めて「友達」とは何か考えさせられました。
現代では、インスタやTwitterのフォロワーでその人の「友達の多さ」が謎に測られる場面もありますが、そもそも「友達」ってみなさんにとってどんな存在でしょうか。
来年春に大学を卒業し本当にこれからも関係が続く友達は何人いるのかと考えるところですが、悩んだ時にパッとその人の顔が浮かんだり、嬉しいことがあった時に話したくなったりするような人がいて、その人もそんな時に私の顔が浮かんでくれると最高だな〜と思います。
小学校の頃、隣のクラスの子にトイレで「友達になろう」と勇気を出して声をかけた思い出が懐かしいな。
大人になると友達の意味なんて、良くも悪くも深く考えなくなりますね。


⭐️「失敗なんてありません」と語る西野さんが込めたメッセージ。分からないことに蓋をするな!
ルビッチがお話の後半に、星の存在を信じない群衆に対して「誰も空の上を見たことがないのに分からないじゃないか!分からないものに蓋をするな」といったセリフを発します。
これは、常識に囚われて挑戦しなくなった現代の大人に対して発された言葉でしょう。
そもそもえんとつ町が煙に覆われている要因として、お金を持っている人だけが得をすることを防ぐために独自の通貨を発効し、その状態を維持するべく外部からの情報をシャットダウンしたことが挙げられます。
自分たちが良いと思う信念を硬く貫くのはいいけど、自分の中に閉じ込めて建設的な議論を避ける柔軟性のない世界を表しており、その部分に共感できました。
いや〜歳を取るにつれて、小学校の頃の自分は夢に溢れていたなぁ〜と感慨深くなります。
いつまでも現実ばなれした大人であっても困りますが、何かを失ったり恥をかくことを恐れずずっと何かに挑戦して目をキラキラさせている大人でありたいです。


<う〜ん、もうちょっと!な点>
⭐️自己啓発セミナーか!メッセージが直球すぎ!
回想や言葉で説明する場面が多め、もっと絵で語って欲しかった!
物語に込められたメッセージも万人受けというよりは、西野さんの信者や成長欲求の強い意識の高い人に刺さるメッセージなのかな〜と思うところがありました。
また表現方法もそれとなく伝えるというよりは、伝えたいことを言葉に盛り込みすぎたためにクドさが出てしまったと思います。
せっかく映像があんなに綺麗なのにもったいない。

とはいいつつ総じて、個人的には割と好きな映画だったと思います。
ルビッチ役の芦田愛菜もいい感じにハマっていて良かった!

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