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旅の準備といえば、

旅行に行く前、部屋を掃除するタイプである。
部屋が散らかったままだと帰った時にほっと一息、と出来ない。荷物の後片付けもあるのに更に部屋の掃除までしなければいけないのか、とげんなりしてしまう。
そうした精神的疲労を軽減するためにも、出発前に出来るだけの掃除や洗濯を済ましておきたい。もちろん慌ただしくて出来ないことも多々あるが。

掃除をする時、いつも脳裏に思い浮かぶのは向田邦子のエッセイである。旅好きだった向田邦子の、旅行前ルーティンなどについて書かれたエッセイ。
と、言いながら実は詳しい内容は忘れてしまった。タイトルは当然ながら(?)覚えていない。ナンタルチア・サンタルチア。

というかてっきり自分と同じく旅の前には色々身綺麗にして行くと書かれていたと思いこんでいたのだが、念の為ネットで検索をかけてみたら全く逆で、わざと散らかったままにしておく派、であったらしい。
「あんまり綺麗にしておいて万が一のことがあった時に『虫の知らせがあったのか』などと言われるのもナンだから、験担ぎとして逆に散らかしておく」のだとか。(タイトルは『霊長類ヒト科動物図鑑』?)
うーん、まったく記憶は当てにならない。

内容はともかく、旅の準備には向田邦子。
掃除ができるか否かは関係なしに思い浮かぶ。
それは間違いなく、彼の人の最期が強く関係している。1981年8月22日、台湾旅行の飛行機事故。
その時もやはり部屋は散らかして行ったのかと思いきや、どっこい綺麗に掃除していたのだとか。やはり「虫が知らせた」のだろうか。
であるならどうか身に起こる災難を退けるまでしてほしかったとは思うが、運命はままならないのが世の常、なのかもしれない。

先日エッセイについて書いたからか、不意に思い出した。
『阿修羅のごとく』や『あ・うん』などテレビドラマになったものも強烈で面白かったが、やっぱりエッセイが良い。
黒柳徹子の留守番電話に関する逸話なんて秀逸だったな。まぁあれは彼女のキャラクターが秀逸だったわけだけれど。

やっぱり早すぎる、惜しい人だったな、なんて。
なんだかどうも、最近刹那な話題ばかりである。


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