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看護師国家試験がん編

みなさんこんにちは、えび丸です!

今回は看護師国家試験過去問がん看護です。
範囲は多くありませんが、押さえておきましょう。




1問目


第104回 午後49問

放射線治療による放射線宿酔について正しいのはどれか。

1. 晩期合併症である。
2. 食欲不振が出現する。
3. 皮膚の発赤が特徴的である。
4. 症状は1か月程度持続する。


解答


×1. 晩期合併症である。
放射線宿酔は放射線治療の早期に起こる合併症である。

2. 食欲不振が出現する。
食欲不振は放射線宿酔の症状である。

×3. 皮膚の発赤が特徴的である。
放射線宿酔とは放射線療法の副作用のうち全身症状をいう。放射線療法の副作用である局所症状には、皮膚の発赤などの皮膚炎がある。

×4. 症状は1か月程度持続する。
症状は10日程度で軽減していく。

放射線宿酔とは放射線療法を開始して早期に起こる全身の症状をいう。放射線宿酔の症状には、倦怠感、疲労感、悪心・嘔吐、食欲不振、頭痛などがある。

2問目


第106回 午前49問

点滴静脈内注射によって抗癌薬を投与している患者の看護で適切なのはどれか。

1. 悪心は薬で緩和する。
2. 留置針は原則として手背に挿入する。
3. 血管痛がある場合は直ちに留置針を差し替える。
4. 2回目以降の投与では過敏症の症状の確認は必要ない。


解答


1. 悪心は薬で緩和する。
抗癌薬の副作用には悪心・嘔吐などがあり、制吐薬を使用することで症状が和らぐ。

×2. 留置針は原則として手背に挿入する。
留置針は原則として手背に挿入することはない。また、血管外漏出の危険因子を避けるために関節の運動によって影響を受けやすい血管は避けたほうがよい。

×3. 血管痛がある場合は直ちに留置針を差し替える。
抗癌薬の点滴静脈内注射では血管痛が生じることがあるが、血管痛がすべて血管外漏出であるとは限らないため、直ちに留置針の差し替えを行うのは適切ではない。患者から血管痛の訴えがあった場合はいったん点滴の滴下を止め、血管痛の原因を見きわめる必要がある。

×4. 2回目以降の投与では過敏症の症状の確認は必要ない。
2回目以降の投与であっても過敏症を起こす危険があるため、症状の観察は常に怠らないようにする。

抗癌薬の点滴静脈内注射で注意すべきは血管外漏出である。抗癌薬が血管外へ漏出すると周囲の組織に障害が起こり、発赤、腫脹、熱感、疼痛、びらん、水疱形成、潰瘍化、壊死などの症状が現れることがある。


3問目


第100回 午前103問

次の文を読み問題1に答えよ。
Aさん(50歳、女性)は右乳癌と診断され、手術を受けるために入院した。Aさんは夫を3年前に腎臓癌で亡くしたが、貸しビル業を引き継いでおり、経済的な問題はない。趣味はテニスである。

問題1
Aさんに右乳房温存腫瘍摘出術と腋窩リンパ節郭清が行われ、腋窩部にドレーンが挿入された。Aさんは、病室に戻ったころより患側上肢のだるさを訴えている。

ドレーンを挿入したAさんへの対応で適切なのはどれか。

1. ドレーンは水封式吸引装置に接続する。
2. 積極的な上肢回旋運動でドレーンからの排液を促す。
3. ドレーン抜去時まで刺入部のガーゼ交換は行わない。
4. ドレーンを抜去した翌日から全身のシャワー浴は可能である。


解答


×1. ドレーンは水封式吸引装置に接続する。
乳房温存腫瘍摘出術と腋窩リンパ節郭清に伴い挿入された腋窩部ドレーンは一般的に閉鎖式ドレーンであり、吸引をかける必要はない。水封式吸引装置に接続するのは胸腔ドレーンである。

×2. 積極的な上肢回旋運動でドレーンからの排液を促す。
設問では患者は患側の上肢のだるさを訴えている。積極的な上肢回旋運動を行うことはまだ無理であり、また患側上肢のだるさを改善するものでもない。

×3. ドレーン抜去時まで刺入部のガーゼ交換は行わない。
ガーゼ汚染があれば感染予防の観点からガーゼ交換を行う。またドレーン刺入部を観察する際に一度はがしたガーゼは使用しない。

4. ドレーンを抜去した翌日から全身のシャワー浴は可能である。ドレーンを抜去した翌日にはシャワー浴が可能となる。

一般的なドレーンの取り扱いと看護を理解しておこう。



問題2
Aさんの術後の経過は良好で、外来で抗癌化学療法を受ける予定で退院した。Aさんは患側上肢のだるさ、疲れやすさが残ると外来看護師に話した。

Aさんの患側上肢の浮腫を予防する方法で適切なのはどれか。

1. 使い捨てカイロを患側の腋窩にあてる。
2. 患側上肢はなるべく動かさないようにする。
3. 患側上肢のマッサージを中枢から末梢へ行う。
4. 患側上肢の静脈では抗癌薬の静脈内注射を行わない。


解答


×1. 使い捨てカイロを患側の腋窩にあてる。
使い捨てカイロを使用することは低温熱傷の恐れがある。熱傷は皮膚の炎症につながりリンパ浮腫の原因となる。

×2. 患側上肢はなるべく動かさないようにする。
長時間患側上肢を動かさないことは、リンパ液の流れを悪くしリンパ浮腫を助長させることになる。

×3. 患側上肢のマッサージを中枢から末梢へ行う。
患側上肢のマッサージは溜まったリンパ液を徒手的に深部リンパ管に誘導する目的がある。よって末梢から中枢へ行うことが適切である。

4. 患側上肢の静脈では抗癌薬の静脈内注射を行わない。
皮膚を傷つけることで感染によるリンパ浮腫を引き起こすことになる。よって抗癌薬のみならず静脈内注射は患側では行わない

リンパ浮腫の予防として、患側上肢を圧迫しない、長時間同じ肢位でいない、心臓より高く上げる、皮膚を傷つけない、などがある。



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